KGI Securitesの著名アナリストMing-Chi Kuo氏によれば、次期iPhoneは6.5インチ、5.8インチ、6.1インチモデルの合計3モデル。このうち、6.5インチモデルと5.8インチモデルは有機ELディスプレイを搭載すると言われているが、6.1インチモデルは従来通り液晶ディスプレイが搭載されたモデルになるといわれている。
この液晶モデルに搭載されるディスプレイは、JDI(ジャパンディスプレイ)が開発した新型液晶「フルアクティブ」になる見通しであることがわかった。時事通信が伝えた。
JDIの新型液晶「フルアクティブ」が次期iPhoneの液晶モデルに採用
この「フルアクティブ」と呼ばれる液晶ディスプレイは、外枠のベゼルがわずか0.5mm~0.6mm幅でも動作する仕組みのため、ベゼルレス端末に最適。これに加えて、製造コストは有機ELより安いとされているとのこと。
冒頭でも触れたように、次期iPhoneの中には、有機ELディスプレイを搭載した主力機の他に、液晶ディスプレイを搭載した廉価モデルが登場する予定。このJDIのディスプレイが、廉価モデルに最適と判断されたのだろう。
ちなみに、この「フルアクティブ」は、中国のスマートフォンメーカーXiaomiの「Mi MIX 2」でも使用されており、ベゼル幅が極狭の”ベゼルレス”スマホが誕生している。
同ディスプレイを開発したJDIは、ソニーモバイルディスプレイと、日立ディスプレイ、東芝モバイルディスプレイが統合し誕生した会社だが、スマートフォンやタブレット、デジタルカメラなどに搭載されるディスプレイで、韓国SamsungやLGディスプレイなどとの価格競争に敗れ、業績の下方修正を繰り返しており、資金繰りも悪化。
同社の大手取引先はAppleだったが、最近ではiPhoneに有機ELディスプレイを採用され始めたことによって先行きが不安視されていた。
しかし、次期iPhoneに「フルアクティブ」技術が採用されることによって、JDIの経営改善に一役買う可能性がある。iPhoneの次期モデルだけでなく、今後のJDIにも注目が集まる。