昨年11月に発売したAppleのフラグシップモデル「iPhone X」。
顔認証機能や有機ELディスプレイ、ワイヤレス充電機能など、多数の新要素が加わり、ユーザーからも評価の高い端末だが、それにも関わらず販売は従来予想を下回っているようだ。これを受けて、Appleは、今月から3月まで「iPhone X」の生産を半減させていることが日本経済新聞の報道で明らかになっている。
「iPhone X」は予想より低調な売れ行き?
日本経済新聞によると、Appleは当初、「iPhone X」の1月から3月の販売台数を4,000万台以上と見積もっていたが、予想よりも販売が低調であることから生産を2,000万台に引き下げているとのこと。すでに、各種部品を納入する国内外のメーカーに通達が行われている。
「iPhone X」の売れ行きが好調でないことの理由は、高い端末価格。「iPhone X」に搭載されている有機ELディスプレイは全て韓国Samsungが独占供給しているため、同ディスプレイの価格は依然として高い状態を維持している。Appleは、「iPhone X」を高い価格で販売するしかなかったのだ。
11万円以上する端末をすべてのスマホ買い替えユーザーが買い求めることはなく、実際のところ、機能は「iPhone X」よりは落ちるが比較的安く買える「iPhone 8」シリーズや「iPhone 7」シリーズに顧客が流れた可能性が高い。一部調査会社の分析では、すでにそれを裏付ける調査結果が出てきている。
Appleは今年発売予定の「iPhone X」次世代モデルを用意していると言われているが、それらも有機ELディスプレイを搭載することが予想されている。2017年7月の報道では、AppleはLGディスプレイに対し有機ELディスプレイの製造工場に出資したと報じられていたが、稼働は2019年とまだ先になる可能性が高い。
有機ELディスプレイの購入元を分散することは現時点でかなり難しいため、2018年に発売するiPhoneも引き続き高額になる可能性は否定できなさそうだ。