昨年11月に発売した 「iPad Pro (2018)」 にUSB-Cコネクタが搭載されたことによって、 「Lightningコネクタを廃止し、新たにUSB-Cコネクタが搭載されるのでは」 と噂の次期iPhone。そこに機運が高まっているのは事実だが、残念ながらそのタイミングは今年ではないのかも。
Appleに関する国内有力メディア「Macお宝鑑定団Blog(羅針盤)」 は、サードパーティメーカーからの情報として、次期iPhoneは引き続きLightningコネクタを搭載する可能性があると伝えている。期待されていたUSB-Cコネクタの搭載はおあずけとなる可能性が高い。
次期iPhoneは変わらずLightningコネクタが搭載へ
Appleは昨年12月に開催された 「MFi Supplier Conference 2018」 において各アクセサリーメーカーに対し、USB-C – Lightningケーブルを製造するためには新MFi認証を取得した 「C94コネクタ」 を使用する必要があると伝えたという。また、「iPhone 8」 もしくは 「iPad Pro (10.5-inch)」 以降に関しては、C94コネクタのUSB-C – Lightningケーブルを使用した場合、USB-PD充電に対応すると説明したとのこと。
C94コネクタは、USB-C – LightningケーブルでUSB-PD対応充電器と接続した場合、最大18Wの充電に対応する。また、USB-PD非対応充電器と接続した場合は最大15Wでの充電が可能になる。
USB-CコネクタをiPhoneに搭載しない理由のひとつに、「コストの高額化」 を避ける狙いがあるとみられる。Macお宝鑑定団Blogも指摘しているが、もしiPhoneがLightningコネクタからUSB-Cコネクタに変えるとなれば、同梱物であるケーブルを今までのUSB-A – LightningケーブルからUSB-C – USB-Cケーブルに変更する必要がある。また、イヤホンもEarPods with USB-C Connector、充電器もUSB-Cに対応したものに一気に変更する必要があるためだ。このコストの問題が解決できない限り、しばらくはiPhoneにUSB-Cコネクタが搭載されることはないのかもしれない。
上記の情報が本当であれば、今年のiPhoneにUSB-Cコネクタが搭載されることはないだろう。しかし、来年もしくは再来年のiPhoneこそはUSB-Cコネクタが搭載されることがあるだろうか。残念ながら、そこまで簡単な話でもないようだ。
AppleがLightningケーブルを手放すことができない理由に、「今まで続けてきたケーブルビジネスを終わらせたくない」 という本音もあるようだ。
Appleは、サードパーティのケーブルメーカーに対して認証制度(MFi)を設けている。サードパーティ製品が規格に適合していることが大前提だが、さらに販売するにはAppleに対してライセンス料を支払う必要がある。これと同じことをUSB-C – Lightningケーブルでもしようということだ。すでにAnkerなど主要サードパーティからUSB-C – Lightningケーブルが登場予定であることが発表されている。
もちろん、Appleの安全な規格に則った製品を購入できるためユーザーにとっても大いにメリットのある制度ではあるものの、ただMacBookやMacBook Pro、そしてiPad ProはUSB-Cケーブル、iPhoneはLighnitngケーブル、Apple Watchは専用の充電ケーブルといったように、デバイスごとに充電ケーブルを用意しなくてはいけないという不便さも残る。
多くのユーザーがiPhoneにUSB-Cコネクタが搭載されることを望むのは、なるべく使うケーブルの種類を少なくしたいからだが、これらのデバイスをUSB-Cで統一できるようになるのは、もしかするともう少し先の話なのかもしれない。