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インタビュー|わずか1年でiPhoneを1,000回充電したらどうなる?バッテリー劣化を抑えるためのコツを挑戦者に聞いてみた

iPhoneには、バッテリー容量の状態を知ることができる機能が搭載されている。この機能を利用することで、自身のもつiPhoneの内蔵バッテリーがどれほど痛んでいるかチェックすることが可能だ。

チェックできる項目は、バッテリーが充電できる最大容量、バッテリー容量に対してこれまで何回分の充放電を繰り返したかなど。

例えば筆者の場合だと、これまでに424回分の充放電を繰り返しており、最大容量は92%まで低下している。確かに発売時点に比べたら駆動時間はすこしだけ減ったような気がする。

それでは、どれくらいバッテリーの充放電を繰り返せばバッテリーは劣化するのだろうか。また、バッテリーの劣化を防ぐにはどうしたら良いのだろうか。

インターネットは広しという言葉もあるが、実機で何度も充放電を繰り返し、バッテリーがどれほど劣化したのか検証を試みたユーザーがいる。XのGenkai OtokoBattery Cyclistさん (以下、Genkai Otokoさん) だ。

筆者は、同ユーザーに対してテキストインタビューをさせてもらうことができた。新型iPhoneの発売も間近ということで、バッテリーの劣化を防ぎたい方の何らかの参考になれば幸いだ。

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世界最速(?)で充放電1,000回に達したユーザーにインタビュー。バッテリー劣化を抑えるコツとは

ーーーまず、今回の充放電回数1,000回達成おめでとうございます!さっそくですが、このチャレンジをはじめようと思った理由やきっかけを教えてください!

Genkai Otokoさん:
はい、よろしくお願いします!元々 「iPhone 4S」 を持っていた頃から充放電回数 (サイクルカウント) を確認することが好きで、2016年頃にApp Storeで販売されていたbattery Lifeというアプリで確認していました。

しばらくして、「iPhone 6」 → 「iPhone 7」 と世代交代してあとも、バッテリーの状態を気にかけながら使用していました。「iPhone 7」 は6年弱ぐらい使っていて、充放電回数は4,400回まで到達しました!

学生で国家試験の勉強もあったので、勉強に集中するために 「iPhone 7」 を売却して手放し、「iPhone 15 Pro」 を手にするまでは、しばらくAndroidスマホを使用していました。

「iPhone 15 Pro」 は、2023年3月頃から発売に向けて貯めたお金で購入しました。社会人になりたてだったこともあり仕事は大変でしたが、9月の発売までとても楽しみに待っていました。

発売の前日に、「iOS 17」 を搭載した 「iPhone 15」 シリーズ限定で、「設定」 アプリからバッテリーの充放電回数を確認できるようになったことを知って、Appleが (自身へ) 何らかのチャンスを与えてくれたのだろうと思い、世界一の充放電回数を目指す決意をしました。

 

ーーーなるほどです!充放電回数 (サイクルカウント) を確認できる機能がiPhoneに用意されたこと、そして新しいiPhoneを購入したことがきっかけで、再び充放電回数をチェックしようと思ったわけですね!

昨年9月に 「iPhone 15 Pro」 を購入されたということでしたが、具体的に挑戦を始めた日と達成した日 (もし分かれば挑戦日数も) を教えてもらえますでしょうか?

Genkai Otokoさん:
挑戦を開始した日は、「iPhone 15 Pro」 の発売日である2023年9月22日です!その時の0回目のスクショも残っています。

1,000回を達成したのは挑戦を始めて324日後の2024年8月11日でした!1年以内に達成できたのはすごく嬉しいです!

 

ーーー1年も経たずに1,000回を達成したのですね!充電するには、その分バッテリーを消費する必要があると思うのですが、どうやって意図的にバッテリーを消費したのか、その方法を教えてください!

Genkai Otokoさん:
『原神』などの負荷のかかるゲームをプレイしています。最近だと、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』を題材にしたリズムゲーム『アイドルマスター シャイニーカラーズ Song for Prism』も遊んでいます。

あと、メインで遊んでいるのは『ドルフィンウェーブ』というソシャゲです。オート機能があるので、YouTubeで動画をバックグラウンド再生しながらプレイできて、個人的には好きです。

Genkai Otokoさんの普段のゲームプレイのイメージ

「どうしたらこんなに早く充放電回数を増やせるの?」 と (ソーシャルメディアなどで) 海外のユーザーからよく質問が来ますが、向こうではあまりソシャゲをプレイする人がいないようで理解してもらえないことが多いです。

他にも、「iPhone 15」 シリーズから備わった給電機能も使用しています。端末は熱くなるものの、「iPhone 15 Pro」 からサブのスマホやタブレットへ給電することで、バッテリーの消費量を増やしています。

 

ーーー1,000回達成時点でのバッテリーの健康度 (最大容量) は95%になっていましたね。発売から1年しか経っていないとはいえ、充放電を1,000回も繰り返せばバッテリー最大容量はもっと減ると思っていました。参考として、私の充放電回数は397でバッテリーの最大容量は92%まで減っていました (インタビュー当時)。この数字については、どう思いますか?

Genkai Otokoさん:
国内外のユーザーからバッテリーに関する相談は受けますが、充放電回数が90回でも最大容量が91%まで低下している人がいたり、250回くらいで86%まで低下している人も見かけます。使い方が影響しているのかもしれませんが、もしかしたらバッテリーの個体差もあるのかもしれないです。

Appleは、iPhone 14以前のモデルに対して 「500回のサイクルで80%以上を維持するように設計している」 と公式サイトで書いていましたが、iPhone 15からは1,000回まで耐えられると表記を変えていますよね。これを受けて、フォロワーさんから 「お前の検証がAppleに見られているぞ!」 とからかわれました(笑)。

Apple公式サイトからスクリーンショット

あと、これまでバッテリーを確認するには 「設定」 アプリを開いて、画面下にスクロールしないと項目が出てこなかったのですが、今年9月にリリースされる 「iOS 18」 では、なんと上から4番目にバッテリーの項目が出てくるようになったようで、これについても、また 「お前が1日に何度も確認するからAppleが優しさで上に持ってきてくれたんだ。」 と言われました。個人的には嬉しい限りです(笑)。

 

ーーーAppleの優しさ(笑)。個別ユーザーの投稿を逐次チェックしてくれていたなら面白いですが、とはいえ今回の検証は、Appleにとっても良い結果とも言えるのかもしれないですね。発売から1年で1,000回も放充電を繰り返すユーザーはほとんどいないでしょうし、Appleの言う 「フル充電サイクルを1,000回繰り返したときに80%以上」 を裏付ける結果にもなったと言えると思います。ちなみに、チャレンジ開始当初の想定はもっとバッテリーは劣化すると思っていましたか?

Genkai Otokoさん:
予想どおりの劣化具合だったなと思います。「iPhone 7」 を使用していた時も、半年に1〜2%低下する感じだったので。

 

ーーーちなみに、バッテリーの劣化を早めないように、充電量を上限80%に抑えるという機能があると思いますが、この機能は利用されていましたか?バッテリー劣化を少なくするためのコツのようなものがもしあったら、読者さんたちへのアドバイスになると思うので、お聞きしたいです!

Genkai Otokoさん:
上限を80%にする機能については購入してからすぐONにしました。その後は一度も解除せず、ずっと80%制限で使用しています!

そして、1番気にかけているのは、充電しながらiPhoneを使用しないことです。あと、充電中は低電力モードに必ずしています。(一部の) バックグラウンドの処理を停止させられるので、効率よく充電できています。

80%まで充電されると、低電力モードも自動的に解除されるのでかなりオススメです。MagSafeやQi2などのワイヤレス充電は、より多くの熱を生むためバッテリーが劣化しやすいという話があるので、私はAppleの純正20Wアダプタで充電しています。

充電器もできるだけ純正品のものを使用したほうが良いと思います。あとは、1日2回は必ずiPhoneを再起動するようにしています。これも端末をリフレッシュさせて効率よく充電させるためです。

 

ーーーこのチャレンジにトライしてみて、何か気づいたり、面白かったことなど、ぜひ感想等をお聞きしたいです!

Genkai Otokoさん:
やはり海外の人たちはバッテリーの劣化に敏感なんだなと気付きました。テック系インフルエンサーも、よくスマホのバッテリーの劣化について話していますし、私がやったような検証は需要があるんじゃないかなと思っています。

フォロワーさんのおかげでここまで続けてこられたと思います。私の活動を題材にした歌を作ってくれた人や、イラストを描いてくれた人もいたりして、本当に飽きません。

1,000回達成までの道のり

 

ーーーできることは全てやっているという感じですね!

Genkai Otokoさん:
もちろん仕事やプライベートが1番大事なので趣味の範囲でとはなりますが、できることはすべてやっています(笑)

 

ーーーそれでは、インタビューも終盤となります。今後も充放電回数を増やすチャレンジは続けますか?もし続けるようでしたら、今後の目標を教えてください!

Genkai Otokoさん:
もちろん続けます!!この活動は 「iPhone 15 Pro」 のバッテリーが壊れるまで、あるいはサポートが切れるまで続ける予定です。もしバッテリーが膨張したりしてしまった場合はチャレンジ終了になってしまうので、気をつけながら挑戦していきたいと思います。「iPhone 15 Pro」 と共に素敵な人生を送っていきたいです!

 

ーーー最後に、弊サイトの読者へのメッセージとして、今回のインタビューについてでも良いですし、1,000回達成への道のりについての感想についても良いでですし、何かメッセージをいただけますと嬉しいです!

Genkai Otokoさん:
1,000回達成は、私の中で最初の目標としてあったので、ようやくチュートリアルが終わった感じです(笑)。自分で言うのはなんですが、継続力は自信あるので諦めずに続けたいと思っています!淡々と充放電回数の報告をするアカウントではありますが、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです!フォローお気軽にお待ちしています!

 

ーーーありがとうございました!

 


今回のインタビューでは、iPhoneのバッテリー管理に真剣に取り組み、1,000回の充放電回数を達成したユーザーの熱意と工夫を伺うことができた。

単なる記録としての数字だけでなく、その裏にある努力やバッテリー劣化を防ぐための細かな工夫、日々の使い方の積み重ねが、大切なデバイスとの付き合い方に大きく影響していることがよくわかるインタビューとなった。

新型iPhoneの発売が迫る中、バッテリーの健康状態を保ちながら使い続けるためのヒントや、ユーザー視点でのリアルな体験談は、多くのiPhoneユーザーにとって参考になるのではないだろうか。特に、80%の充電上限機能の活用や純正品の充電器の使用、充電中の低電力モードの設定といった具体的な対策は、誰でも取り入れやすいポイントなはずだ。

彼のように意図的にバッテリー残量を減らし1年足らずで1,000回もサイクル充電することはないにせよ、バッテリーの状況を意識しながら使うことは、長く快適に使い続けるための鍵となるだろう。

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(Thanks! Genkai OtokoBattery Cyclistさん)