今月7日、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、EU圏内で販売されるすべてのスマートフォンやタブレットなどのデバイスにUSB Type-Cを搭載することを義務付ける法案を可決。これに伴い、2024年末までに販売されるラップトップPCをのぞくほとんどのデバイスに、USB Type-Cコネクタが搭載されることになる。
この法令に大きな影響を受けるのが、AppleのiPhoneシリーズだ。Appleは長らくUSB 2.0準拠のLightningコネクタを搭載してきたが、同法案の可決を受けてiPhoneにUSB Type-C (USB-C) コネクタを搭載する必要がある。
多くのユーザーが期待するUSB-Cポートの搭載は、次期iPhoneこと 「iPhone 15」 シリーズで果たされることがわかった。米メディアBloombergの記者Mark Gurman氏が、自身のニュースレター 「Power On」 最新号で伝えている。
2023年発売のiPhone 15シリーズはUSB-Cコネクタを搭載へ
Mark Gurman氏によれば、Appleは2023年に発売する 「iPhone 15」 シリーズからLightningコネクタを廃止し、代わりにUSB Type-C (USB-C) コネクタを搭載するとのこと。EUの法令が施行される1年先取る形で、コネクタの置き換えを行うとのこと。
iPhoneと同様にLightningコネクタを搭載するデバイスについても、順次USB Type-C (USB-C) コネクタへ切り替えていくという。
AirPods、Magic Mouse、Magic Keyboard、Magic Trackpadなど。ポインティングデバイスについては、新型iMacやMac Proの登場のタイミングにあわせて、USB-C化が行われるのではないだろうか。
iPad (第9世代) については、年末までにUSB Type-C (USB-C) コネクタを搭載した新型モデルiPad (第10世代) を発売する予定。
また、iPhone SEについても、USB Type-C (USB-C) コネクタを搭載する予定だというが、EUの法令は新たに発売するデバイスに適用されることから、同コネクタを搭載したモデルが登場するのは2025年〜26年になるとMark Gurman氏は予測しているようだ。
ただし、USB Type-C (USB-C)コネクタの ”任期” はそこまで長くないだろうと同氏は予測している。その理由は、AppleはiPhoneのポートレス化を進めており、これが実現した場合、iPhoneからはLightningどころかUSB-Cコネクタさえもなくなる可能性があるからだ。
AppleがAirPowerで成し遂げたかった、”夢の完全なるワイヤレスな世界” が近い将来に実現するかもしれない。
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