iPhoneはワイヤレス充電機能に対応しているが、それはiPhone自体を充電するためのもので、他のデバイスをワイヤレス充電する双方向ワイヤレス充電(リバース充電)には対応していない。
しかし、この機能は実は 「隠し機能」 としてすでに実装されている可能性がある。ハードウェア的には対応しているが、Appleが意図的に無効化している状態で、もしかすると将来的に利用できるようになるかもしれない。
iPhone 12に双方向ワイヤレス充電機能が搭載?
この機能はiPhone 12に搭載されているようだ。その証拠はAppleがFCC(米連邦通信委員会)に提出したiPhone 12の資料から発見されている。通常のワイヤレス充電のほかに、360kHzでアクセサリを充電できる旨が記されているのだ。もし、この記載通りであれば、iPhone 12はハードウェア的に双方向ワイヤレス充電(リバース充電)が利用できる可能性がある。
A new MagSafe feature was hidden in Apple FCC filings: “In addition to being able to be charged by a desktop WPT charger (puck), 2020 iPhone models also support WPT charging function at 360 kHz to charge accessories [including] an external potential apple accessory in future.”
— Jeremy Horwitz (@horwitz) October 28, 2020
しかし、Appleは同機能をiPhone 12に導入している旨を明かしていない。その上、iPhone 12の背面にAirPodsなどのワイヤレス充電に対応した製品を載せても充電することはできない。
これはもしかすると、Appleが同機能をiPhone 12に搭載していることを意図的に隠しているのではないだろうか。ハードウェア的には対応しているものの、ソフトウェアによって無効化している可能性があるということだ。
Appleがそうする理由は定かではなく、もしかするとAppleの求める水準を満たすことができなかったためソフトウェアで無効化しているのかもしれない。ちなみに昨年発売したiPhone 11にも双方向ワイヤレス充電(リバース充電)用のチップとみられる部品が搭載されていることが明らかになっていて、将来的に同機能が利用できるようになると期待されていたが、実際のところは1年経ったいまでも利用することができないまま。iPhone 12も同じようになる可能性も十分に考えられる。
リバースワイヤレス充電中のGalaxy Buds Live
その一方で、BloombergのMark Gurman氏は、この機能は来年発売するとみられる新型AirPodsに関係しているのではないかと予想を立てているようだ。同氏の指摘どおりであれば、AirPodsはMagSafeによる充電に対応し、これよりも効率よく充電できる可能性があるということになる。バッテリーケースに大きな変更が加えられる可能性がありそうだ。
If this FCC filing is any indication, the iPhone 12 may have a hidden reverse charging feature. Perhaps MagSafe on the new AirPods? https://t.co/QhFQtOgoRB https://t.co/OAKzzb5U3B pic.twitter.com/pqAVcjLCyN
— Mark Gurman (@markgurman) October 28, 2020
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