「iPhone X」に搭載されたTrueDepthカメラは、ユーザーの顔を3D認識し、表情を細かくスキャンすることができるが、同技術を活用した新機能が「iPhone X」には搭載されている。それは「Animoji」だ。
イヌやキツネなどの3Dアバターに、ユーザーの表情をトレースさせることで、動く絵文字を作ることができる。「iPhone X」を所有している人なら、おそらく一度は遊んだことがあるはずだ。
しかし、同技術はAppleが用意したAnimojiを動かすだけに留まらない。読み取ったユーザーの顔や表情をゲーム内キャラクターに反映し、リアルに動かすことができる。Appleがサードパーティに対し開放している、TrueDepthカメラのAPIを使うことによって、実現可能だ。
「iPhone X」のTrueDepthカメラはゲームの制作現場でも利用されている
同APIは、スマホ用ARゲームアプリ「The Walking Dead:Our World」のゲーム内キャラクターを開発するために使用されているとのこと。
3Dキャラクターの顔に実際の人の表情をトレースすることで、話している最中の顔の動きを正確に表現したり、敵に追われて焦りを感じている顔を演技できれば、緊迫感のあるシーンを演出できるなど、ゲームのリアリティを高めることができる。
このフェイストラッキング技術は、決して新しいものではなく、最近はゲームや映画など多方面で活用されている。ただし、利用するには専用のスタジオやスタッフを借りる必要があるが、これを「iPhone X」だけで完結できれば、制作コストを安くすることができるだろう。
もちろん、この技術はアプリの開発に役立つだけでなく、ゲーム内でプレイヤーに利用させることも可能だ。
「The Walking Dead:Our World」では、ゲーム内のゾンビキャラクターにユーザーの表情をトレースし、それをオンラインのフレンズなどに共有することもできるとのこと。
現状、ARKitを活用したアプリは多いとは言えないが、「iPhone X」の顔認証機能は一部のバーチャルYouTuberの表情トラッキングにも使われたりと意外なところで活用されているようだ。
今回紹介した「The Walking Dead:Our World」は、「iOS 11」で導入されたフレームワーク「ARKit」を活用した新作ゲームアプリ。
スマートフォンのカメラをかざすと、画面内にゾンビが登場し、それを倒していくというアクションゲームになっている。
開発はNext Games。リリース時期は2018年第2四半期とされており、配信プラットフォームはApp StoreとGoogle Playストアだ。
[ via The Verge ]