今月27日、台湾メディアのDigiTimesは、Appleが4インチ型iPhone「iPhone SE」の新型モデルを用意していると報じた。
同レポートによると、次期「iPhone SE」は背面がガラス製パネルになり、ワイヤレス充電に対応する。そして、2018年第2四半期に量産が開始され、同年5~6月に発売するとのこと。
しかし、Appleの新製品予測で高い精度を誇るKGI Securitiesの著名アナリストMing-Chi Kuo氏は、この報道に対し疑問を呈している。同アナリストは次期モデルに関する新しいレポートを公開しているので、紹介しておきたい。
「iPhone SE 2」にワイヤレス充電機能は搭載されず?
Kuo氏が最も疑問視しているのは、「iPhone SE 2」がワイヤレス充電機能を搭載するという点。また、そのために背面がガラスパネルに変更されるという点だ。
「iPhone SE」は、もともと廉価版モデルとして人気を博している。それにも関わらず、ハイエンドモデルで搭載された新機能に対応し、端末の製造コストを増やす可能性は少ないということ。
また、ワイヤレス充電を利用するためには、背面パネルを現行の金属パネルからガラスなどワイヤレス充電の電波を通しやすい素材にする必要がある。
現在のAppleの状況を確認してみていただきたい。あくまで噂ベースの話ではあるのだが、Appleは今秋に向けて3つの新型iPhoneを開発中と言われている。
そのうちの、「iPhone X Plus(仮)」と呼ばれる6.5インチモデルと、6.1インチの液晶ディスプレイ搭載モデルを作るために、社内の開発リソースをフルで使っているはずだ。
その状況下で、Appleが「iPhone SE 2」の設計を見直し、新型モデルを登場させる可能性は低いのではないか。これが、Kuo氏の主張だ。
Kuo氏は「iPhone SE 2」の存在こそ否定はしていないものの、新デザインの採用などの大きな変更を伴うアップデートは行われないと予想しているようだ。
もし仮に、Appleのロードマップ上に「iPhone SE 2」があったとしても、おそらくは今年の秋にリリースされるであろう次期OSの「iOS 12」がスムーズに動く程度の処理能力を持たせるべく、新しいプロセッサを搭載する程度のマイナーアップデートになるという予想だ。
もし、この予想が合っているなら、「iPhone SE 2」はDigiTimesの予想通りにはならないことになる。もちろん、3D Touchや顔認証機能「Face ID」などの新機能に対応することもないということだ。
ちなみに、現行の「iPhone SE」のスペックは以下の通り。やはり「iPhone SE 2」は、これに最新プロセッサ「A11」もしくは「A10」チップが搭載される程度の変化と考えるべきなのだろうか。
機能 | iPhone SE |
---|---|
ディスプレイ | 4インチRetinaディスプレイ |
解像度 | 1,136 x 640ピクセル (326ppi) |
プロセッサ | A9チップ (64bit) M9モーションコプロセッサ |
RAM | 2GB |
外向きカメラ | 12Mピクセル(1,200万画素) |
内向きカメラ | 1.2Mピクセル(120万画素) |
Touch ID | ○ |
Face ID | × |
価格(税抜) | 32GB : 39,800円 128GB : 50,800円 |
ちなみに、同アナリストは今年の秋には3つの新型モデルが登場すると予想している。二つは有機ELディスプレイを搭載したフラグシップモデルで、もう一つは廉価版モデルとも呼べる6.1インチ液晶ディスプレイモデル。
この6.1インチモデルは、画面こそは液晶モデルだが、「Face ID」やワイヤレス充電に対応するなど最新機能の多くに対応する予定であることが予想されている。
当然、上位機種の一部機能は利用できないため機能面では劣ると言われているが、それでも多少リーズナブルな価格設定になることから、6.1インチモデルは2018年に発売するiPhoneの中で最も売れる端末になる可能性があると、Kuo氏は指摘している。
[ via 9to5Mac ]