間もなく新しいiPhoneが発売する。新しいiPhoneの購入を検討している人は、手元に新しいiPhoneがやってくることにさぞ興奮していると思うのだが、その逸る気持ちを抑えて機種変更前に必ずやっておいてほしいことがある。それは紛れもない「バックアップ作業」だ。
新しいiPhoneへストレスなくスムーズに移行するには、旧機種のiPhoneのバックアップをPCなどに保存しておいて、後から復元してやる必要がある。
バックアップ作業自体はそこまで難しいものではないのだが、少し工夫を凝らすことで作業時間を短縮できる上、ついでに大量の不要なデータを整理する良いチャンスなので、これから新しいiPhoneへ乗り換えを考えている人は、この記事を参考にバックアップ作業を行ってほしい!
手始めに要らないデータをガツガツ消去、バックアップ容量を減らせ!
まず、バックアップ作業に移る前に是非ともやっておくべきことがある。それは、iPhone内のデータを出来る限り少なくしておくことだ。インストールしっぱなしで使う機会がやってこないアプリや、撮影に失敗した写真や動画などをiPhoneから削除することが非常に大事だ。
バックアップ作業はiPhoneのデータを一つ一つ転送することになる。それがデータ容量の大きいものや大量のファイルが蓄積されている場合、バックアップ作業もそれだけ多くの時間を要することになる。
また、iCloudなどでバックアップを取る場合などは、バックアップ用データサイズにも限りがあるので出来れば小さくしておくに越したことはない。
バックアップついでに、iPhone内のデータ整理の時間を設ければ、普段面倒くさくて手をつけない無意味なデータを一気に処分することができるのでオススメだ。
iCloudでスマートにバックアップを保存する方法
基本的に、iPhoneのバックアップの取り方は2種類ある。一つ目はiCloudを使った方法で、二つ目はPC上に手動バックアップを保存する方法だ。
まず、iCloudを使った方法について紹介しよう。
iCloudはAppleが提供するクラウドストレージサービスで、Apple製品ユーザーであれば5GBが自動で無料提供され、バックアップ容量として利用することができる。
iPhoneをネットやメールだけに使うライトユーザーにとってはあまり関係のない話かもしれないが、普段iPhoneで写真や動画を撮ったり、本などのデータをiPhoneに入れている人がバックアップを取るにはiCloudの空き容量が不足しがち。
必要のあるデータだけを手元に残すか、必要に応じて追加でクラウドストレージを購入する必要がある。なのでこの方法は、MacやPCが手元にない人やクラウドストレージを使って管理したい人にオススメの方法だ。
iCloudを使用してバックアップをとりたい人は、iTunesの「バックアップ」の項目で、「iCloud」を選択しよう。もしくは、iPhoneから直接バックアップを保存したい場合は、[設定]アプリ>[ iCloud ]>[ バックアップ ]>[ iCloudバックアップ ]を右にスライド>[ 今すぐバックアップを作成 ]を選択しよう。
バックアップを保存し始めると結構時間が必要になるので、コーヒーなどを飲みながら完了まで気長に待つように。「前回/最新のバックアップ」の項目がバックアップを保存した日時になれば完了だ。
ちなみに、iCloudでバックアップを保存する場合、わざわざ手動でバックアップを保存しなくとも自動でバックアップすることもできる。自動バックアップを保存するには、以下の条件を満たす必要がある。
・iPhoneがロックされている
・Wi-Fiに接続されている
・iCloudに十分や空き容量がある
これらの条件を満たした場合、わざわざiTunesに接続したり手動でバックアップを保存する必要はなく、寝ている間や家に帰ってきて充電するタイミングで常に最新の状況にアップデートされるはずだ。
また、iCloudでバックアップするデータを削減しておくと、バックアップに必要なストレージが減るので普段から実践することをお勧めする。方法は[ iCloud ]>[容量]>[ストレージを管理]から行おう。
PC上に手動でバックアップを保存する方法
やはり信じられるものは有線によるバックアップ。実物のデータを手元に残してバックアップを取ることより安心できるものはない。もし、MacやPCを使ってバックアップできるのであれば、iTunesを使用してバックアップを暗号化することがお勧めだ。
方法はかなり簡単で、MacかPCでiTunesを起動し、バックアップを取るiPhoneを有線接続する。そして、iTunes上で「iPhoneのバックアップを暗号化」にチェックを入れ、「今すぐバックアップ」を選択するだけ。
この方法を使えば、iCloudを使用したバックアップ方法でも保存できないようなデータもバックアップを取ることができ、新しくiPhoneにスムーズに移行できるはずだ。
バックアップできるデータは、バックアップ方法によって違いがある
上記で二つのバックアップ方法をご紹介したが、ここでもう一つ注意して欲しいことがある。それは、バックアップの取り方によってバックアップが取れるデータとそうでないデータがあるということだ。
例えば、iTunesを使用してバックアップを取った場合だと通話履歴を保存しておけるのだが、iCloudを使用した場合だと復元することができない。これらは、それぞれバックアップの取ることの出来るものと出来ないものがあるので、どちらでバックアップを保存するかは以下の表を確認しておいてからにしていただきたい。
iCloudでバックアップを取る場合 |
・デバイス設定 |
---|---|
iTunesでバックアップを取る場合 | ・連絡先 ・メールアカウント・Wi-Fi・ウェブサイト・アプリのパスワード ・アプリ内のデータ ・アプリ内の設定 ・ウェブページに自動入力する内容 ・カレンダーのアカウント・予定 ・通話履歴 ・カメラロールの写真・ビデオ ・Game Centerのアカウント ・ホーム画面でのアプリの並び順 ・アプリ内で購入したもの ・アプリ・ウェブサイトなどの位置情報の使用の許可 ・インストールされているプロファイル(別のデバイスには復元できません) ・純正アプリ「マップ」の検索履歴・ブックマークなど ・Microsoft Exchange のアカウント設定 ・ネットワーク設定 ・オフラインのウェブアプリのキャッシュ・データベース ・Bluetooth デバイスの登録情報 ・Safari のブックマーク・Cookie・履歴・オフラインデータ・現在開いているページ ・保存されている変換候補 ・iMessage・SMS・MMSのメッセージ ・ボイスメモ ・壁紙 ・Nike+iPod のワークアウトと設定 ・ウェブクリップ |
先日のアップデートでLINEのトーク履歴は引き継ぐことが可能に
無料通話やチャットが可能な人気アプリ「LINE」は、前まではトーク履歴を引き継ぐことができなかったが、2016年の6月末に行われた「バージョン6.4.0」のアップデートで、iPhoneユーザーにとって待望の「iCloud」を利用したトーク履歴のバックアップ機能が新たに追加された。
同機能により、iPhoneユーザーなら誰もが利用している「iCloud」でトーク履歴を保存することができるようになったので、アプリを削除したり、iPhoneを買い替えたりした場合でも、すぐにバックアップからトーク履歴を引き継ぐことができるようになっている。
バックアップ方法は非常に簡単で、「LINE」アプリ内の「設定」から、[トーク・通話]>[トークのバックアップ]へと進み、「今すぐバックップ」をタップするだけだ。
トーク履歴を復元するには、新しいiPhoneに「LINE」アプリをインストールするだけ。これで「iCloud」に保存されているバックアップを自動で復元してくれる。
ちなみに、不要なデータ利用料が発生しないように、iCloudの設定でモバイルデータの通信をオフにすることが推奨されている。設定方法はiPhoneの「設定」アプリから[iCloud]>[iCloud Drive]>[モバイルデータ通信を利用]>[オフ]に設定することで完了だ。
その他のアプリについても、データの移行に関してはそれぞれ別に対応が必要なことがあるので各々でデータを移行する前に確認しておいてほしい。以下、現在サービス稼働中の有名タイトルを挙げておくので、自分が利用しているサービスの引き継ぎ方法を確認しておくことをお勧めする。
モンスターストライク
パズル&ドラゴンズ
アイドルマスターシンデレラガールズ
ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト
バックアップは必ず機種変更する前に行おう
さすがにiPhoneを普段から使っている人ならばお分かりだと思うのだが、iPhoneは携帯販売代理店でのデータ転送がほとんどできない。一部キャリアでは、連絡先などのデータを前機種から移してもらうことができるようだが、基本は自分で作業するのが前提となっている。
当然、代理店のカウンターでバックアップを取るには時間がかかってしまうため、もしiPhoneを購入すると決まったらすぐさまデータのバックアップを取得するようにしておくことが大事だ。間違っても思い立ったように販売代理店に行って乗り換えをするなんてことはしないようにしよう。
新しいiPhoneを入手してきたら、すぐさまiTunesに接続しよう。バックアップからデータの復元を行うことでデータ移行は完了となる。前機種で使っていた時とほとんど変わらない設定で使用することができるようになっているはずだ。