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iPhone 17 Pro レビュー|Appleが求めた機能美と私が求めた機能美

2025年9月、Appleは 「iPhone 17 Pro」 を発売した。

今回のモデルでは、シリーズ初となる熱間鍛造アルミニウムによるユニボディデザインが採用されている。従来のチタニウムから素材が切り替わったことで、軽量化と高い剛性を両立しているのが特徴だ。

内部には最新のA19 Proチップとベイパーチャンバー冷却システムを搭載し、負荷の高い処理でも安定したパフォーマンスを維持。さらにカメラは光学8倍相当のズームに対応するテトラプリズム搭載望遠レンズを備え、撮影体験も大きく進化している。

筆者はその 「iPhone 17 Pro」 を発売日に購入し、実際に数日間使用した。本稿では、その使用感をデザインや性能、カメラを中心にレビューとしてお届けする。

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デザイン:筐体のアルミ化と賛否両論のバー構造

(画像:Apple)

iPhone 17 Proは、今秋にAppleが発表した「iPhone 17」シリーズのなかでフラグシップモデルに位置付けられる製品だ。最新チップ「A19 Pro」を搭載し、カメラ・バッテリー・デザインのすべてに大幅な刷新を施した。

その中でも最大のトピックは、筐体が従来のチタンフレームからアルミ一体型ユニボディ構造へと移行した点だろう。

左:iPhone 16 Pro/右:iPhone 17 Pro

これは、航空グレードの7000シリーズアルミニウムを冷間鍛造で成形することで、iPhone全体の剛性を維持しながら、熱伝導率を大幅に向上させるための素材変更だ。チタンに比べて約20倍の熱伝導性を持つこの素材は、内部の発熱を効率的に外部へ逃がす役割を果たしてくれる。

加えて、Appleは本モデルからシリーズではじめてベイパーチャンバー冷却機構を内蔵した。脱イオン水を用いた気化・凝縮サイクルにより、A19 Proから発せられる熱をシャシー全体に分散させることが可能に。これらの変更により、iPhone 17 ProはA19 Proの本来のパフォーマンスを長時間維持できるようになっている。

そして、今回大きな話題となっているのが、背面のデザイン刷新だろう。特にカメラ付近にある横長のバー構造(プラトーと言うらしい)については、そのデザインの良し悪しについて賛否両論だ。筆者もあまり好ましいデザインだとは感じていないが、ただこのバー構造を搭載したことには、機能性に重きを置いたしっかりとした理由がある。

このバー構造の部分には、主に広角・望遠・超広角の3つで構成されたトリプルレンズカメラを搭載。さらにカメラ以外にも、A19 Proチップ、アンテナ、スピーカーなどのコンポーネントを効率的に配置することで、iPhoneの筐体内に新たなスペースを作り出した。これにより、iPhone本体により大きなバッテリーを搭載し、バッテリー駆動時間を伸ばすことが可能になっている。

リアカメラは、広角・超広角・望遠のすべてが4800万画素センサーに統一された。望遠カメラについては、センサーサイズが前世代比で56%拡大され、8倍(相当)光学ズームにも対応した。

背面下部にあるプレートのような部分は、アルミニウムではなくガラス素材が使われている。これはMagSafe(ワイヤレス充電)に対応するためのもの。フレームを構成するアルミニウム金属素材ではワイヤレス充電のための磁界が遮断されてしまい、ワイヤレス充電が機能しなくなってしまうからだ。

いわば磁界を通すための開口部。ここだけは、これまでどおりガラス素材を使わざるを得なかったというわけだ。実際に手で触ってみると違いが分かるのだが、アルミ素材を使用している部分はややヌメッとした感触なのに対して、ガラス素材を使用している部分はサラサラとした手触りになっている。この質感の不揃い感については好みが分かれそうだが、気になるなら保護ケースで隠してしまうという手もあるだろう。

側面のレイアウトはおおむね従来通り。片側にアクションボタンと音量ボタン、反対側にサイドボタンとカメラコントロールを備える。ただし、物理SIMスロットが廃止され、eSIM専用となった点は大きな変化だ。

前述のバー構造に通ずる部分があり、SIMスロットの廃止は単にデザインをシンプルにするだけでなく、バッテリー増量の余地を作るためのものだ。実際、iPhone 17 Proは、先代のiPhone 16 Proから駆動時間が20~30%伸びており、最大40時間のビデオ再生が可能だ。

本体下部には、従来どおりUSB-Cポートに加え、スピーカーとマイクが配置されている。将来的なポートレス化の噂はあるものの、今回のモデルでは実現には至らなかったようだ。

ミリ波用アンテナ

本体上部にはもう一つのスピーカーとマイクを搭載し、天面にはミリ波用アンテナも備わっている。ただし、日本ではミリ波が非対応のため、このアンテナが国内ユーザーに恩恵をもたらすことは現状ないだろう。グローバルで同一の筐体を採用することでコスト削減や効率化につながる一方、国内では不要なパーツが残ってしまっている点はやや惜しいといえる。

iPhone 17 Proのカラーバリエーション (画像:Apple)

カラーバリエーションは「シルバー」「コズミックオレンジ」「ディープブルー」の3色に整理され、これまで定番カラーだったブラック系モデルが姿を消している。

今年の一番人気カラーは、新色の「コズミックオレンジ」のようだが、筆者はこれまでブルー系のカラーをチョイスしてきたこともあり、今回も「ディープブルー」を選択した。

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画面性能:強化されたガラスと変わらない使い勝手

iPhone 17 Proのディスプレイは、先代と同じ6.3インチのSuper Retina XDR。常時表示や最大120HzのProMotionにも対応し、滑らかなスクロールや高い応答性は引き続き健在だ。

上部には「Dynamic Island」を搭載。通知や着信、音楽再生などに合わせて形を変えるインタラクションもそのままで、UIの一部としてすっかり定着した印象がある。

前面ガラスにはCorningの「Ceramic Shield 2」を採用し、耐擦傷性能がさらに高められている。ただし、いかに硬くなったといっても落下による割れなどを完全に防ぐのは難しいだろう。筆者自身も過去の経験から、今回もガラスフィルムを貼って使うつもりだ。

なお、画面輝度は最大輝度が1,000ニト、ピーク輝度が1,600ニト。屋外のピーク輝度は先代モデルの2,000ニトから3,000ニトに向上しており、屋外での視認性が若干向上している。

SoC:最新「A19 Pro」の実力は?

(画像:Apple)

iPhone 17 Proの心臓部には、新しい「A19 Pro」チップが搭載されている。コア数自体は、CPU・GPUともに先代「A18 Pro」から据え置きだが、AI処理やグラフィックス性能、さらにはバッテリー効率などの向上を実現している。

製造プロセスは、TSMCの第3世代3nm(N3P)が採用されたと考えられる。前世代のA18 Pro(N3E)と比べてトランジスタ密度が4%向上しており、CPUパフォーマンスは5%程度向上(または消費電力が5〜10%低減)されているとみられる。

GPUコアにはついにNeural Acceleratorが組み込まれ、機械学習や生成AI関連の処理をより効率的にこなせるように。また、キャッシュ容量の拡大やメモリの増量により、アプリの起動や大規模ゲームの動作もスムーズになっている。

CPU性能

左:iPhone 17 Pro/右:iPhone 16 Pro

Geekbench 6でベンチマークを計測してみたところ、シングルコアスコアが3802、マルチコアスコアが9678。

最新のiOS 26にアップデートしたiPhone 16 Proのスコアと比べてみると、シングルコアスコアは約10%、マルチコアスコアは約13%向上していることがわかる。

Geekbench 6搭載SoCCPUコア構成シングルコアスコアマルチコアスコア
iPhone 17 ProA19 Pro高性能コアx2
高効率コアx4
38029678
iPhone AirA19 Pro高性能コアx2
高効率コアx4
37129699
iPhone 16 ProA18 Pro高性能コアx2
高効率コアx4
34748567
iPhone 16A18高性能コアx2
高効率コアx4
32377775
iPhone 15 ProA17 Pro高性能コアx2
高効率コアx4
28266840
iPhone 15A16 Bionic高性能コアx2
高効率コアx4
27106512

AnTuTuベンチマークも計測してみた。iPhone 17 Proは総合スコアが2375541、CPUスコアが842409で、iPhone 16 ProのA18 Proと比べるとそれぞれ約23%、約8%向上していた。

AnTuTu v10.1.3搭載SoCCPUコア構成総合スコアCPUスコア
iPhone 17 ProA19 Pro高性能コアx2
高効率コアx4
2375541842409
iPhone AirA19 Pro高性能コアx2
高効率コアx4
2095821721192
iPhone 16 ProA18 Pro高性能コアx2
高効率コアx4
1931280777885
iPhone 15 ProA17 Pro高性能コアx2
高効率コアx4
1552231384889

CPUに関して、コア数は変わっていないにもかかわらず数値が向上しているのは、トランジスタ密度の向上などが影響しているものとみられる。体感として大きく改善された感覚はないが、iOS 26のサクサク感とあわせてとても快適に動作している印象だ。

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GPU性能とRAM容量

GPUスコアに関しては、Geekbench 6が45647、AnTuTuベンチマークが874562。iPhone 16 ProのA18 Proに比べて、Geekbench 6が約40%、AnTuTuベンチマークが約21%と大幅に向上している。

コア構成に変更はないにもかかわらず性能が向上しているのは、各GPUコアに組み込まれたNeural Acceleratorや、拡張されたキャッシュメモリの影響によるものとみられる。

Geekbench 6搭載SoCGPUコア構成Metalスコア
iPhone 17 ProA19 Pro6コア45647
iPhone AirA19 Pro5コア37421
iPhone 16 ProA18 Pro6コア32671
iPhone 16 PlusA185コア28043
iPhone 15 ProA17 Pro6コア28281
iPhone 15A16 Bionic5コア22982
AnTuTu v10.1.3搭載SoCGPUコア構成総合スコアGPUスコア
iPhone 17 ProA19 Pro6コア2375541874562
iPhone AirA19 Pro5コア2095821700176
iPhone 16 ProA18 Pro6コア1773657722761
iPhone 16 PlusA185コア1693776686302
iPhone 15 ProA17 Pro6コア1552231597545

また、16コアNeural Engineとの連係により、ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングの強化やより高いフレームレートを実現するとのことで、ゲームや動画編集、AIタスクでのパフォーマンスの向上が期待できる。

ちなみに、Geekbench 6でのベンチマーク計測により、iPhone 17 ProのRAM容量は12GBであることがわかった。先代モデルは8GBだったことから、4GBも増えたことになる。これについてAppleからは特に説明はないが、おそらくAI処理のパフォーマンス向上のために増量したものと筆者は予想している。

ゲーミング性能と発熱。ベイパーチャンバーの効果は?

GPU性能の大幅向上により、ゲームプレイ時のパフォーマンスに向上が見込まれるiPhone 17 Pro。筆者が普段からプレイしている『ゼンレスゾーンゼロ』で動作をチェックしてみた。

『ゼンレスゾーンゼロ』は、スマートフォン向けのゲームタイトルの中では負荷の高いゲームとなっていて、グラフィックのクオリティを最高まで上げてプレイすると、最新のハイエンドスマートフォンでも本体が熱くなったり、たまに動作がカクついたりする。

iPhone 17 Proでプレイしてみた。まずは最高画質でプレイしてみたところ、他のハイエンドスマートフォンと同様に初めのうちはヌルヌルと滑らかに動作していたものの、プレイを続けていくとカクつくシーンが発生してしまっていた。その後、色々と設定を変えて試してみたところ、レンダリング精度とシャドウ品質を中程度まで落とすと、安定して滑らかに動いていた。

その後も検証を続けてみたが、いくら優れた熱伝導性を持つアルミを筐体に使用したり、本体にベイパーチャンバーを内蔵したとしても『ゼンレスゾーンゼロ』を最高画質でプレイし続けるのはやはり難しいようだった。

Backbone ProをiPhone 17 Proと一緒に使っている様子

ちなみに、今回のiPhone 17 Proの目玉機能のひとつであるベイパーチャンバーは、脱イオン水を用いた気化・凝縮サイクルにより、A19 Proから発せられる熱をシャシー全体に分散させることで、チップのサーマルスロットリングを防ぎパフォーマンスを落とさないことが主な目的だ。

試しにサーモカメラで『ゼンレスゾーンゼロ』プレイ時の発熱具合をチェックしてみたところ、一番熱いところで42.5℃くらいになっていた。素手で持ち続けても火傷するほどではないがやはり本体はかなり熱くなっていた。

ただし、iPhone 16 Proに比べると発熱は抑えられている様子。その差は3.5℃。結構大きな違いだ。

また、熱の広がりに関しては、先代のiPhone 16 ProはSoCを搭載している部分が局所的に熱くなっているのに対し、iPhone 17 Proは全体が満遍なく熱くなっている。アルミ筐体に加えてベイパーチャンバーによってSoCに熱が集中するのを防ぐことができているだろうから、安定したパフォーマンスを発揮するという点で貢献することができていると言えるのではないだろうか。

とはいえ、長時間プレイするなかで熱いスマホを持ち続けるのは辛いため、高負荷のタイトルをプレイするならBackbone Oneのようなモバイルコントローラーを併用するのが現実的だろう。

AI性能(NPU性能含む)

Appleは今回、A19 Proに搭載されたNPUについて詳しい情報をほとんど公開していない。ただし現時点で分かっているのは、16コア構成のNeural Engine(NPU)が採用されていること、そしてNeural AcceleratorsがGPUに統合され、ローカルAIモデルをより高性能に動作させられるようになったという点だ。

さらに、Neural Acceleratorsの統合によって、GPUを利用する際の電力効率向上も期待できる。iPhoneにとってバッテリー駆動時間は重要な要素であるため、AI処理の性能を高めつつ効率を確保するうえで、Neural Acceleratorsの搭載は不可欠だったと言える。

実際にGeekbench AIを用いてAI処理性能を計測したところ、以下の結果が得られた。

Geekbench AISoCコア数/TOPSCPUGPUNPU
iPhone 17 ProA19 Pro16コア/35TOPS(仮)SPS:5201
HPS:8304
QS:6662
SPS:9202
HPS:17010
QS:16490
SPS:4872
HPS:36102
QS:50491
iPhone 16 ProA18 Pro16コア/35TOPSSPS:4478
HPS:7720
QS:6151
SPS:5775
HPS:6748
QS:6081
SPS:4593
HPS:33141
QS:45101
iPhone 16 PlusA1816コア/35TOPSSPS:4252
HPS:7350
QS:5881
SPS:4098
HPS:4254
QS:4124
SPS:4314
HPS:32143
QS:44590
iPhone 15 ProA17 Pro16コア/35TOPSSPS:3960
HPS:6872
QS:5627
SPS:5000
HPS:5927
QS:5253
SPS:3913
HPS:24426
QS:34086
Single Precision Score (単精度スコア)FP32 (32ビット浮動小数点) 演算の性能を示す。高い数値精度が求められるタスクで使用されるもので、たとえば画像処理など。
Half Precision Score (半精度スコア)FP16 (16ビット浮動小数点) 演算の性能を示す。単精度よりも数値精度は低いものの、計算速度が速くメモリ使用量も少ないため、音声認識や顔認識などのリアルタイムアプリケーションなどで使用される。
Quantized Score (量子化スコア)INT8 (8ビット整数) 演算の性能を示す。数値精度を若干犠牲にする代わりに、計算速度と効率を大幅に向上させるため、エッジデバイスやモバイルデバイスでのAI推論に適している。

iPhone 17 Proに搭載されたA19 ProのAI性能は、NPU単体では残念ながら大きな進化はないようだ。

A19 ProのNeural Engineについて、16コア/35TOPSで前世代と同じ仕様と仮定すると、性能向上は6〜12%程度にとどまっている。ただし、メモリ効率の改善で安定性は高まっているかたちだ。

一方で注目すべきはGPUだ。FP16やINT8といった実用的なAI処理で50%以上の伸びを示し、量子化推論などではほぼ倍増以上の性能を発揮できるだろう。CPUも10%前後の底上げがあり、前処理・後処理の効率が上がっている。

総合すると、iPhone 17 Proは「NPUは微増、GPUは大幅強化、CPUは底上げ」という形で、実際のAIタスクではiPhone 16 Proに比べて体感できるほどの性能差が期待できる。

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カメラ性能:最大8倍相当の光学ズームで撮れる写真の幅が広がった

iPhone 17 Proのリアカメラは3眼構成を維持しつつ、望遠カメラが従来の1200万画素から4800万画素へと進化したことで、3眼すべてが4800万画素センサーに統一された。望遠カメラはセンサーサイズも56%拡大している。

ズームの倍率は「x0.5」「x1」「x2」「x4」「x8」で選択可能だ。先代のiPhone 16 Proは「x0.5」「x1」「x2」「x5」だったことから、ズームレンジが広がり撮影できる写真の幅が広がったことになる。

iPhone 17 Proにおける光学ズームは、「x2」「x4」「x8」の3種類となっているが、x2はx1、x8はx4の4,800万画素で撮影したものからクロップすることで実現しているため、4,800万画素の1/4となる1,200万画素に落ちることになり、(特にx8は)他の倍率に比べて画質はすこし落ちる印象を受ける。つまり、真の光学ズームはx4のみとなり、x2およびx8は光学ズーム「相当」と記すのが最も適切だろう。

以下、筆者が撮影した写真を紹介する。

iPhoneの弱点とされてきたロングレンジの望遠に対応したことで、GalaxyやXiaomiといった強力なライバルにようやく対抗できるカメラを備えたと言えるだろう。筆者自身も遠くの被写体をズームして撮影したい場面が多いため、最大8倍相当の光学ズームの搭載は非常に嬉しいポイントだ。

さらに、従来の「x5」が「x4」になったことも密かに歓迎している。以前は「x2」から「x5」への飛びが大きく、中間倍率で撮影した写真の画質にやや不満があった。しかし今回の仕様変更によって、x2〜x5のレンジで解像感が向上し、使い勝手が大きく改善されたと感じている。特に記者発表会などでの撮影時に重宝しそうだ。

側面のカメラコントロールは引き続き搭載されており、ワンタッチでカメラアプリを起動したり、軽く押してピントを合わせ、押し込んでシャッターを切るといった直感的な操作が可能だ。

ただし筆者個人の使い方としては、ロック画面からカメラを起動して画面タップでシャッターを切る流れが多く、カメラコントロールを日常的に使うことはあまりない。

位置的にもやや奥まった場所にあり、人差し指を伸ばしてようやく届く程度というのも敬遠している理由のひとつだ。機能そのものは便利だが、少なくとも筆者にとっては「あるけれど積極的には使っていない機能」というのが正直なところである。

(画像:Apple)

ちなみに、今回のiPhone 17 Proはフロントカメラが大幅アップデートを遂げている。画素数が1200万画素→1800万画素に上がったことに加えて、手ぶれ補正の追加やMac・iPadでお馴染みのセンターフレーム (被写体を認識して画角に収める機能)、リアカメラとフロントカメラを同時に使い、被写体と撮影者の動きを一緒にビデオに撮影できるデュアルキャプチャが利用できるようになった。

さらに注目は、iPhone初の正方形センサーが採用されたことで、縦向きに持っていても横長のセルフィーが撮影できるようになったこと。複数人でのセルフィーを撮影するときに、わざわざiPhoneを横向きにしなくても良くなったのは利便性がグッと向上したのではないだろうか。

筆者はセルフィーに関してはほぼ折りたたみスマートフォンの置き撮りに頼り切っているため、iPhoneでセルフィーを撮影する機会が少ないのだが、正方形センサーで使いやすくなったことを踏まえて、これから旅行先などで活用してみたいと思っている。

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USB-C:20分で50%まで回復。より高速な充電が可能に

14.4V × 2.3A = 33.12W

本体下部のUSB-Cポートは、有線充電のスピードがさらに向上した。iPhone 17 Proは最大40Wの急速充電に対応しており、40Wアダプターを使用すれば、わずか20分でバッテリーを50%まで充電できるという。

実際に筆者の環境で充電してみたところ、瞬間的には40W程度のなることもあるものの、平均としては30W強での充電となった。参考までに、iPhone 16 Proは最大45Wでの充電ながら実際の充電速度は平均30W前後にとどまっていたため、iPhone 16 Pro→iPhone 17 Proで大幅に改善したとまでは言えなかった。

なお、iPhone 17 Proに搭載されているUSB-Cポートは「USB 3.2 Gen 2」相当であるため、最大10Gb/s(ギガビット/秒)でのデータ転送が可能だ。下位モデルであるiPhone 17やiPhone AirはUSB 2.0相当(最大480Mb/s)となるためデータ転送をする機会の多い方はプロモデルを選ぶべきだろう。

MagSafe充電:背面にガラスを残したことで引き続き対応

iPhone 17 Proは、背面の一部にガラス素材を残すことで、引き続きMagSafe充電に対応している。

MagSafe充電は磁力でワイヤレス充電器との位置ズレを防ぎ、効率的な充電を実現する仕組みだ。30W以上のアダプタを用いれば、30分で最大50%まで充電できるため、日常使いにおいても十分なスピード感を持って利用できる。

さらに、Qi2規格との互換性も備えているため、Apple純正アクセサリだけでなく、他社製のQi2対応アクセサリでも同様の利便性と充電性能を享受できる。

MagSafe対応車載ホルダーでApple CarPlayも快適

通信まわり:物理SIMスロット廃止でeSIMのみ対応に

上:iPhone 16 Pro/下:iPhone 17 Pro

iPhone 17 Proの国内販売モデルは物理SIMスロットを廃止し、デュアルeSIMのみの構成となった。

国内の場合、大手キャリアはすべてのキャリアがすでにeSIMサービスを提供している(発売初日にドコモがeSIMの開通ができない不具合を発生させてしまったが……)ことに加えて、今回のiPhone 17シリーズの発売にあわせて、物理SIMのみを提供してきたMVNO各社もおそらくeSIMの提供に踏み切ると思われることから、現状では不便と感じる環境も今後改善されていくことが予想される。

物理SIMからeSIMになったとしてもキャリアを頻繁に変えるユーザーはごく一部だろうし、SIMスロットを廃止したことでより大きなバッテリーを搭載でき、iPhoneの駆動時間も伸びているようなので、個人的にはSIMスロットの廃止自体は賛成の立場だ。

ただし、そうは言っても筆者とて困る場面に遭遇する可能性は十分にあるだろう。例えば、海外出張先で現地キャリアから物理SIMを渡されるケースなどだ。

また、eSIMをアクティベーションする際に海外の空港のWi-Fiが不安定でうまくできなかった経験もあるため、筆者としては海外出張時には物理SIMスロットを搭載したデバイスをサブ機として持っていきたいと考えている。

今回筆者は、ドコモの物理SIMからeSIMへの切り替えを経験した。iPhone発売日の午後には障害が発生してしまったようだが、幸いにも朝にeSIM化し転送が完了できたので問題なく移行できたが、これまでの挿せばOKの物理SIMに比べてややリスクな面も少しあるなあとは思った。

そのほかの通信面では、Appleが設計したワイヤレスネットワークチップ「N1」を搭載。Wi-Fi 7やBluetooth 6に対応し、最新世代のワイヤレス規格をフルに活用できる。さらに、N1はインターネット共有やAirDropなど、日常的に使う機能のパフォーマンスと信頼性も向上させているという。

特にインターネット共有は、過去モデルで接続が不安定になることもあったため、N1の導入により改善されることに期待したい。筆者が数日間使った限りでは明確な違いは確認できなかったが、今後数週間から数ヶ月、あるいは長期的に使う中で、その真価がわかるだろう。

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バッテリー駆動時間

バッテリー消費の多い位置情報ゲームでも快適にプレイできた

背面デザインの刷新と物理SIMスロットの廃止により、iPhone 17 Proは従来よりも大きなバッテリーを搭載できるようになった。その結果、バッテリー駆動時間が向上している。

具体的には、iPhone 16 Proが最大27時間だったのに対し、iPhone 17 Proは最大33時間。おそらく一般的な使い方をしても1〜2時間程度の違いが発生すると想定される。

実際のバッテリー駆動時間のイメージとして、YouTube動画を輝度50%の状態で再生し続けたときのバッテリー残量をチェックしてみた。OSのバージョンに違いはあるものの、昨年9月に同じ条件で行ったiPhone 16 Proのバッテリー検証テストの結果も参考として掲載しておきたいと思う。

経過時間iPhone 17 ProiPhone 16 Pro (参考)
0時間 (計測開始時)100%100%
1時間後98%98%
2時間後95%92%
3時間後92%86%
4時間後88%80%
5時間後83%73%
6時間後78%65%
7時間後72%59%
8時間後66%52%
9時間後59%45%
10時間後51%39%
11時間後42%32%
12時間後34%24%
13時間後28%17%
14時間後22%10%
15時間後17%3%
16時間後12%0%
17時間後6%
18時間後0%

検証の結果、バッテリー残量は序盤は2〜4%ずつ減っていき、中盤で5〜7%とやや大きくなり、そのまま終盤に入って18時間後に0%になった。参考として掲載したiPhone 16 Proの結果と比べると、2時間増えた計算になる。

筆者は取材などでiPhoneをヘビーに使うことから、バッテリー駆動が伸びることは純粋に嬉しいことだ。

MacBookにテザリングしたり、カメラで写真をたくさん撮影するとバッテリー駆動は上記よりも短くなることが予想されることから、筆者としてはまだまだモバイルバッテリーは手放せないとは考えているが、一般的な使い方をする分にはもうモバイルバッテリーが不要なくらいのレベルの駆動時間になってきていると捉えることができるのではないだろうか。

まとめ:iPhone 17 Proは「機能美とは何か」を考えさせられる一台だ

以上、iPhone 17 Proのレビューをお届けした。

1年以上前から、本体背面のカメラ部分にPixelのようなバーが導入されることや、ベイパーチャンバーが搭載され高いパフォーマンスを発揮しやすくなることが囁かれており、個人的には楽しみにしていた。しかし、同時に不安もあった。今回のデザイン刷新に対して、負の感情を抱いていたからだ。

結論として包み隠さず言うなら、今回のiPhone 17 Proは、歴代のiPhoneのなかで初めて「カッコよくない」と感じた。それだけiPhone 16 Pro以前のデザインが完成系に近いくらい優れていたのだろうし、その反動として「違和感」も大きかったのだろう。

しかし、スマートフォンは今や高解像度の写真・動画撮影からゲーミング、AIまで、これまで以上に多くの性能を求められる。内蔵チップの発熱も避けられず、バッテリー駆動時間も重視すれば、あのようなバーの導入は必然だったのだろう。Appleの事情も察しがつく。

ただ個人的に驚いたのは、多少の不便さがあったとしてもデザインで優れているならそれを採用してきたAppleが、今回はある意味堅実に「性能向上」を優先したデザインアップデートを行ったことだ。「機能美」と言う言葉があるように、使いやすさや目的にかなった形を頂点の美学として「iPhone 17 Pro」を作り出したように感じる。

物理SIMを切りeSIMオンリーにしたり、ベイパーチャンバーを搭載したりと、意欲作であることは間違いない。そういう意味では、AppleにとってiPhone 17 Proはまさに転換期にあるデバイスなのだろうとも理解はしているつもりだ。

筆者がiPhoneに求めていたデザインではなく、以前のように「カッコ良い」と思うことはしばらくないのかもしれない。しかし、使い込むうちに、世の中に浸透していくうちに、きっと見慣れていくーー。

そして、スマートフォンのスタンダードとしてより広く受け入れられるようになったとき、筆者も含む多くのユーザーがAppleが示した機能美の価値を真に実感できるのではないだろうか。

Appleもきっとこの賛否両論の世論については認知しているはずで、きっと来年は改良を施してく るだろう。

だからこそ、今年はあえて「頑固者」にならせてほしい。これからiPhoneにはどんな挑戦が待っているのかを思い描きながら、今年ついた悪態を後悔させるような驚きが来年以降にもたらしてくれることを期待する。そして、iPhone 17 Proを使い続ける中で、「機能美とは何か」という難題を自分自身にも問いかけ続けたいと思う。

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