現地時間3月27日、Appleは米シカゴで教育関連スペシャルイベント「Let’s take a field trip.」を開催。同イベント内で安価な9.7インチ「iPad (第6世代)」を発表した。
同製品は昨年3月に発表された「iPad (第5世代)」の後継モデル。安価でありながら「Apple Pencil」をサポートし、プロセッサには「iPhone 7 / 7 Plus」で採用された「A10 Fusion」チップが搭載されている。
高価な「iPad Pro」以外で「Apple Pencil」が使えるようになったのは同製品が初めて。安価なiPadで「Apple Pencil」を使いたい人にはもってこいの製品と言えるが、その性能は前モデルの「iPad (第5世代)」と比べてどれほど違うのか。
同記事では「iPad (第6世代)」と「iPad (第5世代)」をじっくり比較してみたので、前モデルからどれほど進化したのかを確認していただければと思う。
「iPad Pro」以外で初めて「Apple Pencil」に対応
まずは、以下のスペック表で両iPadの性能を比較してみよう。
iPad (第6世代) | iPad (第5世代) | |
---|---|---|
ディスプレイ | Retina ディスプレイ 耐指紋性撥油コーティング |
Retina ディスプレイ 耐指紋性撥油コーティング |
ディスプレイサイズ | 9.7インチ | 9.7インチ |
解像度 | 2,048 × 1,536ピクセル (264ppi) | 2,048 × 1,536ピクセル (264ppi) |
プロセッサ | A10 Fusionプロセッサ M10モーションコプロセッサ |
A9プロセッサ M9モーションコプロセッサ |
外向きカメラ | 8Mピクセル(800万画素) F値:2.4 Live Photos オートフォーカス パノラマ(最大43Mピクセル) |
8Mピクセル(800万画素) F値:2.4 Live Photos オートフォーカス パノラマ(最大43Mピクセル) |
ビデオ撮影 | 1080p HDビデオ撮影(30fps) 720p(120fps)スローモーションビデオに対応 ビデオの手ぶれ補正 撮影中にタップしてフォーカス |
1080p HDビデオ撮影(30fps) 720p(120fps)スローモーションビデオに対応 ビデオの手ぶれ補正 撮影中にタップしてフォーカス |
内向きカメラ | 1.2Mピクセル(120万画素) F値:2.2 Live Photos 720p HDビデオ撮影 HDR写真およびビデオ |
1.2Mピクセル(120万画素) F値:2.2 Live Photos 720p HDビデオ撮影 HDR写真およびビデオ |
センサー | Touch ID(第1世代?) 3軸ジャイロ 加速度センサー 環境光センサー 気圧計 |
Touch ID(第1世代) 3軸ジャイロ 加速度センサー 環境光センサー 気圧計 |
スピーカー搭載数 | 2 | 2 |
通信 | Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac MIMO対応 Bluetooth 4.2 |
Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac MIMO対応 Bluetooth 4.2 |
バッテリー |
ビデオ / オーディオ再生 : 最大10時間 インターネット利用 |
ビデオ / オーディオ再生 : 最大10時間 インターネット利用 |
本体サイズ | 240.0 × 169.5 × 7.5 mm | 240.0 × 169.5 × 7.5 mm |
重量 | Wi-Fiモデル:469g Wi-Fi + Cellularモデル:478g |
Wi-Fiモデル:469g Wi-Fi + Cellularモデル:478g |
Apple Pencil | ○ | × |
Smart Connector | × | × |
カラー | シルバー ゴールド スペースグレイ |
シルバー ゴールド スペースグレイ |
価格 | Wi-Fiモデル 32GB:37,800円 128GB:48,800円 Wi-Fi + Cellularモデル |
販売終了 (以下は販売当時の価格) Wi-Fiモデル Wi-Fi + Cellularモデル |
「iPad (第6世代)」と「iPad (第5世代)」の大きな違いは、やはり「Apple Pencil」が使えるようになったこと。
「Apple Pencil」は、2015年に初代12.9インチ「iPad Pro」と同時に発売されたスタイラスペン。鉛筆のように本体を動かすことで、傾きや筆圧に応じた線が画面上に現れる。
これまで、「Apple Pencil」は「iPad Pro」でしか使うことができなかったが、今回の「iPad (第6世代)」で初めて「Pro」以外の端末でも利用可能に。格安の「iPad」シリーズで「Apple Pencil」が使えるようになったのは大きな変化だと言えるだろう。
今回のイベントでは主に学生に焦点を当てて説明が行われていたが、学生の他にも、絵を描いたり書類の添削をする機会が多い人にとって、「Apple Pencil」はとても強力なツールだ。
とりあえず「Apple Pencil」を使える環境が欲しいけど、「iPad Pro」ほど高性能な端末を求めていない、そんな人にはぴったりの製品だと言えるだろう。
プロセッサが「A9」から「A10 Fusion」になり、処理性能が向上
「Apple Pencil」が使えるようになった以外に、「iPad (第6世代)」は処理性能もしっかり向上している。
搭載プロセッサは、「iPhone 7 / 7 Plus」で採用された「A10 Fusion」チップ。「iPad (第5世代)」は「A9」チップだったため、単純に処理速度が1世代分向上したと考えている人もいるとは思うが、ちょっと待ってほしい。
「iPhone 7 / 7 Plus」の発売時にも少し騒がれたのだが、実は、「A9」から「A10 Fusion」は製造方法を変えたことで飛躍的に性能が向上しており、1世代分以上の変化があると言っても過言ではない。
実際、「iPhone 7 / 7 Plus」は今後数年間は現役を維持できる性能を持っている。同じプロセッサを搭載した「iPad(第6世代)」も購入してから数年間は余裕で使えるのではないだろうか。
「ゴールド」モデルの色味が若干変化
上記2つの変化のほか、ディスプレイやカメラ性能、バッテリー持ちなどは、従来モデルから特に変化なし。カラーラインナップやストレージ容量も全く同じだが、「ゴールド」モデルだけは色味が少しだけ変化している。
従来モデルと比べるとその差は明らか。「iPhone 8 / 8 Plus」の側面に使われている色によく似た、少しピンク色が強めのゴールドだ。
おそらくだが、Appleが「iPhone 8 / 8 Plus」のゴールドと色味を揃えてきたのは、同じApple製品内で色を統一したかったのではないだろうか。この感じだと、今後発売されるiPadも同じような色味になる可能性が高い。
「iPad (第6世代)」はこれほど変化しても価格が据え置き
以上が「iPad (第6世代)」と「iPad (第5世代)」の違いだ。仕様変更があった箇所は少ないが、「Apple Pencil」への対応と「A10 Fusion」チップの搭載はかなり大きな変化であることがお分かりいただけただろうか。
また、これほどの変化があったにも関わらず、価格は据え置きなのが何より嬉しいところ。「iPad (第6世代)」は安さも相まって、かなりの販売台数を記録することになりそうだ。
「iPad (第6世代)」の注文受付はすでに始まっており、32GBモデルは37,800円、128GBモデルは48,800円から購入可能。これから注文した場合、3月30日から4月3日の間に配送される見通しだ。
注文する場合はApple公式サイトからどうぞ。