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CPUは「制御塔」へ。インテルが「エージェンティックAI」時代に向けた統合AI戦略、288コアの怪物CPUや大容量GPUを投入へ

インテルは、台湾・台北で開催中の「Computex 2026」に合わせて、自律的に判断し行動する「エージェンティックAI」の普及を見据えた次世代AIインフラ構想を発表した。

これまでのようにCPU、GPU、ネットワーク、エッジ機器、ロボット制御がそれぞれ分断されている構造から脱し、エージェンティックAIの時代にあわせて計算基盤そのものを作り直す方針を打ち出している。

今回の発表のポイントは、AIをCPUやGPUといった個々の部品の集合として捉えるのではなく、データセンターからネットワーク、エッジ、ロボティクスまでを一体として設計するという考え方、システム全体を前提から見直すアプローチにある。

この構想の中で重要な役割を担うのが、CPUをAIインフラの「コントロールプレーン(制御の中枢)」として位置づけ直すということ。

インテルは、AIワークロードが高度化するにつれて、性能面そのものよりも、処理の調整や並列実行、データの移動といった部分がボトルネックになると見ている。これを踏まえて、CPUとネットワークをより密接に統合した設計へと移行する考えだ。

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インテルが描く「フルスタックAI」戦略 クラウドからエッジまで統一へ

この考えを具体化したのが「Intel Xeon 6+」。「Intel 18A」プロセスを使ったデータセンター向けCPUだ。

最上位モデルでは最大288コアのEコアを搭載し、前世代より平均で約2.26倍高速、暗号化処理では最大15倍以上の性能向上がうたわれている。スレッド単位でも競合製品より約30%高い性能を示すとされる。

主な特徴は以下の通り。

  • 最大288コア(Eコア構成)
  • 前世代比:平均性能 約2.26倍
  • 暗号化処理(SHA512):最大15.2倍高速化
  • スレッド単位性能:競合比 約30%向上
  • 12チャネルDDR5(最大8000MT/s)対応
  • 最大16基のアクセラレーター内蔵
  • Intel Application Energy Telemetry(AET)搭載

このCPUは12チャネルのDDR5メモリ(最大8000MT/s)に対応し、最大16基のアクセラレーターを内蔵している。

AI推論やクラウド処理を分散して扱いやすい設計になっているほか、「Intel Application Energy Telemetry(AET)」により、ソフトウェアのスレッドごとに消費電力を確認できるようになっている。これによって、どの処理がどれだけ電力を使っているかを把握しながら最適化できる。

ネットワーク分野では「Intel Ethernet E835」が発表された。最大200GbEに対応し、Xeon 6+と組み合わせることでサーバー間の通信を効率化。分散した計算資源をひとつの大きな処理基盤として扱いやすくする役割を持つ。AIデータセンター全体を一つの巨大な計算ユニットとして動かすための「接着剤」的な役割を担う。

GPUについては「Crescent Island」が紹介された。「Xe 3P」アーキテクチャを採用し、最大480GBのLPDDR5xメモリを搭載することで、大規模言語モデルなど長い文脈を扱う処理に対応している。FP4からFP64まで幅広いデータ形式に対応しており、さまざまなAI処理に使えるようになっている。

エッジやロボティクスの分野では「Intel Series 3」が展開されており、すでに130以上の設計に採用されている。データセンターだけでなく、現場でリアルタイムに判断する用途にも広がっている。また、PC向けには「Intel Core Ultra Series 3」や「Intel Core Series 3」が2026年後半に投入される予定で、クラウドから端末まで同じ考え方でそろえる流れが進んでいる。

ソフトウェアにおいては「OpenVINO Physical AI」が発表された。センサー処理、AI推論、行動制御、安全機能といった要素をひとつの実行環境にまとめ、ロボットやカメラなどを共通の仕組みで動かせるようにしたものだ。開発から実運用までを支援する「Physical AI Studio」とも連携し、研究段階から現場への導入をしやすくしている。このフレームワークはGitHubでプレビュー版が公開されており、一般提供は2026年後半が予定されている。

実際の活用例として、単一SoC上で複数のAIエージェントが動作する物理AI店舗「Ella」が紹介された。接客、運用管理、店舗分析といった役割を持つエージェントが同時に動き、リアルタイムで店舗運営を行う仕組みになっている。従来のように複数のCPUやアクセラレーターを組み合わせる必要はなく、統合プラットフォーム上で処理が完結させることが可能だ。

なお、提供時期は段階的に整理されており、2026年6月1日時点で「Intel Xeon 6+」「Intel Ethernet E835」「Physical AI Studio」がすでに提供されている。「OpenVINO Physical AI」や「Intel Core Ultra Series 3」「Intel Core Series 3」は2026年後半の予定となっている。

「Crescent Island」については「COMING SOON(まもなく登場)」とだけされており、具体的な時期については未定となっているが、インテルのGPUロードマップ上では「2026年以降(2026+)」に位置付けられており、CPUやソフトウェア基盤に続く形で段階的に投入されるとみられる。

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(画像提供:Intel)