コンビニから始まる小さな人生劇場。『inKONBINI: One Store. Many Stories』2026年4月に発売

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、オンラインイベント「State of Play | 12.11.2025」にて、新作アドベンチャー『inKONBINI: One Store. Many Stories』が2026年4月に発売すると発表した。

対応プラットフォームは、PC/Mac、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch。本作は、独立系デベロッパーNagai Industries(永井興業)が手がけるコンビニ経営アドベンチャー。1990年代初頭の日本を舞台に、日常の中に潜む物語を丁寧に描く“癒し系ナラティブシミュレーション”として開発が進められている。

スポンサーリンク

1993年夏ーー。コンビニで紡がれる静かなドラマ、ノスタルジーと「日常の尊さ」を噛みしめる体験

物語の主人公は大学生・早川真琴。勉強の合間に叔母が営む町のコンビニを1週間だけ手伝うことになる。店頭に商品を並べ、補充や配達の手配をしながら、常連客たちと対話を重ねる。その一つひとつのやりとりが、やがて町全体のストーリーへと繋がっていく。

登場する客たちは多彩だ。毎日クロワッサンとソーダを買う老人、ジャンクフードを好む都会娘、何気ない会話の中にそれぞれの背景がにじむ。プレイヤーは彼らと向き合い、選択を通して人生にささやかな影響を与える。コンビニの陳列や清掃といった日常業務も、単なる作業ではなく物語の一部として描かれているのが特徴だ。

本作の時代設定は1993年。スマートフォンもSNSもない時代、人々の主なコミュニケーション手段は固定電話だ。ゲーム内でも、配送業者や叔母、常連客との連絡は電話を通じて行う。現代では失われつつある“人と人の距離感”が、ゲームプレイを通して自然に描かれている。

Nagai Industriesの開発チームは、この時代のコンビニに「ノスタルジックな郷愁」を感じていたという。彼らにとって、1990年代のコンビニは地域社会の象徴であり、人々が小さな繋がりを育んでいた場所だった。そうした想いが『inKONBINI』の根底にある。

プレイ時間は4〜5時間程度。短めながらも、何度も遊べるリプレイ性を重視して設計されている。異なる選択肢を選ぶことで、登場人物たちの物語がどう変化するかを確かめるのも楽しみのひとつだ。

開発チームは「リラックスできるゲームを作りたかった」と語る。華やかなアクションも派手な演出もないが、日々の仕事の中にある喜びや、他者との関わりの尊さを静かに描き出す。『inKONBINI: One Store. Many Stories』は、過ぎ去った時代を懐かしむだけでなく、今を生きる私たちに “日常の美しさ” を思い出させてくれる作品になりそうだ。

(画像:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)

タイトルとURLをコピーしました