我が家のサンショウウオたちが全員上陸してから早1ヶ月。
幼体のサンショウウオは天敵から身を守ることが最優先なので、とにかくどこかに身を隠すことに精一杯で、エサはもとより、動き回ることもほとんどしないとはよく聞くが、我が家のサンショウウオたちも上陸したての頃はいつもビクビクと怯え、常に何かに隠れていないと安心できないような様子を見せていた。
だが、最近は少しずつではあるが気持ちに余裕が出てきているようだ。特に「食」に対しての興味が出てきたようで、目の前で動くものに反応するようになってきた。
先日、そんなサンショウウオたちに与えるエサについてちょっと悩まされたので、今週号ではそれに対する僕なりの見解や解決策を紹介したいと思う。
サンショウウオは工夫次第で冷凍赤虫もきちんと食べる
よくペットショップなどでサンショウウオの紹介文を見ると「エサは生き餌しか食べない」と書かれていることが多いが、僕としてはサンショウウオに冷凍赤虫を食べてもらいたいと思っている。
理由は、我が家ではイモリや熱帯魚たちには冷凍赤虫を与えているので、できればサンショウウオたちも同じ冷凍赤虫を食べてくれると非常に助かるからだ。
試しに100均で購入してきた醤油皿に冷凍赤虫を乗せて水槽内に入れておいたのだが、反応はイマイチ。やはり動いているものじゃないと興味が出ないのだろうか。
ため息をつきながら残った冷凍赤虫をイモリたちにピンセットで与えていると、ふとキメラ(アカハライモリ×シリケンイモリのハイブリッド種)が小さかった頃のエサやりを思い出した。
キメラはまだ体が小さい頃に我が家にやってきて、最初はかなり怖がっていてエサも食べないような状態だったのだが、ある日ピンセットを使って目の前で冷凍赤虫をちょこちょこと動かしてやると見事に食べてくれたので、しばらくはその方法で冷凍赤虫をあげていたのだ。
もしかすると、サンショウウオたちもこの方法だと冷凍赤虫を食べてくれるかもしれないと思い、早速ピンセットで冷凍赤虫をチラつかせてみたところ、おっかなびっくりではあるが1匹がパクリ。もう1匹のサンショウウオの目の前でも同じようにチラつかせると…パクリ!作戦大成功。
その後も他のサンショウウオたちに同じ方法で餌付けることにも成功。40数匹全員にこの方法で餌付けしていると、全員に赤虫が行き渡っているかを確認したり、同じ赤虫を取り合わないように配慮してあげる必要があるのでなかなか骨の折れる仕事だが、パクパクと面白いほど食いつきが良いのでなかなか楽しくエサやりができている。
上手にあげるコツとしては、サンショウウオの口元近くで冷凍赤虫を揺らすように小さく動かすこと。これでエサを見つけるのに慣れていないサンショウウオたちも冷凍赤虫を捉えやすくなるようだ。
そして、サンショウウオたちのご馳走さまのサインは、冷凍赤虫を口元に持って行った時にフイッと嫌がるように顔を背ける仕草。これが出たらもうお腹いっぱいだと思って間違いないだろう。
もちろん、わざわざこんなことをしなくても生き餌を水槽内に入れてやれば万事解決なのだが、水槽の隙間から生き餌が出てきてしまうのが嫌だという人や、僕のように長期保存ができる冷凍赤虫を使いたい人にとっては有効な手段なのではないだろうか。
サンショウウオのエサで悩んでいる人はお試しあれ!