【週刊イモリ】 ツボカビ症の脅威 (2015/11/28号)

今週で11月も終わり、来月からは12月。

前の記事でもお伝えしたが、この時期のヒーターの故障はかなり悲惨な結果になることが多いので、アクアリスト・イモリ愛好家の方々は水温計のチェックを毎日忘れずに!

イモリ20151128

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ツボカビ症とは

先日、ネットでイモリ関係の調べ物をしていたときに、イモリの病気について書かれている記事が目に止まり、本来の目的そっちのけで読みふけってしまった。

我が家のイモリたちは大きな病気や怪我をしたことがないので詳しいことは知らなかったのだが、イモリの病気も様々なものがあるようだ。

その中でも今回は、読んで衝撃を受けた「ツボカビ症」について詳しく説明していきたいと思う。

ツボカビ症の正式名称は「カエルツボカビ症」という。

「カエルツボカビ」という両生類の皮膚に寄生する菌に感染することで皮膚が侵され、体内の浸透圧の調整や皮膚呼吸が困難になり、数週間で死に至る。

さらに感染した両生類から水を介して他の両生類にもどんどん感染していくという恐ろしい病気だ。

日本では2006年に初めてペットのカエルの感染が確認され、環境省のホームページでも注意を呼びかけていたり、相談窓口があったりとかなり厳重だ。

名前だけを聞くとカエルの病気のように聞こえるが、実は両生類であれば感染する病気らしく、イモリも例外ではないとのこと。

ヒトを含む哺乳類や鳥類、爬虫類、魚類には感染しないそうだが、両生類にとっては危険極まりない病気であることは確かだ。

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新たに発見された「イモリツボカビ」

カエルツボカビ症に関しては、やはり名前の通りカエルの被害が圧倒的に大きかったが、近年新しく猛威をふるっているのが「イモリツボカビ」。

この菌はカエルなどの無尾類には寄生しないが、イモリやサンショウウオなどの有尾類のみに寄生するという、カエルツボカビと同属の新種の菌だ。

感染すると、カエルツボカビ症と同じような症状で死に至るのだが、近年、この菌が人為的にヨーロッパに持ち込まれたことで、この菌に耐性のない「マダラサラマンドラ」というヨーロッパの広域分布種に壊滅的な被害を与えているそうだ。

イモリツボカビに関しては、昔からアジアの有尾類とともに共生している菌らしく、日本の固有種であるアカハライモリはこのイモリツボカビの自然宿主であったりする

そのため、アカハライモリなどは、感染しても特に症状が出ないこともあるようだが、その状態でも「菌を持っている」状態であることは変わらず、例えばこの菌に耐性のないイモリとアカハライモリを一緒に飼育したりすると、そのイモリはたちまち感染してしまう。

確実な感染経路は明らかになっていないが、このイモリツボカビが何らかの原因で野生のマダラサラマンドラに感染し、現在のような被害になっているようだ。

ペットは責任を持って管理しなければいけない

最近は世界中の色々な動物が国際的に移送され、ペットとして親しまれるようになったが、そういった移送や一部の心無い人が安易にとった行動のせいで、本来の生態系に悪影響が及んでいるということも事実だ。

よく言われていることだが、ペットを飼育すると決めたら、最後の最後まで自分勝手な理由で手放さないこと

今回、ツボカビ症について詳しく学んだことで、「一人ひとりが自分のペットを責任を持ってしっかりと管理することが、本来の生態系を守ることに繋がっていく」ということを改めて実感した。

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