
Googleは10月1日、AIアシスタント「Gemini」を中心に据えた新しいスマートホームデバイスを発表した。
ラインナップは屋内用「Google Nest Cam Indoor(第3世代)」、屋外用「Google Nest Cam Outdoor(第2世代)」、そして新型「Google Homeスピーカー」の3製品。カメラ2モデルは即日発売され、スピーカーは2026年春に日本を含む各国で登場する予定だ。
3製品はすべて、2026年初頭に展開予定の「Gemini for Home」に対応する設計となっており、映像解析や自然な会話などAIを軸にした機能強化が見込まれる。
屋内用「Google Nest Cam Indoor(第3世代)」と、屋外用「Google Nest Cam Outdoor(第2世代)」

新しいNest Camは2K HDR動画に対応し、Googleのカメラ史上最高の解像度を実現。第三者機関のDXOMARKからも同クラス製品の中で最高水準と評価されており、鮮明な映像で細部まで捉えられるようになった。さらに、対角152度という広い視野角を備え、屋内外でより広範囲を監視できる。
低照度性能も大幅に進化しており、薄暗い環境でも色鮮やかに撮影できるワイドな絞りを採用。夜間や夕暮れでもカラー映像を長時間維持できるほか、暗所で活躍する赤外線ナイトビジョンも引き続き搭載している。
ソフト面では、従来の人物・動物・車両を識別するインテリジェントアラートに加え、通知にはズームインしたアニメーションプレビューを表示。スマホのロック画面から直接状況を把握できるのは実用的だ。動画履歴も6時間に延長され、10秒間のプレビューで見逃しを効率的に確認できる。
Nest CamはIP65等級の防塵防水性能を備え、雨風や雪にも耐える設計。Snowカラーのミニマルな外観を維持しつつ、リサイクル素材を採用することで環境負荷も削減している。Googleはホームデバイスでのリサイクル素材活用が10年目を迎えたと強調し、プラスチックレス梱包によって150トン規模の削減を実現したという。
販売価格はNest Cam Indoor(第3世代)が15,800円、Nest Cam Outdoor(第2世代)が23,800円(どちらも税込)。Googleストアおよび一部量販店で入手可能だ。
新型「Google Homeスピーカー」

同時に発表されたのが、新しいGoogle Homeスピーカーだ。2020年に発売したNest Audio以来、約5年ぶりの刷新となる本製品は、Gemini専用に設計された初のオーディオデバイスとなっている。
Geminiの処理を高速化するカスタム設計を採用しており、ユーザーとのやり取りがより自然でスムーズになり、AIと会話する体験が大きく進化する。
筐体下部には新しいライトリングが搭載されており、Geminiが「聞いている」「考えている」「推論している」「応答している」といった状態を動的に表現。視覚的にわかりやすいフィードバックが得られる仕様だ。加えて、タップで音量を調整したり、会話を開始・終了できる直感的なタッチコントロールも搭載する。
新しいGoogle Homeスピーカーは、2026年春に日本と米国を含む地域で発売予定となっている。リアルタイムでGeminiが常駐する「Gemini Live」モードを利用するには、有料サブスクリプション「Google Home Premium」への加入が必要になる。

なお、Gemini for Homeの本格展開に先立ち、Google Homeアプリも刷新される。タブは「ホーム」「アクティビティ」「オートメーション」の3つに整理され、各デバイスの履歴をタイムライン形式で確認可能。
新サービス「Google Home Premium」契約者は、履歴を1件ずつ見る代わりに「ホームブリーフ」で1日の出来事を要約してチェックできる。オートメーション機能も強化され、将来的には「1回限り」「誰かが家にいるときのみ」といった柔軟な条件設定も可能になる予定だ。
GoogleはAmazonの「Alexa+」発表直後に今回の製品群をぶつけてきた。スマートスピーカー黎明期には“期待外れ”の評価も多かったが、生成AIを核に据えた再挑戦でどこまで生活に溶け込めるか。2026年はスマートホームの再出発の年となりそうだ。
関連リンク
- Gemini 搭載予定の最新の Google Nest Cam 製品と、2026年 春に発売予定の Google Home スピーカー登場 – Google Japan Blog
- Gemini 向けに再設計した新しい Google Home アプリ登場 – Google Japan Blog
(画像:Google)