北海道はなぜ『Ghost of Yōtei』の舞台になったのか?Sucker Punchが語るその理由

PlayStation 5向けの新作『Ghost of Yōtei』は、前作『Ghost of Tsushima』の精神を受け継ぎながらも、舞台を新たに北海道へと移し、オープンワールド時代劇アクションの可能性を再び切り拓こうとしている。

なぜ、次なる物語の地に「蝦夷」を選んだのか。そしてどのようにしてこの作品世界が生まれたのか。Sucker Punch Productionsのクリエイティブディレクター、ネイト・フォックス氏がPlayStation.Blogを通じて語った。

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「本物らしさ」の追求が導いた日本への旅

羊蹄山

Sucker Punchにとって、作品の舞台を実際に訪れ、肌で感じることは創作の核にあるという。『Ghost of Tsushima』においても、実際に対馬の浜辺に立ち、蒙古襲来の歴史とその重みを体感することで、より強いリスペクトとリアリティをもって物語が形づくられた。フォックス氏はこう語る。

「私たちは文化アドバイザーの意見に耳を傾け、研究を重ねることで、対馬の特別な魅力を敬意を持って表現できると信じていました。」

この姿勢は『Ghost of Yōtei』においても一貫しており、スタッフたちは北海道へ二度にわたる資料収集の旅に出た。

左から、Ian Ryan氏、Jason Connell氏、Nate Fox氏、Joanna Wang氏、Rob Davis氏、片見龍平氏

北海道がゲームの舞台として選ばれた理由は、単に地理的・視覚的魅力だけではなく、その “美と危険の共存” という本質が、復讐に囚われた戦士「篤(あつ)」の物語と深く結びついたからだという。

「美と危険の完璧な調和、それこそが私たちのゲームに求めていた本質的な感覚だったのです。」

木に刻まれた爪痕

資料収集チームが訪れた知床国立公園では、断崖に打ち寄せる荒波と、熊の爪痕が刻まれた木々という両極の景観が共存していた。雄大さと恐怖が交錯するこの体験が、まさに物語の背景としてふさわしいと確信させたという。

制作チームの心をとらえたのは自然だけではなかった。北海道の各地を巡る中で、彼らは羊蹄山と出会う。アイヌ語で 「マチネシリ (女山)」 と呼ばれるこの山は、島の象徴として、そして主人公・篤の失われた故郷や家族を象徴する存在となった。

現地での出会いと体験を経て、羊蹄山は物語と深く結びつき、タイトル『Ghost of Yōtei』にもその名を刻むことになった。

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文化的ギャップと向き合い、尊重する姿勢

アメリカ人である開発陣にとって、日本文化や歴史への理解は決して容易ではない。だが、だからこそ彼らは学ぶ姿勢を強く持ち、現地の人々との対話や文化的に重要な場所への訪問を通じて、その知識のギャップを埋めようと努めた。

「この旅で得た最大の教訓は、謙虚であるということでした。」

フォックス氏はそう語り、歴史や文化をデジタルで表現することの重みと責任に向き合っている。

ネイト・フォックス氏が明かす開発秘話は、PlayStation.Blogから詳細を読むことが可能だ。ぜひご覧いただきたい。

『Ghost of Yōtei』は、2025年10月2日にPlayStation 5向けに発売予定。ジャンルはオープンワールド時代劇アクションアドベンチャー。『Ghost of Tsushima』で高く評価された没入感と緻密なビジュアル表現が、今度は北海道という新たな舞台で再構築される。

関連リンク

©2024 Sony Interactive Entertainment LLC. Developed by Sucker Punch Productions.
Ghost of Yotei is a trademark of Sony Interactive Entertainment LLC.
(画像:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)

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