
Googleの生成AI「Gemini」が、Appleの次世代AI機能「Apple Intelligence」に統合される可能性が高まっている。AlphabetのCEOであるスンダー・ピチャイ氏は、現在進行中の米司法省による反トラスト裁判の証言において、GeminiがiPhoneに「今年中に組み込まれることを望んでいる」と発言した。
GeminiがChatGPTと並ぶ新たなAIオプションに?

ピチャイ氏によると、2024年を通してAppleのCEOであるティム・クック氏と複数回の協議を重ねており、今年半ばまでに正式な合意に至ることを目指しているという。
Appleは6月9日(米現地時間)に年次開発者会議「WWDC 2025」を開催予定で、iOS 19を含む次期OSの発表が行われる見込みだ。昨年のWWDCでは、Apple IntelligenceおよびOpenAIとの提携によるChatGPTの統合が発表されており、今年も同様のAIパートナーシップ発表の舞台としては格好のタイミングとなる。
実際GeminiがiOS 19に組み込まれた場合、ChatGPTとの統合と同様、Apple Intelligenceのフレームワーク内で、タスクに応じて最適なAIが選択されるような形になると考えられる。「Siri、Geminiに聞いて」といった音声操作も可能になったり、SiriがGeminiを自動で利用するケースも想定される。
GoogleとAppleは過去にも数々の協業を行ってきた。2007年にはYouTubeアプリがiPhoneに搭載され、2012年まではGoogle Mapsが標準地図アプリとして利用されていた。最も大きな提携はSafariの検索エンジンで、現在でもGoogleがデフォルト設定となっている (この点こそが、現在Googleが直面している反トラスト訴訟の核心でもあるが)。

GeminiとApple Intelligenceの統合が実現すれば、両社の提携関係はAI時代において新たなフェーズへと進むことになるだろう。Appleは現在、自社開発のAIモデルを中心にiPhone、iPad、MacでAI機能を展開しているが、OpenAIのChatGPTをSiriやWriting Tools(執筆支援機能)に組み込むことで、外部AIとの連携も積極的に進めている。
なお、Appleは 「Apple Inteligence」 に対してサードパーティのAIモデルを統合することに前向きだ。昨年のWWDC24で 「Apple Inteligence」 を発表した際、「将来的にはGoogleのGeminiを統合する可能性もある」 と示唆していたことから、徐々にその準備が整いつつあるのかもしれない。
今回のGemini統合が正式発表されるとすれば、iOS 19の初期バージョン、あるいは19.1、19.2などのアップデートで導入される可能性もある。GeminiがAppleユーザーにとっての新たなAI選択肢となる日は、そう遠くないのかもしれない。
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