『Gears of War: Reloaded』マルチプレイベータテストをプレイ。初代の熱狂、再び、20年越しの進化と原点回帰

MicrosoftとThe Coalitionは、「Gears of War」 シリーズの初代を再構築した『Gears of War: Reloaded』を2025年8月26日に発売する。

本作の発売に先立ち、6月14日から2週にわたりマルチプレイベータテストを実施する。このうち、第1週目の6月14日〜16日で開催されたチームデスマッチのベータテストに筆者も参加し、新しくなった『Gears of War』のマルチプレイを楽しんできた。

約20年前に発売された初代『Gears of War』のマルチプレイが、どのように現代のゲーム体験として蘇ったのかをじっくりと味わうことができた。本稿はそのレポート記事となる。

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あの頃の熱狂が再び。『Gears』原点のマルチプレイがリマスターで蘇る

初代『Gears of War』のマルチプレイは、COGとローカストに分かれてチーム戦を繰り広げるモードで、対戦形式はいずれも4対4、基本的なデスマッチ形式の「Warzone」、「リーダー」という特殊な役割が加わる戦略性の高い「Assassination」、拠点の占領と維持が目的となる「Annex」といったモードがプレイできたが、今回は当時の「Warzone」にあたる「チームデスマッチ」モードをプレイした。

今回のベータテストの注目点のひとつが、クロスプレイへの対応だ。Xbox、PC、そして一部の地域ではPS5でもプレイすることができ、異なるプラットフォームのプレイヤーと気軽に協力・対戦できるということ。

特に、PS5で初めて 「Gears」 シリーズを体験したユーザーからは、「新鮮だった」という声が上がっており、これまでXbox / Windowsでのみ展開されてきたフランチャイズが新たな層へと広がっていく可能性を感じさせた(※日本国内でもPS5版が発売予定だったが、諸事情により中止となっている)。筆者もフレンドと異なるプラットフォーム(XboxとPC)でプレイを試みたが、マッチングやボイスチャットの精度も良好で、ストレスを感じることなく楽しむことができた。

ベータテストの参加条件も比較的幅広く設定されており、ダウンロード版の予約購入者だけでなく、Game Pass UltimateおよびPC Game Passメンバー、さらには『Gears of War: Ultimate Edition』(デジタル版)を所有していれば参加可能という間口の広さも話題になった。

グラフィック面では、4K解像度への対応、リファインされたテクスチャやライティングにより、20年前の作品とは思えないほどの没入感が得られた。過去作を知るユーザーであれば、当時の面影を感じながらも、現代のゲームと違和感なく融合した世界に驚かされるはずだ。

特に暗所の表現やキャラクターモデルの質感は非常にリアルで、戦場の緊張感を際立たせていた。また、シリーズを象徴する「重厚感のある戦闘」は健在で、むしろリマスターによってより際立っていた印象。

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シリーズの象徴とも言えるショットガンを使った接近戦を味わう

初代『Gears of War』のお家芸とも言われるショットガンを使った超近接戦闘、いわゆる「ショットガンダンス」の再現度の高さも見事だった。

壁を挟んでの駆け引きや、距離を詰めた一撃必殺のタイミング取りなど、プレイヤースキルが如実に現れる部分が忠実に再現されており、長年のファンであればあるほど感慨深い体験となっただろう。

近年の「Gears」シリーズは、2作目以降に見られるような中〜遠距離での撃ち合いが主流となり、初代のような接近戦の比重は徐々に薄れていた。

そういった背景を踏まえると、今回の『Gears of War: Reloaded』は原点回帰とも言える内容であり、特にPvPを中心に楽しんでいた層にとっては、「これぞGears!」と感じさせる出来栄えだったのではないだろうか。ショットガンでの駆け引き、カバーからの突進、壁を利用した高速移動など、近接戦における攻防の妙が再び体験できる点は大きな魅力である。

マップとモードについても注目すべき点が多い。第1週のテストでは、「Gridlock」「Raven Down」「Gold Rush」の3マップでチームデスマッチがプレイ可能だった。とりわけ「Gridlock」は、シリーズを象徴する戦略性の高いマップとして名高く、遠距離と近距離のバランスが絶妙に設計されており、戦闘開始から中央を巡る攻防、スナイパーポイントの取り合い、左右からの包囲戦など、マップそのものがプレイヤーの行動を促し、熱いバトルが展開された。

ただし、全体の完成度が高い一方で、いくつかの課題も明らかとなった。

テスト初日の朝には、アジア以外のサーバーを選択できない状況があり、なかなかマッチングが成立しないという不満も聞かれた。筆者自身も長い待機時間に直面したが、時間が経つにつれこの問題は徐々に改善されていき、マッチングは安定。快適な対戦環境が整い始めると、ゲームのテンポも良くなり、特にラグの少ない部屋ではショットガンの撃ち合いが非常にスムーズに行えた。

一方で、海外プレイヤーとの対戦では、ラグによる命中判定のズレが気になる場面も多く、国内サーバー環境の整備やマッチング精度の向上には、今後さらなる調整が求められると感じた。

また、元々2006年に発売されたゲームであることから、TPSとしての基本的な動きや操作感に若干の「古さ」が残っていることは否めない。カバーアクションの動作や視点移動のもっさり感、そしてHUDのデザインなど、現代のゲームに慣れたプレイヤーには違和感を覚える部分もあるだろう。特にカバーアクションを解除するときに視点やキャラクターが荒ぶりやすく、そのごちゃごちゃの間に敵に接近されてやられてしまうということも。

ただし、これらは逆に「当時のGearsらしさ」として捉えることもでき、シリーズの歴史や文脈を理解しているプレイヤーであれば、むしろ味わい深く感じるかもしれない。

やられて覚えるGears道、その一発がクセになる。『Gears of War: Reloaded』マルチプレイ

総じて、『Gears of War: Reloaded』のオープンベータテストは、原作ファンにとって非常に満足度の高い体験となった。

最初は「懐かしさ」先行だったが、初代特有の戦闘スタイルの再現や、グラフィック・技術面の進化、クロスプレイによる新しいつながりの創出など、リマスター作品としての価値は十分に示されたと言える。

一方で、音声面やネットワーク環境など、いくつかの改善ポイントも明らかとなっており、8月26日の正式リリースまでにこれらのフィードバックがどう反映されるかが、今後の注目点となるだろう。

最後の一人になっても諦めないで!

ちなみに、筆者は初代『Gears of War』のキャンペーンモードは何度かプレイ済みだが、マルチプレイにはあまり参加したことがなかったため今回は実質的に初心者として参戦した。

『Gears of War』でのキャラクターの挙動などはわかっていたつもりだったが、今回のベータテストの参加者は当時のマルチプレイを経験していたであろう猛者たちがひしめきあっており、味方と一緒にグレネードで爆殺されたり、チェーンソーで後ろからズタズタにされたりと、こっぴどくやられてしまうことが多かったように思う。

上手い人は1ゲームのうちに20キル以上することもあったので、立ち回りのコツをつかむまでは「ボロ負けしても挫けない心」が重要だと感じた。とりあえずゲーム開始と同時に味方とダッシュして、強い武器を取りに行くことだけはお忘れなく。

懐かしさと新しさが見事に融合した本作が、再び『Gears』ファンの心を掴む作品として完成されることを期待したい。

(画像:Microsoft)

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