
マイクロソフトは「Xbox Games Showcase 2026」で『Gears of War: E-Day』を発表し、発売日を2026年10月6日に決定した。その後に放送されたディレクターズダイレクトでは本作の詳細が公開され、シリーズの原点である「E-Day(エマージェンス・デイ)」をUnreal Engine 5を用いて構築する方針が語られた。
本作の舞台は、ローカストが地中から突如出現し惑星セラ全土が崩壊へ向かう “最初の3日間”。平和がようやく訪れた直後、世界が一瞬で破壊されていく過程を、若き日のマーカス・フェニックスとドミニク・サンティアゴの視点で描く。
戦争を終えたばかりの2人は民間人としての生活に戻りかけていたが、突如発生した緊急放送とともにローカスト侵攻が始まり、都市全体が崩壊へ向かう。
物語の核には、ドムの兄でありマーカスの親友でもあるカルロス・サンティアゴの存在がある。彼は戦争終結前の戦闘で命を落としており、その喪失が2人の関係性と精神状態に影を落としたままE-Dayを迎える。
開発チームは本作について、シリーズの過去作の延長ではなく「新しい基盤から作り直した作品」と説明している。キャラクター、武器、敵、環境、音響、破壊表現までを一度解体し、UE5上で再構築している点が特徴だ。
シリーズの根幹にある「兄弟の絆」「圧倒的な暴力性」「哀愁を帯びた導入」「誇張された戦場表現」を、E-Dayという一点に集約し、物語とゲームプレイの両面から再定義する設計になっている。
1都市に凝縮された戦場設計と「破壊そのものが進行する」戦闘システムを採用
舞台となる都市は「Kalona(カロナ)」と呼ばれる巨大都市で、開発チームはこの都市を背景ではなく「もう一人の登場人物」として設計している。石造建築の旧市街、工業地帯、軍施設、港湾、居住区が階層的に接続され、さらに周辺には山岳や海岸線も含まれる。
この都市は、戦争経済と工業化によって作り変えられた歴史を持ち、クラシックなGearsの退廃的建築と1970年代的な重工業都市の雰囲気が混在している。地区ごとに性格が異なり、中心部は伝統的な都市構造、郊外は軍事施設や造船所、工業地帯は精製施設や労働者地区が広がる。
都市構築には専用ツール群が用意されており、道路、交差点、建物、屋根、配管、車両などを生成するシステムに加え、ゴミや瓦礫を大量に散布するプロシージャル生成も導入されている。これにより、都市規模の環境を一貫性を保ったまま構築している。
ゲームプレイにおいて、カバーシューターの構造は基本維持されているものの、移動と戦闘の自由度が大きく拡張されている。スライディングで遮蔽物の下をくぐり抜けたり、ジャンプで段差や車両、崩壊した建物を乗り越えることが可能になり、戦場の垂直方向のレイヤーが強く意識されている。
カバーも再設計され、低い障害物や多様な形状が追加されたことで、戦闘空間がより複雑化した。正面からの撃ち合いに加え、側面突破、高所制圧、複数経路からの同時侵入などが自然に発生する構造になっている。
ローカストは地中から突発的に出現し、従来のエマージェンスホール(Eホール)も再登場する。手榴弾で封鎖できる仕組みはそのままに、都市規模の陥没や建物崩壊が発生する地形破壊が追加された。車両や地形そのものが吸い込まれるように崩落する場面もあり、戦場が固定されたものではなく “崩れ続ける空間” として設計されている。
破壊表現はマイクロレベルまで強化されており、遮蔽物の材質ごとに壊れ方が変化する。被弾箇所が削れ、戦闘の進行に応じて遮蔽物が変形していく。こうした変化が戦術判断に影響する設計になっている。
武器では象徴的な「ランサー」の誕生が描かれるほか、爆発ボルトを射出する新型ランチャー、接近戦で敵を焼き切る焼夷ショットガンなどが登場する。プロトタイプ段階のランサーに関するエピソードも含まれ、シリーズの象徴武器がどのように戦場に導入されたかが語られる構成だ。
ローカストは部位ごとの破壊表現が強化され、弾丸の命中位置によってダメージ表現が変化する。腕や脚の損傷、部位破壊がより詳細に描写され、戦闘の手応えが視覚的にも強くなっている。
音響は空間設計と連動し、路地では反響が強く、開けた場所では音が拡散するなど、場所ごとの音の変化がリアルタイムで切り替わる。音楽はギター主体のシリーズサウンドを継承しつつ、クラシック楽器と不協和音的な要素を重ね、緊張感が持続する構成になっている。銃声やチェーンソーランサーの音も、実在モデルを元に再構築されている。
キャラクター表現も刷新され、フェイシャルアニメーションは従来比で約3倍の関節数と350以上の表情形状を持つ。4K HDR対応、レイトレーシング対応、60fpsキャンペーンに加え、マルチプレイでは最大120fpsに対応する設計だ。マーカスのまつ毛単体で旧作モデル全体を超える情報量を持つと説明されている。
ローカストの侵攻はゲームプレイ上でも大きな要素で、地下からの出現地点を封鎖する戦術や、予測不能な出現位置による戦闘の変化が組み込まれている。環境破壊と敵出現が連動し、戦場全体が動的に変化する。
物語のなかで、都市に生きる複数のキャラクターが登場する。前線帰りの兵士マグ・カーター、戦場を夢見ながらも任務に就けなかったコープス保安官ルーカス・レイエス、レイヴンパイロットのギル・ガードナー、シリーズおなじみのタイらが、崩壊する都市の中で交錯する。
プレイヤーは軍事作戦だけでなく、民間人救助や市街地での偶発的な事件にも遭遇し、どこに介入するかを選択する場面も発生する。都市そのものがリアルタイムで破壊され続ける中で、局所的な物語が積み重なっていく構成だ。
マルチプレイは最大4人協力プレイ、分割画面2人でのプレイに対応。従来型の対戦モードに加え、44種類のモードと新マップ群が用意され、シーズン制のコンテンツ更新も行われる。
さらに新モードとして、3つの分隊・最大12人が同時にローカスト侵攻へ対処するPvEモードが導入される。複数チームが同一戦場で役割を分担しながら進行する設計で、シリーズ最大規模の協力体験とされている。
『Gears of War: E-Day』は、シリーズ20周年の節目に合わせて再定義されたプロジェクトとして位置づけられている。ローカスト侵攻の開始という一点に焦点を絞り、喪失と兄弟の関係性、そして崩壊していく都市を軸に、シリーズの原点を現代技術で再構築した作品となる。
発売は10月6日。対応プラットフォームはXbox Series X|SとPC。発売まであと約4ヶ月、続報に期待だ。
(画像:Microsoft)
