
Samsungは、折りたたみスマートフォンの新モデル「Galaxy Z Fold8」を発表した。2019年に初代モデルを投入して以来、7世代にわたって折りたたみスマートフォンを開発してきた同社にとって、今回はこのカテゴリーをより多くの人に広げていくための重要なモデルとなる。
大きな変化として「Galaxy Z Fold8」は、これまでの「Galaxy Z Fold」シリーズからデザインの方向性が変わっている。折りたたみスマートフォンならではの大画面を維持しながら、薄さと軽さを追求しただけでなく、開いた状態のメインディスプレイを4:3という比率に変更した。

従来の「Galaxy Z Fold」シリーズは、縦長の画面を横に開くことで大画面を得るスタイルだった。これに対して「Z Fold8」では、4:3の画面比率を採用することで、動画や電子書籍、ゲームなどをより広い画面で楽しめるようにした。折りたたみスマートフォンの「開けば大画面」という基本的な考え方はそのままに、開いたときに何をするのかまで意識したフォームファクターへと進化した格好だ。
本稿では「Galaxy Z Fold8」について詳しく解説していきたい。ちなみに、従来型の「Galaxy Z Fold」は「Galaxy Z Fold8 Ultra」として新型モデルが展開される。また、縦型の折りたたみスマホ「Galaxy Z Flip8」も同時に発表されているため、今後Samsungが展開する折りたたみスマホは「Galaxy Z Flip8」「Galaxy Z Fold8」「Galaxy Z Fold8 Ultra」の3機種に加えて、今後3つ折りの「Galaxy Z TriFold」にも後継機が登場するなら合計4機種がラインアップされることになる。
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4:3のいわゆる「横開き」の新フォームファクターを採用した新たな「Z Fold」。約201gの軽さと4.5mmの薄さを実現

「Galaxy Z Fold8」は、開いた状態で約7.6インチ、閉じた状態で約5.5インチのディスプレイを搭載する。メインディスプレイの画面比率は4:3、カバー画面は10:16だ。
4:3のメインディスプレイは、動画や電子書籍、ゲームなどを大画面で楽しむ用途を意識したものだ。写真も4:3の比率で画面いっぱいに表示できるため、撮影した写真を確認するときにも広い表示領域を活用できる。
画面輝度は最大3,000ニト。反射防止コーティングも施しており、屋外でも画面を見やすくした。従来の「Z Fold」シリーズが大画面を持ち歩けることを強みとしてきたのに対し、「Galaxy Z Fold8」は開いた状態で動画やゲーム、電子書籍などをどう楽しむかまで考えた設計になっている。

本体重量は約201g。横折りタイプの折りたたみスマートフォンとして世界最軽量をうたう。開いた状態の厚さは約4.5mm、閉じた状態でも約9.7mmに抑えた。
薄型・軽量化を支えるのが、新開発の「Flex Titanium」技術だ。宇宙産業などでも使われるチタンを採用し、OLEDパネルの下に配置するチタン合金フィルムと、ディスプレイモジュール全体を支えるチタンプレートを組み合わせている。
チタン合金フィルムは、従来のポリマーフィルムと比べて20倍の機械的強度を持ちながら、厚さは髪の毛の約3分の1、30%未満という薄さを実現した。チタンプレートには折り目部分に精密なマイクロパターンホールを設け、強度を保ちながら柔軟に折り曲げられる構造としている。
さらに、モジュールと接着剤の間に空気が生じない一体構造を採用した。繰り返し開閉する折りたたみスマートフォンに必要な耐久性を確保しながら、画面の折り目も前モデルより目立ちにくくした。
処理性能を担うSoCには「Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxy」を採用。OSは「Android 17」を搭載する。バッテリー容量は4,800mAhで、45Wの有線急速充電と20Wのワイヤレス充電に対応する。
防水性能はIPX8、防塵性能はIP4Xを確保した。薄型軽量化を進めながら、普段から持ち歩くスマートフォンとしての使いやすさにも配慮している。

カメラは背面に5000万画素の広角カメラと超広角カメラを搭載。動画撮影では、AIが特定の人物を自動で追いかけながらフォーカスし続ける「マイファンカム」を新たに採用した。コンサートやイベントで特定の人物を撮影したいときや、いわゆる「推し活」とも相性が良い機能だ。
インカメラとアウトカメラを同時に使って撮影する「デュアル録画」にも対応する。2つのカメラで撮影した映像を画面分割で表示できるため、撮影者自身の表情と被写体を同時に記録するといったユニークな使い方もできる。
ソフトウェアには独自UIの「One UI 9」を採用する。iPhoneからの乗り換えも意識し、ワイヤレスまたは有線で20種類のデータを移行できる環境を用意した。iPhoneのAirDropもサポートする「Quick Share」も利用できるため、iPhoneユーザーがGalaxyへ移行しやすい環境を整えている。

マルチタスクに関連した機能としては、アプリ間をワンタップで行き来できる「Split View」を搭載する。
さらに、AIエージェントが画面上の指示を読み取り、アプリ内の操作まで自動で進めるオートメーション機能も用意する。ホテルの予約やタクシーの手配など、複数の手順が必要な作業をAIエージェントが代わりに実行できるという。本機能の日本語への対応は9月末を予定している。
こうした設計の背景には、折りたたみスマートフォンを一部のユーザー向けの特殊な端末から、より多くの人が選べるスマートフォンへと広げたいSamsungの考えがある。
折りたたみスマートフォン市場は今後も拡大が見込まれており、2031年には現在の約3倍に成長すると予測されている。一方、これまでの横折りタイプには「重い」「厚い」「操作しにくい」といった不満も残っていた。前モデルのユーザーからも、さらなる軽量化や大画面での没入感向上を求める声があったという。

「Galaxy Z Fold8」では、こうした課題に対して本体を薄く軽くするだけでなく、画面比率そのものも見直した。4:3という新しい画面比率を採用することで、折りたたみスマートフォンを開いた状態での動画やゲーム、電子書籍の使いやすさを高め、これまでのFoldシリーズとは違った大画面体験を目指している。
価格はSamsungの公式オンラインショップで、256GBモデルが26万9880円(税込)から。カラーバリエーションはラベンダー、グラファイト、クリームの3色。Samsungオンラインショップ限定でピスタチオも用意する。
「折りたためる」という特徴だけでなく、軽さや薄さ、大画面でのコンテンツ視聴、AI活用まで含めて日常的な使いやすさを高めた「Galaxy Z Fold8」。従来のFoldシリーズから画面比率まで見直した今回のモデルが、折りたたみスマートフォンを特別な端末ではなく、一般的なスマートフォンの選択肢として広げられるかが注目される。
従来型の「Galaxy Z Fold8 Ultra」は「ウルトラモデル」として最上位機種に君臨


Samsungは今回、「Galaxy Z Fold8」とともに、従来型の折りたたみスマートフォンの新型モデル「Galaxy Z Fold8 Ultra」も展開する。両モデルの違いは、薄さや画面サイズ、重量、カメラ性能などにある。
「Galaxy Z Fold8 Ultra」は、約8.0インチのメインディスプレイと約6.5インチのカバー画面を搭載する。開いた状態で約4.1mm、閉じた状態で約8.9mmというさらなる薄型化を追求、本体重量も約215gと大型な割にバータイプのスマートフォンと同等のサイズ・重量感を実現している。
一方、「Galaxy Z Fold8」は約201gという軽さを優先し、約7.6インチの4:3ディスプレイを採用した。「Galaxy Z Fold8 Ultra」が薄さと大画面、ハイエンド性能を追求するのに対し、「Galaxy Z Fold8」は持ち運びやすさと動画やゲーム、電子書籍などの使いやすさを重視したモデルとなる。
両モデルとも「Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxy」と「Flex Titanium」を採用するが、カメラ構成には差がある。「Galaxy Z Fold8 Ultra」は2億画素の広角カメラと望遠カメラを含む3眼構成、「Galaxy Z Fold8」は5000万画素の広角・超広角の2眼構成となる。バッテリー容量も「Galaxy Z Fold8 Ultra」が5000mAh、「Galaxy Z Fold8」が4800mAhとなっている。
価格は、「Galaxy Z Fold8」の256GBモデルが26万9880円から、「Galaxy Z Fold8 Ultra」の256GBモデルが29万6780円から(どちらも税込)。およそ3万円ほどの差がある格好だ。
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