Galaxy Z Fold7はどう進化した? Fold6と徹底比較してみた

サムスン電子が新たに発表した新型スマートフォン「Galaxy Z Fold7」は、これまで同社が発表してきた折りたたみスマートフォンの中でも最大級のアップデートとなっている。

サムスン電子は本モデルについて、「Fold史上最も薄く、軽く、進化した『ウルトラ級』モデル」と表現しており、ヒンジ構造の刷新による薄型化や画面サイズの大型化、高画素化されたアウトカメラ、最新SoCの搭載など、ハードウェア面での改良が随所に施されている。

本稿では、前モデル「Galaxy Z Fold6」との違いを徹底比較してみた。買い替えを検討しているユーザーにとって、本当に乗り換える価値があるのかを見極める参考になれば幸いだ。

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Fold6・Fold7をスペック表で比較

まずは、両モデルのスペックを一覧で比較してみよう。

項目Galaxy Z Fold6Galaxy Z Fold7
チップセットSnapdragon 8 Gen 3 for GalaxySnapdragon 8 Elite for Galaxy
ディスプレイメインディスプレイ:7.6インチ
サブディスプレイ:6.2インチ
メインディスプレイ:8.0インチ
サブディスプレイ:6.5インチ
輝度2,600nit2,600nit
リフレッシュレート1〜120Hz1〜120Hz
サイズ(開いた状態)約132.6 × 153.5 × 5.6mm約143.2 × 158.4 × 4.2mm
サイズ(閉じた状態)約68.1 × 153.5 × 12.1mm約72.8 × 158.4 × 8.9mm
重量約239g約215g
RAM12GB 12GB/16GB (1TBモデルのみ)
ROM (ストレージ容量)256GB/512GB/1TB256GB/512GB/1TB
バッテリー4,400mAh4,400mAh
アウトカメラメイン(広角):2億画素
超広角:1,200万画素
望遠:1,000万画素
メイン(広角):2億画素
超広角:1,200万画素
望遠:1,000万画素
インカメラ(カバー)1,000万画素1,000万画素
インカメラ(フロント)400万画素1,000万画素
Sペン
OSAndroid 14Android 16
Wi-FiWi-Fi 6EWi-Fi 7
防水・防塵IPX8 / IP4XIPX8 / IP4X
生体認証顔・指紋顔・指紋
eSIM対応対応
OSアップグレード保証7世代分7世代分
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本体の劇的な薄型・軽量化

Fold7は、Fold6に比べて開いたときの厚みが5.6mmから4.2mmに、閉じたときも12.1mmから8.9mmにまで薄型化された。重量も約239gから約215gへと軽量化され、折りたたみスマホの「かさばり感」が大きく軽減されている。これは日常的な持ち運びや片手操作において大きな違いとなる。

項目Galaxy Z Fold6Galaxy Z Fold7
サイズ(開いた状態)約132.6 × 153.5 × 5.6mm約143.2 × 158.4 × 4.2mm
サイズ(閉じた状態)約68.1 × 153.5 × 12.1mm約72.8 × 158.4 × 8.9mm

これほどの薄型化を実現できたのは、再設計された「アーマーフレックスヒンジ」のおかげだ。ヒンジの回転部品とアーム部品には新たな素材が用いられたことで、部品そのものが薄くなり、さらにヒンジの構造そのものも見直したことで、ヒンジ全体の厚みを抑えることに成功している。

そして、構造の変更によってヒンジ内部に余裕が生まれ、ディスプレイが中央部でより緩やかなカーブを描くようになったことで、折りたたみスマートフォン特有の真ん中の段差がさらに感じにくくなっている。また、サムスン電子によると、折りたたみ部分に衝撃が加わった際の耐久性も高まっているという。

Fold6も登場時には「従来よりも薄く、軽くなった」と話題になったが、Fold7ではそこからさらに2mm以上の薄型化と20gを超える軽量化を実現しており、手に取ったときの印象はまるで別物だ。

項目Galaxy Z Fold6Galaxy Z Fold7
重量約239g約215g

筆者も実機を触ってみたが、閉じた状態ではほぼバータイプスマホ (一般的な1枚ディスプレイのスマホ) と同じ感覚で使うことができ、「ついに折りたたみスマホもここまで来たか」と素直に感動した。Fold6を使っているユーザーでも、Fold7を手にすれば「これは確かに薄い」と実感できるだろう。

画面サイズが大きく

Fold7ではカバーディスプレイが6.2インチから6.5インチに、メインディスプレイが7.6インチから8.0インチに大型化した。いずれも数値上はわずかな変化に見えるかもしれないが、実際に手に取ってみるとその恩恵は大きく、使用感に直結するアップデートとなっている。

特にカバーディスプレイの拡大は、折りたたんだままの状態での実用性を大きく押し上げている。Fold6までは縦長でやや細身の画面幅だったため、文字入力時にキーボードが窮屈に感じたり、アプリによってはUIが詰まり気味になることもあった。Fold7では画面の幅がしっかり確保されており、一般的なバータイプのスマートフォンと近い感覚で文字入力やスクロール操作ができるようになった。

SNSの投稿作成やチャットアプリでのやりとりといった日常的な操作がストレスなく行えるのは、ユーザー体験における明確な進化といえるだろう。「折りたたみだから多少の制約がある」といった従来の認識を覆すレベルに達している。

項目Galaxy Z Fold6Galaxy Z Fold7
ディスプレイメインディスプレイ:7.6インチサブディスプレイ:6.2インチメインディスプレイ:8.0インチサブディスプレイ:6.5インチ
輝度2,600nit2,600nit
リフレッシュレート1〜120Hz1〜120Hz

メインディスプレイも8インチへとサイズアップし、コンテンツ消費やマルチタスク利用において余裕のある表示が可能になった。これまで以上に動画や電子書籍の閲覧が快適になるほか、2画面表示やポップアップウィンドウによる作業も一段とスムーズに行える。

最大2,600ニトの画面輝度や最大120HzのリフレッシュレートはFold6から据え置きとはいえ、画面の表示領域が広がったこと自体がユーザー体験を大きく押し上げている。特にビジネス用途やクリエイティブ系アプリを使うユーザーにとって、「できることの幅を広げる」進化といえるだろう。

Sペン対応の有無

Galaxy Z Fold6とSペン

本体の薄型・軽量化が嬉しいポイントとなったのは間違いないが、その代償として、Fold6では利用できていた「Sペン」がFold7では非対応に。大画面とスタイラスの相性はとても良かったことから、一部ユーザーからは残念だという声も聞こえてきそうだ。

項目Galaxy Z Fold6Galaxy Z Fold7
Sペン

サムスン電子もSペン非対応についてはきちんと明言しており、「重さと薄さを改善した結果であり、より多くのユーザーの声に応える形だと思っている」と説明している。

今後のFoldモデルでSペン対応が復活するのかどうかは不明だが、現時点ではFold6までがSペンに対応するモデルということになるため、引き続きFoldモデルでSペンを使い続けたい場合は、Fold6を選ぶほかない状況だ。

SoCとストレージ・メモリ構成

Fold7では、最新の「Snapdragon 8 Elite for Galaxy」を搭載。前モデルの「Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy」からの進化により、AI処理性能や電力効率がさらに向上しているという。

とはいえ、Fold6も処理性能は高く、動作に不満を感じることは少なかったことから、処理性能を理由に買い替える必要性はあまりないとは思われる。

項目Galaxy Z Fold6Galaxy Z Fold7
チップセットSnapdragon 8 Gen 3 for GalaxySnapdragon 8 Elite for Galaxy
RAM12GB 12GB/16GB (1TBモデルのみ)
ROM (ストレージ容量)256GB/512GB/1TB256GB/512GB/1TB

ストレージ容量は256GB・512GB・1TBの3種類を引き続き用意するが、1TBモデルのみメモリ容量が16GBに拡張されており、より多くのアプリやマルチタスク処理に対応可能になった。256GB・512GBモデルのメモリ容量は、Fold6と同様に12GBだ。

カメラ性能の違い

アウトカメラの構成は、Fold6もFold7もメイン・超広角・望遠のトリプルカメラ構成だが、メインカメラの画素数がついにSシリーズの最上位モデル「Ultra」と同じ性能に。

項目Galaxy Z Fold6Galaxy Z Fold7
アウトカメラメイン(広角):2億画素
超広角:1,200万画素
望遠:1,000万画素
メイン(広角):2億画素
超広角:1,200万画素
望遠:1,000万画素
インカメラ(カバー)1,000万画素1,000万画素
インカメラ(フロント)400万画素1,000万画素

具体的には、Fold6が「5,000万画素」だったのに対し、Fold7では「2億画素」に一気にジャンプアップしている。従来比で4倍の高精細な写真撮影が可能となり、カメラ性能を重視する場合にはこれだけでも買い替えを検討する価値があるレベルだ。

また、メインディスプレイ側のインカメラも400万画素から1,000万画素へと大幅に強化されたことで、自撮りやビデオ会議などでの画質向上が期待できる。

その他の違い

通信まわりでは、Fold6のWi-Fi 6Eから、Fold7では最新のWi-Fi 7に対応。OSはAndroid 16ベースの「One UI 8」を搭載し、7世代のOSアップグレードと7年間のセキュリティアップデートが保証される。

防水・防塵性能 (IPX8 / IP4X)、生体認証 (顔・指紋)、eSIM対応などは従来通りとなっている。

項目Galaxy Z Fold6Galaxy Z Fold7
OSAndroid 14Android 16
Wi-FiWi-Fi 6EWi-Fi 7
防水・防塵IPX8 / IP4XIPX8 / IP4X
生体認証顔・指紋顔・指紋
eSIM対応対応
OSアップグレード保証7世代分7世代分

軽量・薄型化やカメラに魅力を感じたなら買い替えるべき、ただしSペン非対応には注意

今回のGalaxy Z Fold7は、薄型化・軽量化・大画面化・カメラ性能の進化など、ハードウェア面でのアップデートが非常に大きい。Fold5以前のユーザーにとっては、間違いなく買い替えタイミングと言えるだろう。

Fold6からの買い替えについても、見た目や使い勝手が大きく変わるだけでなく、カメラ性能などの体験価値にも直結する部分が多いため、乗り換える価値はあると言えるだろう。

機能面で注意しなければならないのが、Sペン非対応になったこと。FoldユーザーでSペンを活用している人は意外と多いことから、もし引き続きSペンを使い続けたいのであれば、Fold6への買い替え・Fold6の継続利用ということにはなるだろう。Fold7の登場で価格が少し安くなることも期待できるため、悪くはない選択肢とも言える。

また、Fold7はSIMフリーモデルで最安265,750円(税込)と高額な価格もネックになりそうだ。ただし、製品自体の完成度は高く、数年にわたって使い倒せることを考えれば、その価値は十分にあると考えることもできるだろう。あとはご自身のお財布と相談を。

Galaxy Zシリーズ
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