
サムスン電子は、現地時間7月9日に開催した「Galaxy Unpacked」で、縦折りスマートフォンの最新モデル「Galaxy Z Flip7」を発表した。カバー画面のフルスクリーン化に加え、メイン画面の大型化や本体の薄型化、バッテリー強化など、多方面にわたって進化を遂げている。
ここでは、前モデルの「Galaxy Z Flip6」と比較しながら、Flip7がどれほどアップグレードされたのかを整理する。現在買い替えを検討しているユーザーはぜひ参考にしてほしい。
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Flip6・Flip7をスペック表で比較


項目 | Galaxy Z Flip7 | Galaxy Z Flip6 |
---|---|---|
SoC | Exynos 2500 | Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy |
カバー画面 | 4.1インチ / 最大2,600ニト | 3.4インチ / 最大1,600ニト |
メイン画面 | 6.9インチ / 最大2,600ニト | 6.7インチ / 最大2,600ニト |
リフレッシュレート | 最大120Hz(共通) | 最大120Hz(共通) |
展開時サイズ | 約75.2×166.7×6.5mm | 約71.9×165.1×6.9mm |
閉じた状態の厚さ | 約13.7mm | 約14.9mm |
重量 | 約188g | 約187g |
RAM / ストレージ | 12GB / 256GB・512GB | 12GB / 256GB・512GB |
バッテリー | 4,300mAh(最大31時間再生) | 4,000mAh(最大23時間再生) |
アウトカメラ | メイン(広角):5,000万画素 超広角:1,200万画素 | メイン(広角):5,000万画素 超広角:1,200万画素 |
インカメラ | 1,000万画素 | 1,000万画素 |
防水防塵 | IPX8 / IP4X(共通) | IPX8 / IP4X(共通) |
Wi-Fi規格 | Wi-Fi 7 | Wi-Fi 6E |
OS | Android 16(One UI 8) | Android 14 |
アップデート保証 | 7世代のOSアップグレード | 7世代のOSアップグレード |
カバー画面全面化で折りたたみ時の操作性が向上、メインディスプレイも6.9インチに大型化

Flip7の最大の進化は、カバー画面の大型化だ。サイズが4.1インチに拡大し、ベゼル幅はわずか1.25mm。表示領域が大幅に広がったことで、天気や通知を確認するだけでなく、Samsung独自の「Now Brief」などのAI機能とのインタラクションが可能になった。
項目 | Galaxy Z Flip7 | Galaxy Z Flip6 |
---|---|---|
カバー画面 | 4.1インチ / 最大2,600ニト | 3.4インチ / 最大1,600ニト |

Flip6のカバー画面は3.4インチで、表示内容も限定的だった。Flip7では時計のデザインが壁紙に合わせて変化するなど、カスタマイズ性も高まり、見た目の楽しさも向上している。
項目 | Galaxy Z Flip7 | Galaxy Z Flip6 |
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メイン画面 | 6.9インチ / 最大2,600ニト | 6.7インチ / 最大2,600ニト |
リフレッシュレート | 最大120Hz | 最大120Hz |
端末を開いたときに現れるメインディスプレイも、Flip6の6.7インチから6.9インチへと大型化。どちらも最大2,600ニトの高輝度、最大120Hzのリフレッシュレートに対応しており、表示性能に差はないものの、Flip7の方が物理的な視認性や没入感で優位に立つ。
「Z Flip」 史上最薄の6.5mmを実現。本体を再設計

本体サイズは全体的にわずかに大型化したが、注目すべきは「薄さ」だ。Flip7は展開時の厚さが6.5mmと、Flip6の6.9mmを下回り、シリーズ史上最薄となった。閉じた状態でも約13.7mmと、1mm以上の薄型化を果たしている。
項目 | Galaxy Z Flip7 | Galaxy Z Flip6 |
---|---|---|
展開時サイズ | 約75.2×166.7×6.5mm | 約71.9×165.1×6.9mm |
閉じた状態の厚さ | 約13.7mm | 約14.9mm |
これはヒンジ構造や内部パーツの再設計によるもので、薄型化と同時に耐久性も確保されているという。携帯性の向上という観点でも、大きなポイントだ。
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SoCはExynos 2500に。Snapdragon非搭載には注意

Flip7には、SnapdragonシリーズではなくSamsung製の「Exynos 2500」が採用されている。前モデルのFlip6はSnapdragon 8 Gen 3 for Galaxyを搭載していたため、パフォーマンスを重視するユーザーにとっては要確認ポイントとなる。
項目 | Galaxy Z Flip7 | Galaxy Z Flip6 |
---|---|---|
SoC | Exynos 2500 | Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy |
Exynos 2500の性能がどれほどのものなのかは現時点ではまだ分からないが、Z FlipシリーズはZ Foldと異なり、動画編集や3Dレンダリングといった高負荷用途を想定したユーザーが少ないため、日常利用での差は限定的と予想される。
カメラ性能は変わらないが、細かい使い勝手が向上

アウトカメラは引き続きデュアル構成で、メインカメラ (広角) は5,000万画素、超広角カメラは1,200万画素だ。
項目 | Galaxy Z Flip7 | Galaxy Z Flip6 |
---|---|---|
アウトカメラ | メイン(広角):5,000万画素 超広角:1,200万画素 | メイン(広角):5,000万画素 超広角:1,200万画素 |
インカメラ | 1,000万画素 | 1,000万画素 |
画素数やカメラ構成は先代モデルから変わらなかったものの、お気に入りの写真からオリジナルのフィルターを生成する機能や、ズームスライダーでの片手ズーム、どのカメラがアクティブなのかを明示するUIなど、ユーザー目線の改善が随所に盛り込まれた。
アウトカメラでのセルフィー撮影時には、カメラ起動時やカメラモードの切り替え時にレンズ周辺が光って状態を知らせてくれる便利機能も追加されている。
インカメラも引き続き1,000万画素。フレックスモード(画面を半分だけ折りたたんで本体を固定するモード)を使って写真や動画を撮影するときには、先代モデルと変わらない品質で撮影できる。
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Flipシリーズ最大の4,300mAhバッテリー搭載。駆動時間も大幅向上

Flip7は薄型化しながらも、シリーズ最大となる4,300mAhバッテリーを搭載。Flip6の4,000mAhから容量が増えただけでなく、プロセッサの省電力性向上も相まって、動画再生時間は最大23時間→最大31時間にまで伸びた。
これは2世代前のFlip5 (3,700mAh) と比べると約11時間の向上で、終日の使用にも十分耐えるスタミナを確保している。
項目 | Galaxy Z Flip7 | Galaxy Z Flip6 |
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バッテリー | 4,300mAh(最大31時間再生) | 4,000mAh(最大23時間再生) |
通信/OS/防水・防塵性能など
Wi-Fiは最新のWi-Fi 7に対応し、高速通信環境に対応。防水防塵性能 (IPX8 / IP4X) や生体認証 (顔・指紋)、eSIM対応といった基本仕様は前モデルから引き継がれている。
OSはAndroid 16ベースの「One UI 8」を搭載し、7世代のOSアップグレードと7年間のセキュリティアップデートが保証される。
項目 | Galaxy Z Flip7 | Galaxy Z Flip6 |
---|---|---|
防水防塵 | IPX8 / IP4X(共通) | IPX8 / IP4X(共通) |
Wi-Fi規格 | Wi-Fi 7 | Wi-Fi 6E |
OS | Android 16(One UI 8) | Android 14 |
アップデート保証 | 7世代のOSアップグレード | 7世代のOSアップグレード |
Flip5以前のユーザーには買い替え推奨。Flip6ユーザーは慎重な判断を

Galaxy Z Flip7は、特にFlip5以前のモデルを使っているユーザーにとっては「買い替えを強く勧められる」1台だ。カバー画面のフルスクリーン化によって閉じたまま使える幅が広がったうえに、バッテリー持ちも大きく改善された。1日中安心して使えるスマートフォンとして、完成度は過去最高と言える。
一方で、Flip6からの買い替えを検討するユーザーにとっては悩ましい選択肢だ。カバー画面の進化は確かに魅力的だが、それ以外のカメラやパフォーマンス面では買い替えるほど大きな変化はないとも言える。
ただし、より大きなカバー画面と薄型化による携帯性の向上、そしてWi-Fi 7対応など、長く使う前提では一定の価値がある。
価格も164,800円(税込)〜とZ Foldシリーズよりは購入しやすい価格帯のため、「折りたたみスマホの新しい体験をしたい」「閉じたままの操作をもっと活用したい」といったニーズを持つユーザーにとっては、十分検討に値するアップグレードとなる。
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