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Galaxy Z Flip6 レビュー|Z Flip5を持っていても欲しくなるカメラ性能、最新SoC&ベイパーチャンバーでゲームプレイもオススメ

先月30日、サムスン電子ジャパンは 「Galaxy Z Flip6」 を国内で発売した。

折りたたみスマホの先駆者的存在である 「Galaxy Z Flip」 シリーズにおいて早くも6代目となる本機は、先代モデルからデザインの改良および内蔵SoCのパフォーマンス向上、さらにはAI機能の拡充などが行われた。そして最大の進化ポイントはリアカメラの性能向上。これまでの1,200万画素から5,000万画素にアップグレードするなど、着実な進化を遂げている。

先月30日の発売を前に、本スマートフォンをサムスン電子ジャパンから事前にお借りし、1週間ほど使用することができた。そこで本稿では実機レビューとして、普段から先代モデル 「Galaxy Z Flip5」 を愛用する筆者が感じた 「Galaxy Z Flip6」 の魅力をお伝えしたいと思う。

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「Galaxy Z Flip6」 のデザインをチェック

「Galaxy Z Flip6」 は、Samsungが展開する 「Galaxy Z Flip」 シリーズの最新モデル。本体を縦に折り曲げることができる ”縦パカ” タイプの折りたたみスマートフォンだ。

本体デザインについては、先代モデルの 「Galaxy Z Flip5」 から細かい変化があった。端末側面のエッジ部分はフラットなストレートエッジになり、Galaxy S24のような角張ったデザインに。アウトカメラのフレームには端末カラーがあしらわれ、どのカラーモデルを使っているのかがより分かりやすくなった。

左:Galaxy Z Flip5/右:Galaxy Z Flip6

先代モデルでは折りたたみ状態のときに正面から端末を見てもカラーが分かりにくく、せっかくの可愛いカラーをアピールできないのがちょっぴり残念だったので、筆者としては嬉しい変更点だった。

左:Galaxy Z Flip5/右:Galaxy Z Flip6

本体側面には、光沢のない素材が新たに採用。先代モデルでは光沢のある素材が使われていて、触った時に指紋などが目立ちやすかったのに対して、新型モデルはペタペタと触っても指紋が目立ちにくい。保護ケースなしで使う人には良い変更点となったのではないだろうか。

今回お借りしたイエローモデル

基本の本体カラーは、ブルー/シルバーシャドウ/ミント/イエローの4色。国内販売モデルでは、Samsungオンラインショップ限定カラーとしてクラフテッドブラック/ホワイトの2色も販売し、合計6色での展開となる。今回はイエローモデルをお借りした。

筐体サイズは、開いた状態で約71.9 x 165.1 x 6.9mm。折りたたんだ状態では約71.9 x 85.1 x 14.9mm。重量は約187g。

Z Flipシリーズは折りたたみスマートフォンながら防水に対応しているのが大きな特長だったが、「Galaxy Z Flip6」 ではIP48相当に対応し、水はもちろん、1mm以上のホコリなどの異物が内部に入りにくい構造になった。より安心して使えるようになったと言えるだろう。

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ディスプレイ

「Galaxy Z Flip6」 の本体は、メインディスプレイに加えて、「フレックスウィンドウ」 と呼ばれるサブディスプレイを搭載している。それぞれ、画面を開いたときに出てくる縦長の画面がメインディスプレイ、画面を閉じた状態のときに背面カメラの下部分にある長方形の画面がフレックスウィンドウだ。

メインディスプレイには、6.7インチの有機ELディスプレイが採用。画面サイズは先代モデルから変わらないが、折り目がかなり目立たなくなったことで視認性と操作性が向上している。

左:Galaxy Z Flip5/右:Galaxy Z Flip6

上記の写真は、先代の 「Galaxy Z Flip5」 との比較。「Galaxy Z Flip6」 では折り目がほとんど感じられなくなっており、横向きにして使ったときに画面が見やすくなった。また、折り目部分を触ってもボコボコしにくくなったことで、操作性も向上。ゲームなどの操作もかなりしやすくなった印象だ。

フレックスウィンドウは、先代モデルから引きつづき3.4インチとサイズは変わらないが、ユニークな機能が増えたり、使い勝手が大幅に向上している。

注目したい機能のひとつが壁紙。本体を傾けたり、画面をタッチすることで絵文字が動くといった、動きのある壁紙を設定できる 「インタラクティブ壁紙」 をはじめ、リアルタイムの天気が反映される壁紙や、スタイルやジャンルを指定するだけで生成AIがオリジナル壁紙を作ってくれるユニークな機能が利用できる。

新しく壁紙を設定するときには、「おすすめのスタイル」 をタップするのを忘れずに。AIが壁紙に設定した画像を分析して、その画像にあったフレームや時計の位置を提案してくれるというもので、人物が写った壁紙を複数設定して試してみたところ、どの壁紙でもその人物の顔をうまく避けるように時計を配置してくれた。

家族からメッセージが届いたけど、ちょうど満員電車の中にいてわざわざ画面を開いて返信するのが面倒。そんなときには、フレックスウィンドウを使って片手だけで簡単に返信ができる便利機能も追加。AIがメッセージを分析して3つの返信を提案してくれるため、あとは好みの返信を選んでタップするだけで、画面を開くことなく返信が可能だ。同機能はLINEやGoogleメッセージなど、一般的なメッセージアプリならどんなアプリでも利用できる。

また、フレックスウィンドウのウィジェットは、ついに複数のウィジェットを同じ画面に並べることができるように。たとえば上記の画像のように、ひとつの画面で色々な情報を効率よく確認できるようになった。

カメラ

「Galaxy Z Flip6」 の性能を語る上で最大の注目ポイントと言えるのがカメラ性能。アウトカメラの構成は広角+超広角のデュアルカメラと変わらないものの、広角カメラの画素数が1200万画素→5000万画素に大幅向上し、光学相当の2倍ズームにも対応するなど、より高画質かつ遠くからでも被写体に寄った写真が撮影できるようになった。

この広角カメラの性能向上のおかげで、「Galaxy S24」 と (望遠性能以外は) ほぼ同じくらいの性能に。先代モデルのカメラも全くダメというレベルではなかったのだが、昨今は多くのスマートフォンでカメラの高画質化が進んでいることから、筆者も日頃から 「望遠カメラはなくても、せめて広角カメラだけでも高画質化してほしい」 とは思っていた。

Z Flipシリーズは、本体をL字型に折り曲げる 「フレックスモード」 を活用して、アウトカメラで高画質自撮りをするユーザーが多いことから、広角カメラの性能向上を歓迎する人はかなり多いはずだ。非常に重要なアップデートだと感じている。

「フレックスモード」 時に便利な新機能 「オートズーム」 も登場。AIがカメラの画角に入り込んだユーザーの上半身や全身を認識し、自動でズームイン・ズームアウトして自動でフレーミングするというもので、複数人でのグループ自撮りがとてもスムーズに。居酒屋のテーブルのような狭いスペースでも、全員の顔をしっかりとフレームに収めた記念写真が撮影できる。

そのほか、ナイトグラフィーの強化や、Instagramのアプリ内でナイトモードを使用した撮影ができるようになり、そのまま写真をアップロードすることもできるようになった。

以下、筆者が撮影した写真をいくつか紹介する。

SoC

「Galaxy Z Flip6」 は、ハイエンドモデル向けの最新SoC 「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxy」 を搭載。CPUおよびGPU、AI処理を主に担うNPUパフォーマンスが向上した。

これなら重めのゲームなども快適にプレイできる性能になっているはず。さっそくAnTuTuベンチマークとGeekbench 6でベンチマークスコアを計測してみた。

計測の結果、AnTuTuベンチマークは1521956点、Geekbench 6のシングルコアスコアは1924、マルチコアスコアは6412、GPU (OpenCL) は13245とかなり高いスコアが出た。

また、本体内部には 「Galaxy Z Flip」 シリーズとしては初のベイパーチャンバーを搭載したことで、高いパフォーマンスを持続しやすく、重めのゲームアプリも快適にプレイできるようになった。

筆者が最近ハマっている『ゼンレスゾーンゼロ』を画質 「高」 でプレイしてみたところ、先代モデルの 「Galaxy Z Flip5」 ではあっという間に本体が激熱になってしまうのに対し、「Galaxy Z Flip6」 は30分ほどプレイを続けても 「Galaxy Z Flip5」 ほど熱くはならず、終始快適にプレイすることができた。折りたたみスマートフォンでゲームをプレイしたい人にとって 「Galaxy Z Flip6」 は良い選択肢になってくれるのではないだろうか。

RAM容量は12GB、ストレージ容量は256GBと512GBの2種類が用意。RAM容量は先代モデルが8GBだったことから、4GB分増えたことになる。

AI機能

Samsungは、今回の 「Galaxy Z Flip6」 を 「折りたたみAIフォン」 として定義しており、AIと 「Galaxy Z Flip6」 の折りたたみ形状、そして本体のコンパクトさによって、日々の生産性や効率をアップできると説明している。

AIを使った新機能は複数追加されているのだが、特に筆者が気に入ったのはSamsungキーボードで利用できる 「チャットアシスト」 機能。新たに文章を生成する機能が登場し、最低限のキーワードを入力するだけで文章を生成してくれる。

文章を生成する際には、用途と口調を選択してから生成したい文章の内容を入力する。たとえば、ビジネスメール用の丁寧な文章を作ってほしいなら、「Eメール」 「プロフェッショナル」 を選択して、「7月10日〜12日まで休暇で不在にします」 などと入力すれば、よく見かける休業のお知らせメールのような文章を生成してくれる。

文章の内容を入力する際には、曖昧な書き方をしてもOK。たとえば 「コメント」 「カジュアル」 と選択して、「結婚する友人に気の利いた一言。友人の名前はゆいちゃん」 と入力してみたところ、上記のような文章ができあがった。

できた文章は自然な文体になっていて、絵文字も取り入れているなど、そのままメッセージとして送ることができる完成度。お中元などの贈り物に添えるメッセージカードの内容を作ってもらうという使い方もできそう。

「チャットアシスト」 機能は、Samsungキーボードが立ち上がっていればどのアプリでも利用できるため、アプリを離れることなくスムーズに文章を生成できるのも便利なところ。今回追加されたAI機能の中で、個人的には1番のお気に入りの機能だ。

そのほかAIに関連する機能としては、「Samsung Notes」 アプリが大きな進化を遂げている。外国語のPDFを取り込んで日本語に翻訳したり、新たに音声の録音&文字起こしができるようになったり。資料や会報などを作成する機会が多い人には、「Samsung Notes」 アプリ内に簡単なイラストや構図を描き込むだけでしっかりとしたイラストに変換してくれる 「AIスケッチ」 機能も役立ちそう。

たとえば資料や会報にちょっとした挿絵を入れたいと思ったときに、これまでは自分のイメージに合ったフリーイラストをWeb上で探してくる必要があったが、同機能を使って自分のイメージするイラストを描き込むだけで、簡単にオリジナルイラストを作成できる。大量のフリーイラストの中から自分のイメージする画像を検索するよりも作業時間は圧倒的に短くなるはずだ。

参考として、実際に筆者が描いたイラストと、「AIイラスト」 機能を使ってできあがったイラストを紹介。「Galaxy Z Fold」 シリーズなどのSペンが使えるデバイスで本領を発揮する機能ではあると思うが、「Galaxy Z Flip6」 に指で描き込んだだけの雑なイラストでも、挿絵に使う程度には十分なクオリティのイラストを作ることができた。

海外旅行で役に立つ 「翻訳」 アプリも使いやすく進化。これまではメインディスプレイにしか翻訳内容を表示することができなかったが、今回から背面のフレックスウィンドウに翻訳内容が表示できるようになり、向かい合った相手にも翻訳内容が見えやすくなった。

先代モデルを持っていても欲しくなる 「Galaxy Z Flip6」

今回 「Galaxy Z Flip6」 を、筆者の所有する 「Galaxy Z Flip5」 を置き換えるようにして1週間使ってみたのだが、コンパクトで取り回しがしやすいというZ Flipシリーズの特長はそのままに、カメラ性能やSoC性能が向上したことで、さらに使いやすいデバイスに進化を遂げている。

デザインに関しては、画面の折り目がほぼ見えなくなり、指で触ったときにも折り目部分のデコボコを感じづらくなったことで、ゲームのように画面全体を使うようなコンテンツでも快適にプレイできるように。ベイパーチャンバーの搭載によってゲームがプレイしやすくなったこともあり、ゲーム用スマートフォンとしても存分に活躍してくれそうだ。

そして、注目していただきたいのが、優秀なAI機能。翻訳や文章・画像の生成など、プライベート用途でもビジネス用途でも強い味方になってくれること間違いなし。特に筆者が気に入った 「チャットアシスト」 機能については、相手に何を伝えたいのかを自分では分かっているのに、うまく文章にまとめられないというときに本当に便利に使うことができる。全部AIに任せてしまうと作り物っぽくて嫌という人は、アイデア出しの用途として使うだけでも、日頃のメールやメッセージの文章を考える時間を短縮できるはずだ。

基本性能やAI機能の追加により、さらに使いやすくなった 「Galaxy Z Flip6」 。先代モデルの 「Galaxy Z Flip5」 を持っている筆者も欲しいと感じる機能ばかりだったので、「Galaxy Z Flip4」 以前のZ Flipシリーズを使っている人や、折りたたみスマートフォンデビューを考えている人は、「Galaxy Z Flip6」 の購入を検討してみてはどうだろうか。

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