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サムスン電子ジャパンは、2月14日に 「Galaxy S25」 シリーズを発売した。
国内向けのラインアップは、「Galaxy S25」 と 「Galaxy S25 Ultra」 の2モデル。前者はスタンダードモデル、後者は大型ディスプレイを備え、カメラ機能が強化された上位モデルとなる。
今回、発売に先駆けて 「Galaxy S25 Ultra」 を約10日間ほど試用する機会を得た。そこで本稿では、その使用感や特徴について詳しくお伝えしていきたい。
なお、筆者は以前より折りたたみスマホ 「Galaxy Z Flip」 シリーズのファンであるため、「Galaxy S」 シリーズはしばらくメイン機として使用していない。どちらのシリーズにも魅力があり、一概に優劣をつけるつもりはないが、「Galaxy Z Flip」 シリーズのファンが 「Galaxy S25 Ultra」 に魅力を感じるとすれば、そのポイントはどこにあるのかという視点も交えながら考えてみたいと思う。
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Galaxy S25 Ultraをレビュー。筐体デザインはわずかな変化量に留まるも持ちやすさはさらに向上
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今回レビューする 「Galaxy S25 Ultra」 は、Samsungのフラグシップスマートフォン 「Galaxy S25」 シリーズの最上位モデルにあたる製品だ。
「Galaxy S25」 とおなじSoCを搭載するため、CPU&GPUパフォーマンスは同等だが、より強力なカメラを搭載するため撮れる写真の幅が大きく異なったり、本体下部に収納されているスタイラスペン 「Sペン」 を使用できたりと、上位モデルらしい違いがいくつか用意されている。
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「Galaxy S25 Ultra」 のデザインは先代モデルから大きくは変わらなかったものの、本体の厚さはGalaxyシリーズ史上もっとも薄くなっている。
端末デザインで変化があったのはエッジや四隅の部分。エッジは、先代のS24 Ultraでもややストレート気味になっていたものの、わずかに丸みがあった。S25 Ultraはその丸みが完全になくなり、シャープな直角デザインになったことで、見た目のスマートさや持ったときのグリップ力が増した印象だ。
一方、四隅は先代モデルではカクカクと角ばっていたのに対し、S25 UltraではS25・S25+と同様に滑らかな曲線を描くようになった。Sシリーズ全体で統一感が生まれたことで、より純粋にサイズ感とSペンへの対応有無だけでモデルを選べるようになったと言えるだろう。
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本体サイズは先代モデルから大きくは変わらなかったものの、厚さはGalaxyシリーズ史上もっとも薄く、重量も軽くなっている。具体的なサイズは77.6 × 162.8 × 8.2mm、重量は218g。より片手での操作がしやすくなった印象だ。
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画面の大きさは、Galaxy S25シリーズのなかで最も大きい6.9インチ。解像度は3,120 × 1,440 (QWHD+)、リフレッシュレートは最大120Hzに対応する。最大輝度は2,600ニト。
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画面の発色はとても良く、写真や動画はもちろん、ゲームもキレイな映像で楽しむことができる。また、細かい変化にはなるが、画面のベゼルもわずかに狭くなっていて、全画面での動画視聴やゲームプレイ時により高い没入感でコンテンツを楽しめるようになった。
個人的には、Galaxyの有機ELディスプレイの色味がとても気に入っていて、撮影した写真や動画を見返すときに重宝している。Sシリーズに限らず、Galaxyスマホすべてに共通する話ではあるが、画面のキレイさを重要視する人は相性は良いはずだ。
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Sペンは本体下部に収納されていて、指で押し込むことでカチッと取り出せる仕様。使い終わったらしまっておけば失くす心配もない。ちなみに、Sペンが利用できるのは、引きつづき最上位モデルのS25 Ultraのみだ。
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Sペンでは手書きで文字やイラストを入力するためのものだ。以前のように遠隔でカメラのシャッターを切ることはできなくなったようだが、簡単な構図を描くだけでAIが素敵なイラストに仕上げてくれる人気機能 「AIスケッチ」 を本格的に使いたい場合は、Sペンはほぼ必須アイテムと言えるため、ぜひS25 Ultraを選んでいただきたい。
防水・防塵性能は、IPX5/IPX8、IP6X等級に準拠。プールや海など水のある場所や、砂漠のような過酷な環境下に行く場合にも安心してS25 Ultraを持っていける。
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Samsungのスマホのなかで最も性能が高いカメラ
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Galaxy SシリーズのUltraモデルは、高いカメラ性能が特徴。今回のS25 Ultraも、一眼レフ顔負けの優れた性能を実現している。
リアカメラは先代モデルから引き続き、広角+超広角+望遠(5,000万画素)+望遠 (1,000万画素)の4眼構成。今回は超広角カメラが5,000万画素にアップグレードしたことで、広い画角での撮影でも画質を犠牲にすることなく綺麗に撮影できるようになった。超広角での動画撮影は8Kまで対応、マクロ撮影もS24シリーズに比べてディティールが4倍向上したという。
実際に筆者がS25 Ultraで撮影した写真を作例としてあげておく。
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上記の写真を見てもらえればわかると思うのだが、赤系の色の表現が特に素晴らしい。あとは画素数が高いこともあって、全体的にパリッと鮮明な写真に仕上がっている。
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ノイズが入りやすい夜の写真も昼と同様に鮮明で、何なら安いデジカメを使うよりも良い写真が撮影できている。やはりUltraのカメラ性能には大満足だ。
筆者がSシリーズのUltraモデルのカメラで気に入っているのが、望遠カメラの性能が高いこと。ズーム倍率は光学5倍まで対応するので、遠くの被写体も綺麗に撮影できる。最近はスマホ撮影OKなコンサートやイベントも多くなってきているので、推し活スマホとしても最大限に役立ってくれるはず。
以下は 「日暮里駅」 の文字付近にどんどんズームしていく様子。
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また、昨年のS24 Ultraは、発売当初に借りたときに色味があまり良くない印象だった (その後Galaxy Harajukuでもう一度チェックしたらちゃんとした色味になっていたので、当初のOSの問題?) が、今回はバッチリな色味で写真を撮影できて一安心。カメラの品質重視でスマホを選ぶなら間違いなくS25 Ultraはオススメだ。
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ちなみに、撮影後の写真の加工もGalaxyならお手のもの。撮影した写真の中からざっくりと人物を指定して、AI消しゴムをすると……。「人がいない東京駅八重洲口」 という、ディストピア映画のワンシーンのようなあり得ないシチュエーションの写真も簡単に作ることができた。
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自撮りにおいては、S25 Ultraもフロントカメラを使えば問題なく良い写真は撮れるが、折りたたみ形状を活用してサブ画面にプレビューを表示しながら撮影したり、高画質なリアカメラで撮影できるZ Flipシリーズの写真の出来映えにはさすがに敵わないなと思った。飲み会の楽しいひとときをバッチリ写真に収めたいときには、やっぱりZ Flipシリーズが最強だ。
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『ゼンレスゾーンゼロ』も快適に動作する内蔵SoC
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Galaxy S25 Ultraには、Galaxy AI向けにカスタマイズされた最新SoC 「Snapdragon 8 Elite for Galaxy」 が搭載。先代モデルとの比較でNPUは40%、CPUは37%、GPUは30%向上していて、AI機能の処理スピードやゲーム体験が向上しているという。
AnTuTuベンチマークでベンチマークスコアを計測してみた。計測の結果、総合スコアは2014475点。現在市場に出回っているスマホのなかではかなり高いスコアだ。
実際のパフォーマンスをチェックするため、筆者のお気に入りゲーム『ゼンレスゾーンゼロ』をプレイしてみた。『ゼンレスゾーンゼロ』は、昨年秋〜冬あたりのアップデートによって、ハイエンドスマホでも画質設定次第では少しカクつくことがあるのだが、最新のSoCだとどうなるだろうか。
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画質設定をできる限り高くしてプレイしてみたところ、さすがに戦闘時に敵を複数巻き込むような攻撃を放つと少しカクつく場面もあったものの、それ以外はほぼスムーズに動作していた。『ゼンレスゾーンゼロ』はPS5でプレイしてもカクつくことがあるくらい負荷の高いゲームということもあり、スマホで高画質設定にしてここまでスムーズなら十分性能は高いと感じた。
また、高負荷のゲームをプレイするときには発熱が気になるところ。S25 Ultraは内蔵のベイパーチャンバーが40%大型化したほか、放熱構造の改善により熱効率が20%向上しており、熱がこもりづらくなったという。
今は冬なので、寒いところでゲームをプレイする分には 「少し本体が暖かくなったかな?」 くらいの感覚しかなかったが、夏になって連日30℃越えの気温になってくると放熱構造はかなり重要になってくるはず。外でスマホゲームをプレイすることがある人は、このあたりの性能にも注目しておきたいところだ。
1日のはじまりはGalaxy S25で。今年も新機能がいっぱい
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今回のGalaxy S25シリーズは、AI機能もアピールポイントのひとつ。「次世代のGalaxy AI」 を搭載しており、便利なAI関連の新機能も複数登場している。
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人気の 「かこって検索」 には、音楽検索が追加。ホームボタンを長押しして音符マークをタップして音楽や鼻歌を聞かせることで、検索結果を表示してくれる。
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ユニークな機能としては、Geminiを使って複数のアプリを連携させるというものがある。これまでは特定のアプリでのみAI機能を使うことができたが、本機能は複数のアプリを行き来するような複雑なタスクも1回の指示で実行してくれる。
対応アプリはGoogleアプリに加えて、純正アプリのカレンダーや時計、Notes、電話アプリなど。サイドボタンを長押しして、たとえば好きなアーティストやスポーツチームのコンサートや試合スケジュールを検索して、カレンダーに追加してもらうまでを1回の指示で完了できる。Googleアプリでの検索内容を使った指示ができるため、かなり柔軟な対応が可能だ。
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そして、今回の新機能の中で筆者が気に入ったのは、ユーザーの生活パターンや好みをAIが分析し、時間帯別にまとめてお知らせしてくれる 「Now Brief」 という機能。たとえば朝には今日の睡眠の質がどうだったのか、今日1日の天気予報はどうなっているのかなどを表示し、夜にはその日のイベントのサマリーや撮影した写真、次の日の予定などを自動で表示してくれる。
これだけを文章で聞くと、「そんなのAIにやってもらわなくても自分でアプリを開いてチェックすればいいだけじゃん……」 と感じるかもしれない。しかし本機能の魅力は、本来であれば特定のアプリを開いてユーザー側で能動的に調べなければならない情報を1つの画面で一瞬で確認できることだ。
朝起きて 「Now Brief」 を開けば、天気予報や今日の予定のように1日を始める段階で絶対に必要な情報はもちろんのこと、忙しい朝にチェックしていられないような睡眠の質や朝のニュースなども一緒に確認できる。自分で頭を働かせてアプリをチェックしなくて良いことから、朝起きたばかりの寝ぼけているような状態でもすすすーっと情報を頭に入れることができる。
夜になると、その日にしたことのまとめを表示してくれたり、その日に撮影した写真・動画を表示してくれるため、朝からの出来事をざっくりと確認できる。筆者は1日中忙しくしていることも多いため、「そういえば今日こんな写真撮ったな」 と1日を振り返ることができる本機能は筆者の生活にピッタリの機能だった。
「Now Brief」 に表示する情報はユーザー側である程度指定できるほか、使い込んでいくうちにAIがユーザーを理解してどんどんパーソナライズ化してくれるという。
「AI」 という言葉が絡むと、一見高度な処理を想像する人が多いかもしれないが、日々大量の情報に晒されるようになった今日において、実際には 「Now Brief」 のようにユーザーに寄り添ったシンプルな機能ほど使いやすくて便利なのでは?と感じた瞬間だった。
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まとめ:「Galaxy S25 Ultra」 を10日間使ってみて筆者は何を思った?
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「Galaxy S25 Ultra」 を実際に使ってみて、高品質なカメラに加えて、最新ゲームもほぼ問題なく動作できる高性能なSoC、そしてSペンを使って手書きでの作業ができる点を踏まえて、やはり 「Ultra」 モデルは総合的に完成度の高いスマートフォンだと感じた。
筆者がS25 Ultraで一番心を惹かれるのが、望遠カメラで遠くの被写体も撮影できること。筆者の愛用するZ Flipシリーズは望遠カメラがなく、遠くを撮影できないのがいつも残念だと感じている部分なので、Ultraモデルをレビューすると 「望遠はやっぱりいいなぁ……」 といつも感じてしまう。さらに今回は超広角カメラの性能もアップしたので、広大な風景を広い画角で撮影するときには、ビックリするほどクオリティの高い写真を撮影できるはず。
内蔵チップのパフォーマンス、カメラ性能などすべての面で優れたスマートフォンを購入したいと考えているなら、いまの筆者のオススメは断然 「Galaxy S25 Ultra」 だ。
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ただ、そう思っている筆者が 「Galaxy S25 Ultra」 が購入するかというと、それは悩ましいところ。その理由は 「Galaxy Z Flip」 シリーズが好きだからだ。
リアカメラ+フレックスモード (デバイスを折りたたんで本体を固定した状態で利用できるモード) でどれだけ思い出写真を量産していることか。元々綺麗な風景を見つけて撮影することは好きだったが、その風景の中に自分を入れて撮影することが多くなったのは間違いなくZ Flipシリーズのおかげ。
今回登場した新しいAI機能も、おそらくは今年後半に登場するであろう新型Galaxy Z Flip/Z Foldシリーズにも搭載されるはず。
筆者は、1年半前に 「Galaxy Z Flip5」 を購入したため、今年新型モデルに買い替えるタイミングが訪れる予定だ。あまりの出来の良さに一瞬心奪われちゃいそうになった 「Galaxy S25 Ultra」 だったけれど、個人的にはZ Flipシリーズの新モデルにも期待したいなぁと思えた一台となった。
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