サムスン電子は現地時間1月17日、グローバル製品発表イベント 「Galaxy Unpacked 2024」 において、新型フラグシップスマートフォン 「Galaxy S24」 「Galaxy S24+」 「Galaxy S24 Ultra」 を発表した。
グローバルでは本日より予約受付が開始しており、出荷開始は1月31日を予定している。米国での販売価格は 「Galaxy S24」 が799.99ドル〜、「Galaxy S24+」 が999.99ドル〜、「Galaxy S24 Ultra」 が1299.99ドル〜。
日本での発売時期や価格は現時点ではアナウンスされていないものの、本日より 「Galaxy Harajuku (東京都渋谷区) 」 と 「Galaxy Studio Osaka (大阪・難波 なんばマルイ1F) 」 でグローバル版の実機が展示予定であるため、近いうちに投入されることになりそうだ。
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AI機能を盛り込んだ次世代スマホ 「Galaxy S24」 シリーズが発表
今回発表された「Galaxy S24」 シリーズ3機種は、いずれもGalaxyのフラグシップスマートフォン。昨年2月にグローバルで発売した 「Galaxy S23」 シリーズの後継モデルとして展開される。
ただし、順当なスペックアップが図られた単なる後継モデルとしてでははなく、AI機能をふんだんに盛り込んだ新時代のスマートフォンとしてアピールされている。
「Galaxy S24」 シリーズの大きな特長は、「Galaxy AI」 を新たに搭載したことで、オンデバイスAIとクラウドベースAIによる包括的なモバイルAI体験が可能になったこと。
スマートフォンとしては初の通話アプリでのリアルタイム双方向音声翻訳やテキスト化が利用できるほか、Googleの 「囲って検索 (Circle to Search) 」 を世界最速で搭載し、シンプルなジェスチャーでの検索ができるようになった。
また、カメラ機能もAIの搭載によりさらに進化を遂げており、ナイトグラフィー機能がアップグレード。暗い場所でズームしてもクリアな写真を撮影できる。
SoCには 「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxy」 を搭載。強力な冷却設計に加えて、ハードウェアとソフトウェアの改良により、高品質なゲーム体験を実現する。
Galaxy S24 Ultra
「Galaxy S24 Ultra」 は、S24シリーズの中で最上位にあたるモデルで、高性能なカメラやSペンが付属するのが特長だ。
本体には、Galaxy初のチタンフレームを採用したことで耐久性と寿命を伸長。持ったときの手触りもよりプレミアムさが感じられるように。
カラーラインナップはチタニウムグレー/チタニウムブラック/チタニウムバイオレット/チタニウムイエローの4色で、オンライン限定で追加カラーも発売する。
本体サイズは約79 × 162.3 × 8.6mmで、重量は約233g。本体にはスタイラス 「Sペン」 を内蔵し、必要な際に取り出して使うことができる。また、本体は引き続きIP68準拠の防水・防塵性能をもつ。
画面には、6.8インチのDynamic AMOLED 2X ディスプレイ(QHD+)を搭載し、端末端でラウンドするエッジディスプレイを引き続き採用。エッジディスプレイはよりフラットになったことでデバイスの厚みが軽減し、グリップ感が向上した。
ピーク輝度は2,600ニトと、Galaxy史上もっとも明るいディスプレイになり、屋外での視認性が向上するビジョンブースターも引き続き搭載。リフレッシュレートは1Hz〜120Hzに対応する。
ディスプレイのカバーガラスには 「Corning Gorilla Armor」 を新たに採用。反射率が一般的なガラスの表面に比べて最大75%低減しており、画面反射を最小限に抑えることで、画面の視認性が向上している。また、耐久性は競合他社のアルミノ珪酸塩ガラスと比較して、50%高くなっているという。
地球環境の負荷を軽減するため、内部および外部コンポーネントにはリサイクルによって作られたパーツを多く採用した。「Galaxy S24 Ultra」 では、バッテリーに50%以上の再生コバルトを、スピーカーには100%レアアースや40%以上の再生スチールを、サイドキーとボリュームキーには 10%以上のプレコンシューマーリサイクルTPUを使用した。
「Galaxy S24 Ultra」 は、背面に広角+超広角+望遠+望遠のクアッドカメラを引き続き搭載。
リアカメラ
広角:約2億画素 (F値 1.7, FOV 85˚)
超広角:約1,200万画素 (F値 2.2, FOV 120˚)
望遠(1):約5,000万画素 (光学5倍, F値 3.4, FOV 22˚)
望遠(2):約1,000万画素 (光学3倍, F値2.4, FOV 36˚)
インカメラ:約1,200万画素 (F値 2.2, FOV 80˚)
最大の変化は、新たに光学5倍ズームレンズを搭載したクアッドテレシステムを採用したこと。50MPセンサーと連動し、アダプティブピクセルセンサーによって2倍、3倍、5倍、10倍ズームを実現。3倍と5倍ズームは物理的な光学レンズによるもので、2倍と10倍ズームは物理レンズとAI機能拡張を組み合わせ、光学レンズと同等の画質を実現したものになる。また、デジタルズームの強化により、100倍でも鮮明な写真が撮影可能だ。
「Galaxy S24 Ultra」 のピクセルサイズは1.4μmに拡大しており、前モデルの 「Galaxy S23 Ultra」 と比較して60%大型化した。また、光学式手ブレ補正機能(OIS)の角度が広がったことで手ブレ補正機能が強化され、より安定した動画撮影ができるように。
暗い場所でも明るい写真が撮影できる 「ナイトグラフィー」 機能もAIを活用して強化。暗所でズームした際、これまで以上にクリアな写真が撮影できるように。
インカメラは引き続きシングルカメラで、画素数は約1,200万画素 (F値 2.2, FOV 80˚) 。
また、インカメラとリアカメラの両方に高度なノイズ除去アルゴリズムを搭載したほか、動画撮影時にジャイロスコープを解析して撮影者と被写体の動きを区別することで、より高度なノイズ除去もできるようになり、ノイズの少ない鮮明な動画が撮影可能だ。
搭載するSoCは、「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxy」 。NPUの向上により、効率的なAI処理を可能にした。
さらに、「Galaxy S24 Ultra」 は従来の1.9倍の大きさのベイパーチャンバーを備えた冷却システムを搭載したことで、ゲーミング時にデバイスの表面温度の上昇を抑え、長時間のゲームプレイが可能に。また、レイトレーシングにより影や反射をリアルに再現できるようになったのも注目ポイントだ。
バッテリー容量は5,000mAh。有線とワイヤレス充電の両方に対応しており、ワイヤレス充電はFast Wireless Charging 2.0をサポートし、最大15Wでワイヤレス充電ができるほか、他デバイスにワイヤレスで電力を供給するワイヤレスパワーシェアにも対応する。有線充電は45Wの電源アダプタに繋ぐことで30分で65%まで充電できる急速充電に対応する。
RAMとストレージの組み合わせは、12GB+256GB、12GB+512GB、12GB+1TBの3種類。OSは、Android 14/One UI 6.1。通信は5GとLTE、Wi-Fi 7、Bluetooth v5.3をサポートする。生体認証は、画面内指紋センサーと顔認証に対応。
Galaxy S24/S24+
「Galaxy S24」 と 「Galaxy S24+」 は、それぞれ6.2インチFHD+/6.7インチQHD+のDynamic AMOLED 2Xディスプレイを搭載したモデル。
本体サイズ・重量は、「Galaxy S24」 が約70.6×147×7.6mm/約168g。「Galaxy S24+」 が約75.9×158.5×7.7mm/約196g。カラーラインナップはどちらもオニキスブラック、マーブルグレー、コバルトバイオレット、アンバーイエローの4色で、オンライン限定で追加カラーも発売する。
「Galaxy S24」 と 「Galaxy S24+」 は画面のベゼルがスリム化したことで、画面サイズは従来と同じでもより大きな表示領域を実現。また、「Galaxy S24+」 は上位モデルの 「Galaxy S24 Ultra」 と同様にQHD+に対応した。
リフレッシュレートはどちらも1〜120Hzで、従来の48〜120Hzから下限値が下がっている。ピーク輝度は2,600ニトで、先代モデルの1,750ニトから高光量下でもより高い視認性が得られるように。
「Galaxy S24」 と 「Galaxy S24+」 は、背面カバーとサイドフレームがシームレスにつながるOne-massデザインを採用。また、従来は光沢のあるフレームを採用していたのに対し、「Galaxy S24」 と 「Galaxy S24+」 は洗練されたマットな仕上げになった。本体には強化されたアルミニウムを使用したことで、耐久性も向上している。
地球環境の負荷を軽減するため、内部および外部コンポーネントにはリサイクルによって作られたパーツを多く採用した。スピーカーには100%レアアースや40%以上の再生スチールを使用したほか、バッテリーには再生コバルトを使用。それぞれ 「Galaxy S24+」 のバッテリーには50%以上の再生コバルトが、「Galaxy S24」 のバッテリーには最低10%の再生コバルトが含まれているとのこと。
内蔵するSoCは、「Galaxy S24 Ultra」 と同じく 「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxy」 。
カメラは、背面に約5,000万画素の広角、約1,200万画素の超広角、約1,000万画素の望遠のトリプルレンズ、フロントに約1,200万画素のインカメラを搭載する。
リアカメラ
広角:約5,000万画素 (F値1.8, FOV 85˚)
超広角:約1,200万画素(F値2.2, FOV 120˚)
望遠:約1,000万画素(光学3倍, F値2.4, FOV 36˚)
インカメラ:約1,200万画素 (F値 2.2, FOV 80˚)
バッテリー容量は 「Galaxy S24」 が4,000mAh、「Galaxy S24+」 が4,900mAh。有線とワイヤレス充電の両方に対応しており、ワイヤレス充電はFast Wireless Charging 2.0をサポートし、最大15Wでワイヤレス充電ができるほか、他デバイスにワイヤレスで電力を供給するワイヤレスパワーシェアにも対応する。有線充電は 「Galaxy S24」 が25W、「Galaxy S24+」 が45Wに対応する。
RAMとストレージの組み合わせは、「Galaxy S24」 が8GB+256GB、8GB+512GB、8GB+1TBの3種類。「Galaxy S24+」 が12GB+256GB、12GB+512GB、12GB+1TBの3種類。
OSは、Android 14/One UI 6.1。通信は5GとLTE、Wi-Fi 7、Bluetooth v5.3をサポートする。生体認証は、画面内指紋センサーと顔認証に対応。なお、防水・防塵性能はIP68準拠。
注目のAI機能について
今回の新モデルは、サムスンとAI業界をリードするパートナーによる革新的な機能を組み合わせた 「Galaxy AI」 を搭載したのが大きな特長で、オンデバイスとクラウドベースで生み出す包括的なAI体験を実現する。
そのひとつが、通話アプリにおけるリアルタイムの双方向通話翻訳。同機能をスマートフォンで利用できるのはGalaxy S24シリーズが初めてとなる。
異なる言語を話すユーザー同士で通話した際に、相手や自分が発言した後にAIがすぐさま内容を翻訳し、翻訳した音声を相手や自分に届けつつ、テキスト化もしてくれる。翻訳はオンデバイスAIを活用しているため、常にプライバシーが保護されているのも安心できるポイントだ。発売時点での対応言語は日本語を含む13ヶ国語。
様々な言語でチャットしたいときに便利なのが 「チャットアシスト」 機能。Samsungキーボードに組み込まれたリアルタイムAIテキスト翻訳で、音声アプリの双方向通話翻訳と同様、日本語を含む13ヶ国語に対応する。
同機能はサードパーティアプリで使用することもでき、SNSの投稿やメールをはじめとした各種アプリで翻訳アプリをまたぐことなくスムーズな翻訳が利用できる。
また、SamsungキーボードのAIはシーンに合わせた最適な表現も提案する。会社の上司に宛てたメッセージなのか、それともSNSで目を引くような投稿内容を作りたいときなのか、AIがテキストを最適な表現にカスタマイズし、提案してくれる。
チャットアシスト機能は、Androidスマートフォンをカーナビなどに接続する 「Android Auto」 でも利用可能。友人からチャットで現在地を尋ねられたときにも、チャットアシスト機能が現在地や到着予定時刻などの返信を提案してくれるため、Android Auto上ですぐに返信可能だ。
Android Auto上でのチャットアシスト機能については、現時点で日本語への対応は未定だ。
ボイスレコーダーアプリやSamsung NotesアプリにもAI機能が導入。ボイスレコーダーでは、複数の参加者がいる会議を録音した際にも、文字起こしアシストを利用して文字起こしや翻訳を行うことができる。
Samsung Notesには、会議中や授業中にとりあえず簡単なメモを作ったとしても、その内容を綺麗にまとめてくれるノートアシスト機能が搭載。タイトルや表紙も作ってくれるため、目的のノートを一覧からすぐに見つけ出すことが可能だ。
Galaxy S24シリーズは、Googleの 「かこって検索 (Circle to Search) 」 を初めて搭載するスマートフォンとなる。ホームボタンを長押しして、動画や画像などの検索したい部分を丸で囲んだり、タップするだけで、アプリを離れることなく検索結果を見ることができる。検索内容についてさらに詳細を知りたい場合は、AIに続けて質問することも可能だ。
撮影した写真や動画の編集もAIにおまかせ。「Galaxy AI 編集ツール」 を使えば、オブジェクトの消去や構図変更、フォトリマスターなどの編集が簡単にできてしまう。
編集サジェスト機能がGalaxy AIを使用してオススメの編集を提案してくれるほか、生成AIを使って背景の一部を塗りつぶすことができる。傾いている写真を真っ直ぐに直したいときなどに便利だ。
人物やオブジェクトの位置を微調整したいときには、AIがオブジェクトの位置を調整し、元の場所の背景もAIが生成してくれるため、完璧に融合された写真に仕上げることが可能。
動きの激しい動画をスローダウンしたいときには、インスタントスローモーション機能が便利。動きに基づいて追加のフレームを生成し、アクションの瞬間をスムーズにスローダウンしてより詳細な映像に仕上げることができる。
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(画像提供:Samsung)