
米Apple Musicの人気番組「The Zane Lowe Show」に、シンガーソングライターの藤井風氏が出演し、米カリフォルニア州で開催された音楽フェス「Coachella Valley Music and Arts Festival」でのパフォーマンスや、新作アルバム『Prema』について語った。
収録はロサンゼルスのApple Music Studioで行われ、ホストのゼイン・ロウ氏との対談形式で進行した。
番組内で藤井氏は、コーチェラのMojaveテントでのステージについて「すべてに感謝している」と振り返り、来場者や共演したバンドメンバーへの謝意を示した。海外フェスならではの初見の観客との出会いにも言及し、新しいリスナーとつながる体験を前向きに受け止めている様子を見せた。
コーチェラでの手応えと新たな出会い
対談では、コーチェラ出演がキャリアにおける「再スタート」のような側面を持つという話題も挙がった。ゼイン・ロウ氏が、既存ファンに加えて初めての観客に自身の音楽を届ける機会になると指摘すると、藤井氏もこれに同意。初対面のオーディエンスと直接つながる感覚を楽しんでいると語った。
また、ステージ体験については、観客を「群衆」としてではなく「一人の人間」として捉えていると説明。大規模な会場でも個人的で親密なコミュニケーションを感じているとし、言語を超えた感覚的なやり取りを重視している姿勢を明かした。
初の全編英語アルバム『Prema』の制作背景
新作『Prema』については、自身初となる全編英語アルバムである点に触れ、「長年の夢が実現した」と語る一方で、制作には大きな緊張も伴ったと振り返った。
サウンド面では、1980年代の大規模なプロダクションや夏の空気感、ノスタルジックな質感を志向。従来は現代的な音像に合わせる意識があったとしつつ、今回はそうした制約を意識的に外し、「自分が聴きたい音楽」を基準に制作したと説明した。プロデューサーとしては客観性を保ちつつ、自身を “楽器のように扱う” 感覚で制作に向き合ったという。
影響源としては、R&BプロデューサーデュオのJam & Lewisを挙げ、彼らの作品に見られるストーリー性や多彩さ、そして統一感のあるエネルギーに強い共感を示した。ソウルフルでありながらキャッチーかつ革新性を持つ点に魅力を感じていると語っている。
制作プロセスでは、サウンドプロデューサーとの協働を重視。ピアノとメロディー、歌詞の基礎を担いながら、方向性やリファレンスを共有し、他者の知識や発想を取り入れる形で楽曲を仕上げているという。コミュニケーションにおいては具体的な言語化にこだわらず、雰囲気や感覚を共有することを重視し、自身の意図を汲み取ってくれる相手との協働を理想とした。
パフォーマンス観については、自身の意思というよりも「導かれている感覚」に近いと語り、もともとはスタジオでの制作志向が強かったことにも言及。大規模会場でのライブについても、観客とスピリチュアルに交流するような感覚で臨んでいるとし、独自のスタンスを垣間見せた。
インタビューの全編はApple Musicのサブスクリプションで視聴可能で、「The Zane Lowe Show」にてオンデマンド配信されている。
(画像提供:Apple)
