
富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は10月22日、PC周辺機器の新ブランド「FMV Accessory」を発表し、第1弾製品としてキーボード「FMV Keyboard X」とエルゴノミクスマウス「FMV Mouse X」を公開した。キーボードは3万3,000円、マウスは1万6,500円で、いずれも10月下旬から順次販売を開始する。
FCCLはこれまで培ってきたPC開発のノウハウを周辺機器にも生かし、キーボードによる文字入力やマウスによる操作、ディスプレイの表示までを一体のワークスペースとして捉え、デスクでの作業を快適にする製品づくりを目指す。
背景にあるのは、日本の住環境では広い作業スペースを確保しにくく、限られたデスクで効率よく仕事を進める工夫が求められていることだ。長時間のデスクワークによる疲労も課題となっており、FCCLはPC本体だけでなく、日常的に使う周辺機器の形状や操作性にも目を向けた。
ブランドの第1弾を飾る「FMV Keyboard X」は、こうした取り組みの出発点となった製品でもある。先行して実施されたクラウドファンディングでは、支援総額が7,491万9,827円に達し、2,921人のサポーターを集めた。打鍵感の良さや日本語配列の使いやすさが支持され、今回のブランド立ち上げと正式な市販化につながった。
約7,500万円を集めたFMVのキーボードが正式発売へ。周辺機器ブランド「FMV Accessory」立ち上げ

「FMV Keyboard X」は、84キーの日本語配列を採用したコンパクトなキーボードだ。限られたデスクスペースでも使いやすいよう、本体の外枠周辺の余白を0.1mm単位で見直し、設置面積を抑えた。モバイルノートPC「FMV Note U」の開発で培った配列設計を取り入れ、独立したカーソルキーや、指の形状に沿うようにくぼみを設けたシリンドリカルキーキャップを採用している。キーピッチは約19mm、キーストロークは約3mmで、ノートPCに慣れたユーザーも違和感なく使える操作感を目指した。
キースイッチには、磁石とセンサーでキーの押し込みを検知する静音磁気スイッチを採用した。物理的な接点を持たない構造で、1億回以上の打鍵に耐える耐久性を備える。キーが反応する深さを調整できるアクチュエーション調整機能も搭載しており、入力の速さや正確さに合わせて設定を変更できる。
設定は、誤入力を抑えたいときに適した深めの設定、ノートPCに近い打鍵感を得られるおすすめ設定、軽い力で素早く入力できる浅めの設定という3種類のプリセットを用意した。キーボードマイスターの藤川英之氏が監修しており、使い方や好みに応じて選べる。

打鍵音やキーを押したときの感触にも工夫を加えた。独自に調整した静音キースイッチに加え、内部基板をクッション素材で挟み込むガスケットマウント構造を採用。キーを押した際の衝撃や振動を抑え、静かな環境でも使いやすい設計とした。また、キーキャップの表面には、加水分解に強い非エステル系の良触感塗装「ネオラバサン」を施している。長く使い続けてもベタつきが発生しにくく、指が触れたときの感触やグリップ感を保ちやすいという。
入力機能では、キーを押し続けている状態から離した際の反応を細かく制御できるラピッドトリガーに対応するほか、複数のキーを同時に押したときも入力を正確に認識するNキーロールオーバーを備える。
接続方式は、USB Type-Cによる有線接続、専用の「FMV Link Receiver」を使った無線接続、Bluetooth 6.1の3種類。有線接続中は充電しながらUSBキーボードとして使用できる。本体サイズはチルトスタンド収納時で幅299.0mm×奥行き118.5mm×高さ27.6mm、スタンド使用時の高さは35.9mm。重量は約600gとなっている。
内蔵リチウムイオン電池を搭載し、バックライト消灯時の駆動時間は約1カ月、点灯時は約8時間。コンパクトな本体に調整機能や無線接続を盛り込み、仕事用のキーボードとして長く使うことを想定した仕様となっている。

「FMV Mouse X」は、手になじむ形状と操作のしやすさを追求したエルゴノミクスマウスだ。形状の設計には500人以上の日本人の手の寸法データを活用し、3Dプリンターによる試作と検証を30回以上繰り返した。手の大きさが異なるユーザーにも自然にフィットする形状を目指している。

本体重量は約70g。センサーは最大8,000DPIに対応し、100DPI単位で感度を調整できる。センサーを本体前方に配置した設計も特徴で、マウスを大きく動かすスペースがない環境でも、手首の小さな動きでポインターを操作しやすくした。デスクが狭い場合や、複数のウィンドウを行き来しながら作業する場合にも使いやすい構成だ。
左右のクリックボタンには、FMV Keyboard Xと同様に磁気スイッチを採用した。メインホイールとサイドホイールにも磁気センサーを搭載しており、キーボードとマウスの両方で磁気を利用した入力機構を取り入れている。

操作ボタンの配置も、日常的な使い勝手を考慮して設計した。親指が自然に届く位置にサイドボタンとサイドホイールを配置し、マウスを握り直したり、指を大きく動かしたりする手間を減らしている。サイドホイールを使えば、Webページや横長の資料などを横方向にスクロールできるため、表計算ソフトや画像編集ソフトを使うときにも役立つ。

左右のクリックボタンやホイールクリックなど、計6個のボタンは専用ソフト「FMV Accessory App」から機能を割り当てられる。作業内容に合わせて設定を変更できるほか、本体底面にはDPI切替ボタン、接続モード切替ボタン、ペアリングボタン、無線レシーバーを収納するカバーを備えた。感度や接続先を必要に応じて変更できるよう、設定に関わる操作部も本体にまとめている。
FMV Mouse Xでは、新機能「FMV Link」にも対応する。キーボードまたはマウスの接続先を切り替えると、同じレシーバーに接続されたもう一方の機器も連動して切り替わる仕組みだ。仕事用と個人用のPCを使い分けている場合、それぞれの周辺機器を個別に操作する手間を減らせる。複数のPCを並べて作業する環境で、キーボードとマウスの接続先をまとめて管理しやすくする機能となっている。

接続方式はUSB Type-Cによる有線接続、無線レシーバー、Bluetooth 6.1に対応する。内蔵リチウムイオン電池を搭載し、連続動作時間は約30〜70日間。本体サイズは縦109.5mm×横65.4mm×高さ38.4mmで、トップカバーにはFMV Keyboard Xと共通の良触感塗装を施した。
価格はFMV Keyboard Xが税込3万3,000円、FMV Mouse Xが税込1万6,500円。新ブランドの立ち上げを記念し、10月22日から11月6日までデビューキャンペーンを実施する。直販サイト「FMV Store」と全国の家電量販店で本体価格から10%割引となり、キャンペーン期間中はFMV Keyboard Xが税込2万9,700円、FMV Mouse Xが税込1万4,850円で購入できる。

