サムスン電子取材の合間に韓国パビリオン見学。AI活用の参加型展示や3面スクリーンの没入体験が印象的

7月18日、サムスン電子のパネルディスカッションを取材するため大阪・関西万博会場を訪れた際に、空いた時間を使って韓国パビリオンを見学することができた。

韓国パビリオンのテーマは「With Hearts(心を合わせて)」。敷地面積約3,500㎡、3階建ての建築は鉄骨鉄筋コンクリート造で、韓国のUIA設計事務所と日本の日企設計が共同で設計したという。

建物正面には幅27メートル・高さ10メートルの大型LEDメディアファサードが設置され、韓国の四季や文化、先端技術などを映し出している。夜間はライトアップで幻想的な雰囲気が演出される。

パビリオン内は3つの展示ゾーンに分かれている。第1館「音と光を集め、みんなが一つに」では、来場者の声を録音し、AIが音楽に変換する仕組みになっている。132本のムービングライトと41台のスピーカー、4台のウーファーが連動し、空間全体が光と音楽で満たされる。

実際の体験としては、第1館に入る前の待機空間ブースで「私たちに一番大切なものは何でしょう?」という問いかけに自分の言葉で回答すると、その回答がAIによって他の来場者の回答と混じり合って音楽が生成される。

回答内容は参加する人によって言語も内容も異なるため、生成される音楽は毎回異なる。人々の声が重なるごとに音楽も盛り上がっていき、まるで共鳴するように響き渡る感覚は非常に新鮮だった。

現代文明を象徴するコンクリートと日常的に使われてきた道具が主要オブジェとして展示されている第2館「荒廃した都市から命の回復へ」では、水素燃料技術を活用した参加型の演出が展開される。

展示空間に設置されたパイプに来場者が息を吹き込むと、呼気に含まれる酸素と水素燃料電池の水素が結合し、シャボン玉のような水になって天井から降り注ぐ。その水が足元のコンクリートの上に落ちることで、命の芽が誕生するという演出だ。

現代の機械文明で荒廃化した都市に、韓国の水素燃料電池技術と来場者の呼気によって緑が芽生える。視覚的にも美しく、環境や持続可能性へのメッセージが自然に伝わってくる展示だった。

第3館「同じ時間の中の旋律」は、3面大型マルチスクリーンを使った没入型の展示だ。

祖父の未完成の曲を未来で孫娘が完成させるミュージカル作品を通じて、共同体意識など韓国文化の根元となる文化的なキーワードや、「今の時代の大切な価値」が未来へと受け継がれるというメッセージを観客に伝えている。

ストーリーの途中から展開されるK-POPの歌やダンスの演出は迫力があり、筆者も最後まで見入ってしまった。

サムスン電子のパネルディスカッション取材の合間に、やや寄り道気味に立ち寄った韓国パビリオンだったが、AI技術を活用した参加型展示や没入型体験は取材中の合間の時間にも印象に残る体験だった。

ちなみに、パビリオンの隣には韓国料理レストランもあり、参鶏湯やキムチ、ヤンニョムチキンなど本場の韓国グルメが楽しめる。お腹が空いていたらぜひ立ち寄ってみてはどうだろうか。

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