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Echo Show 5 (第3世代) レビュー|どんなことができる?デザインが刷新されたエントリー型Echo Showを試す

アマゾンジャパンは、「Echo Show 5 (第3世代)」 を国内で8月8日(火)に発売する。

本製品は、先代モデルからデザイン面で一部刷新が行われたほか、内蔵プロセッサをAZ2 Neural Edgeにアップグレードしたことで処理性能が向上。さらに、スピーカーやマイクの性能を向上させるなど ”第3世代” らしく、より洗練された製品になっている。

発売に先駆けて、アマゾンジャパンより 「Echo Show 5 (第3世代)」 の実機を貸与してもらい、実際に使用することができた。本記事では同製品の使用感をレビューとしてお伝えできればと思う。

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デザイン

さっそく 「Echo Show 5 (第3世代)」 を詳しくチェックしていこう。

まずはデザインから。「Echo Show 5 (第3世代)」 は、Amazonが展開するスマートディスプレイ 「Echo Show」 のなかでも、もっともコンパクトな 「Echo Show 5」 シリーズの最新モデルに相当する製品だ。サイズ感はちょっと大きめのアラームクロックという感じ。PCデスクや食卓など家庭のさまざまな場所に置くのに適した、コンパクトなサイズ感が特徴だ。

  Echo Show 5 Echo Show 8 Echo Show 10
147mm 200mm 251mm
高さ 82mm 130mm 230mm
奥行き 91mm 99mm 172mm
重量 456g 1,037g 2,560g

ディスプレイの大きさは対角5.5インチ。解像度は960 x 480ピクセル、画面比率は2:1。

  Echo Show 5 Echo Show 8 Echo Show 10
画面サイズ 5.5インチ 8インチ 10インチ
解像度 960 × 480 1280 × 800 1280 × 800

画面には、天気予報やニュースなどさまざまな情報を表示することができるほか、スマートカメラのRingを介して玄関先の映像を表示させたり、内蔵するカメラを利用して単体でビデオ通話することも可能だ。

先代モデルから変化があったのは、画面四隅が丸みを帯びたこと。これまでは完全なる四角形だったが、画面端が丸みを帯びたことでデザイン全体により柔らかな印象がもたらされた。リビングなどに置くことが多いデバイスなので、地味だが他の家具との調和という意味でも重要な変化と言えるだろう。

柔らかさという意味では、背面のファブリックが本体上部にまで広がったのもひとつのポイント。よりシームレスなデザインへと変化している。

本体上部には、手動での操作するための各種ボタンが搭載されている。左からミュートボタン、ボリューム調節ボタン、内蔵カメラを遮断するシャッタースイッチが搭載されている。シャッターはスライドで物理的にカメラを遮ぎる仕組み。アナログだが、直感的で確実にプライバシーを守れるため安心だ。

背面は、電源ケーブルを挿入する穴のみのシンプル設計。先代モデルに搭載されていたメンテナンス用micro USBポートが今モデルから廃止されている他、第1世代のみに搭載されていた3.5mmステレオジャックも搭載されていない。

上記画像は、「Echo Show 5 (第3世代)」 の下を撮影したもの。置いた場所からズレることのないようにゴム製の滑り止めが配置されていて、コードを軽く引っ張った程度では動かないためテーブルやデスクの上に置いておいても安心して使うことができるはずだ。

本製品のディスプレイはタッチ操作に対応しているため触って操作することが可能だが、実際には触って操作することよりも音声で操作することが多い。

音声で操作するには、Amazonの音声アシスタント 「アレクサ (Alexa)」 を使用する。他のEchoデバイスと同じように 「アレクサ、XXXをして」 と言えば、天気予報を教えてくれたり、ニュースを読み上げてくれたり。自宅に設置したスマートホーム機器を遠隔で操作することもできてしまう、なんとも賢いデバイスだ。そのほかにも画面に表示できるものは色々ある。たとえば、時計や買い物リスト、さらには再生中の楽曲情報などだ。

使い方はさまざまだと思うが、筆者は主にキッチンタイマーとして本製品を利用することが多い。パスタの茹で時間を間違わないようにタイマーを表示させたり、はじめての料理を作るときはクックパッドを開いてレシピを表示させたり。防水性がないので水回りには適さないが、キッチンカウンターに置いておけば水没故障することもないだろう。

また、「Echo Show 5 (第3世代)」 は内蔵する画面を利用しビデオ通話をすることも可能。Ringなどから送られるカメラやドアベルの映像を確認することもできる。

若いユーザーがEchoデバイスを利用してビデオ通話をする機会はあまり多くないのかもしれないが、スマートフォンの操作に自信のないシニア層も、音声操作機能があれば簡単にビデオ通話ができるので、実家から離れて生活している人には見守りや近況報告用デバイスとして個人的にはオススメだ。

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プロセッサ

プロセッサには、新たに 「AZ2 Neural Edge (MediaTek MT8169B)」 が搭載。先代モデルにくらべて処理速度は20%向上しているという。

Alexaの呼び出し速度や応答速度等は、先代モデルから大きな変化はない。ただし、画面をタッチしてさまざまな操作していると、確かにアプリの切り替えなどが先代モデルよりもすこしばかりスムーズになった印象を受けた。

先代モデルは、あれこれと操作しているとたまにアプリが落ちてしまうということもあったが、「Echo Show 5 (第3世代)」 ではそういった現象はいまのところ起きていないため、動作の安定性については先代モデルよりも向上したのかなと個人的には感じている。

ちなみに、「Echo Show 5 (第1世代)」 と 「Echo Show 5 (第2世代)」 には同じプロセッサが搭載されているため、性能の向上具合は第1世代→第3世代も、第2世代→第3世代も同じということになる。

もちろん買い替えを推奨するほど大幅に性能が向上しているわけではない。ただし、もし動作のモタツキが気になるなら、プロセッサだけでなくスピーカーやマイク性能などさまざま進化しているわけだし、最新モデルへの買い替えも検討しても良いのではないだろうか。

スマートホーム (Matter)

定型アクションは手動で実行することも可能

「Echo Show 5 (第3世代)」 は、Alexaに対応したスマートホームデバイスを音声で操作することが可能だ。「Alexa」 アプリで各スマートホームデバイスを連携することで、あとは音声 (あるいはアプリ経由) で遠隔操作することができる。

また、スマートホームデバイスの標準規格 「Matter」 にも対応しており、対応したスマートホーム製品のセットアップが簡単にできるようになっている。現時点ではMatterに対応した製品が少ないため、あまり恩恵を感じることはできていないが、今後Matterに対応したスマートホーム製品が出てきたときに役に立ってくれるはずだ。

遠隔操作できるデバイスは多岐にわたるが、筆者の環境では 「Philips Hue」 などのスマート照明や、Tp-Link社のスマートプラグ。さらには、温度計/湿度計やスマートリモコン、自動お掃除ロボットや空気清浄機などと連携し、自宅を半オートメーション化している。定型アクションを組むことで、声ひとつで水槽の照明のオン/オフやお手入れも簡単にできるので、かなり重宝している。

正直なところiPhoneやMacなどを多用している筆者としては、Homeアプリ (HomeKit) を利用してスマートホームを組みたいところもあるのだが、実際のところAppleのスマートホームの枠組みに対応している製品がまだまだ少ないためスマートホームを構築するのは難しく、現状ではAlexaが一番便利に感じている。

スピーカー (音質)

Amazonによれば 「Echo Show 5 (第3世代)」 には、1.75インチ (44mm) のフルレンジスピーカーが搭載されており、クリアなボーカルと深みのある低音で、より高音質なサウンドを実現している。

  Echo Show 5 Echo Show 8 Echo Show 10
スピーカー 1.7インチ ×1 2.0インチ ×2 1.0インチツイーター ×2
3.0インチウーファー

実際、先代の 「Echo Show 5 (第2世代)」 と音を比較してみると、確かに低音が強化されたことで迫力が感じられた。また、ボーカル含め中音域がよりハッキリと聴こえるようになったことで、全体的にパリッとした印象の音になっていた。楽曲を再生するだけではなくYouTube動画を視聴する際にも、話者の音声がよりクリアに聴き取りやすいというメリットも。

とはいえ、スピーカーが1基しか搭載されていない関係で、やはり2基以上のスピーカーを搭載する上位モデル 「Echo Show 8」 や 「Echo Show 10」 に比べると力不足を感じる場面もあった。もちろん先代モデルに比べると音は良くなったと言えるが、単体での音声品質を求めるなら 「Echo Show 8」 などの上位モデルを選んだ方が良いのかもしれない。

もしくは 「Echo Show 8」 を2台購入してステレオペアを組むのも有効だろう。イコライザー機能を利用することで、自分好みの臨場感あふれる音に変えることもできるだろう。

マイク

Alexaに天気やニュースを聞いたり、Amazon Musicのお気に入りのプレイリストを再生してもらったり、料理中に3分タイマーをお願いしたりするには、遠くからでもユーザーの指示が聞き取れるマイク性能が必要だ。

「Echo Show 5 (第3世代)」 はマイクが増設されたことで、Alexaの反応感度が向上しているという。どれほど感度が良くなったのか、自宅のキッチンで実験してみた。

筆者の自宅には、先代モデルの 「Echo Show 5 (第2世代)」 がキッチンから2メートルほど離れたところに置いてあるのだが、お肉をジュージュー焼いたりと調理音が大きくなると、「アレクサ!」 というウェイクワードには反応するものの、その後の指示がきちんと聞き取れていないことがあった。

しかし、「Echo Show 5 (第3世代)」 は調理音が大きくなっても筆者の声をきちんと聴き取れていたようで、指示通りにいまの天気を教えてくれたり、キッチンタイマーをセッティングしてくれていた。今回は時間の都合で検証できなかったが、別の部屋に音声メモを伝える 「呼びかけ」 も、もっとクリアな音声を届けることができそうだ。

内蔵カメラでビデオ通話ができる

「Echo Show 5」 にはカメラが内蔵されていて、指定したユーザーとビデオ通話が可能だ。ビデオ通話は、「アレクサ、◯◯ (通話したい人の名前) にかけて」 とEcho Show 5に話しかけることで開始することができる。

カメラの画素数は2MPで、ハイエンドスマートフォンのような高画質で映像を撮ることはできないものの、通話相手と顔を見て話をする分には十分な性能だ。「Echo Show 10」 のように話している人を自動で追従する機能は搭載されていないものの、カメラの視野角はそれなりに広く、マイクの音声を拾える範囲もそれなりにあるため、Echo Showとの位置はあまり気にせず会話することが可能だ。

以前、アマゾンジャパンが実施した「Echo Show」 のポップアップショップを取材した際、Echo Showを2台購入し、1台を自宅に、もう1台を実家に設置することで見守り用デバイスとして活用できると聞き、筆者も実家にEcho Showを設置している。デジタル機器に詳しくない筆者の母でも気軽にビデオ通話をかけてくれるので、同じような境遇の方は導入を考えてみてはどうだろうか。

動画を見る/Ring経由で自宅の様子をリアルタイムで確認

YouTubeでニュース番組も視聴できる。ただし画面比率が2:1なので一部見切れる部分もある

「Echo Show 5 (第3世代)」 には画面が搭載されているため、Prime VideoやYouTubeの動画を視聴することができる。

5.5インチと画面が小さく、画面の比率も2:1とやや中途半端なので映画やドラマなどを長々と視聴するのには向いていないかもしれないが、作業の片手間でちょっと動画を見るなどの “ながら用途” には十分に使用できる。野菜の皮剥き作業や、フライパンの上に置いたお肉が焼けるまでのちょっとした待機時間に筆者はたまに動画を流して視聴している。

Prime VideoやYouTubeの視聴は、画面を上から下にスワイプしたときに表示されるメニュー画面の中にある 「ビデオ」 から可能だ。

Ringデバイスを持っているなら、Echo Show 5に 「アレクサ、玄関を見せて」 のようにデバイスの名前を伝えることで、リアルタイムで映像を確認することも可能だ。

玄関にドアベルを設置しているなら、荷物を持ってきた配達員さんともスムーズにコミュニケーションを取ることができるはずだ。Ringのレビュー記事は以下から。

そのほか、Echo Show 5ができること

壁紙変更中の画面

Echo Show 5は、上記で紹介した以外にも、アレクサに色々なことをお願いすることで実に色々なことができる。

たとえば、アラームを設定したり、カレンダーを連携して明日の予定を聞いたり、買い物リストを作ったり。部屋のエアコンを声で操作したり、赤外線リモコンを別途設置することでAlexaやMatterに対応していないエアコンやテレビも遠隔で操作することが可能だ。

画面が搭載されているおかげで、時刻や天気予報などを常に表示させられるのも基本的な部分ながら重要ポイントのひとつだ。筆者はよく調理中に時刻を確認するのに重宝している。

また、「人検知による定型アクション」 も面白い機能。アレクサが人の在宅・不在の状況を自分で判断し、そのシチュエーションに合わせたアクションを設定しておくことで、自動で操作を実行してくれる。

Echo Show 5の場合はカメラを使って在宅・不在をチェックする仕組みで、人が部屋に入ってきたことを検知して自動で音楽を流したり、人がいなくなったことを検知して照明を消すなどの用途に利用できる。筆者の場合はよく電気の消し忘れをしてしまうので、「人検知」 機能はかなり役立っている。

まとめ

「Echo Show 5 (第3世代)」 は、デザインが変化したことに加えて、プロセッサやスピーカー、マイクの性能が向上したことで、先代モデルよりも便利に使えるようになった。

筆者が嬉しかったのは、マイクの改良によりアレクサの反応感度がいくらか向上したこと。両手が塞がる調理中に声だけで指示ができるのはやはり便利で、しかも聞き取りの精度が向上したことで、アレクサとよりスムーズにやりとりできるようになった。「アレクサ、3分計って」 「すみません、ちょっと聞き取れませんでした」 となる機会は多少減るはず。

Echo Show 5は、現在販売中のEcho Showシリーズのなかではエントリーモデルにあたるデバイスということで、一部機能が使えなかったりと若干劣る部分はもちろんあるものの、スマートディスプレイの基本的体験としては大幅に違うわけではないので、Amazonのスマートディスプレイを安く導入したい人や、コンパクトなスマートディスプレイが欲しいという人にはオススメのデバイスだ。

記事中で何度か触れたように、見守り用デバイスやセキュリティカメラの確認用モニターとして、そしてスマートホームハブなど多岐にわたって活躍してくれるため、気になる方はぜひ本製品をチェックしてみてほしい。

Echo Show 5 (第3世代) は、9,980円(税込)で購入できる。発売日は本日8月8日で、すでに予約購入した人の元には本日より順次デバイスが届く予定だ。