Appleが開発者向けに貸し出しているDeveloper Transition Kit (Mac mini) の写真が、一部のデベロッパーによって公開されている。また同時に、同デバイスに搭載されているA12Z Bionicプロセッサのベンチマークスコアも現地時間29日に投稿された。
Developer Transition Kitのベンチマークスコアが明らかに
Appleは今月22日に開催したWWDC基調講演で、MacのARM化計画を明らかにした。ARMベースカスタムチップを搭載したMacは今年年末から登場し、今後2年間ですべてのMacを置き換えていく計画だ。
そしてIntelチップからARMカスタムチップへの移行に際して、開発者向けにApple Siliconを搭載したMac mini (Developer Transition Kit) がAppleから貸し出されている。
そのDeveloper Transition Kitが徐々に開発者の手元に届きはじめており、一部デベロッパーがTwitterに写真を投稿している。以下がその写真だ (img via @radexp) 。
このDeveloper Transition Kitは、Mac miniにAppleが開発するARMベースカスタムチップ 「A12Z Bionic」 プロセッサを搭載したモデル。RAM容量は16GBで、アプリ開発のために使用する製品になっている。
開発者はAppleに500ドルを支払うことでこのデバイスを利用することができる(要返却)。もちろん日本のユーザーも利用することが可能だ。
同デバイスのベンチマークスコアが計測、公開されている。本来は規約でベンチマークスコアの公開は許可されていないはずだが、やはり投稿したユーザーがいたようだ。
公開されたベンチマークスコアはMac向けGeekbenchを利用して計測したもの。シングルコアスコアは736~844、マルチコアスコアは2582~2962程度となっていて、数字上では現行Macに比べて(一部のMacを除いて)性能が低く出ているようだ。
ただしこの数字は、「Rosetta 2」 によってGeekbenchを動作させたことが影響している可能性がある。「Rosetta 2」 とは、Apple Silicon搭載MacにおいてIntelプロセッサ向けアプリをエミュレートするための機能で、ネイティブで対応しているものではない。つまり、Apple Silicon搭載モデル向けに開発されたベンチマークスコアが登場しない限り、正確なスコアが出てこないということになる。ちなみに一部開発者は、「Rosetta 2」 を使用することで70%程度のパフォーマンスに落ちてしまうことを報告している。
また、Geekbenchに掲載されている情報によれば、Developer Transition Kitに搭載されているA12Z Bionicプロセッサの動作周波数は2.4GHzであることがわかった。A12Z Bionicの本来の動作周波数は2.5GHzだが、あえて0.1GHz分だけ落としている理由は明らかになっていない。さらに同プロセッサは高効率4コア、高性能4コアで構成されているが、Developer Transition Kitに搭載されたA12Z Bionicチップはそのうち高効率コアが動作していないようだ。
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