まもなく発売予定のプロユーザー向けデスクトップ端末「iMac Pro」。同製品は、2017年12月に発売するとアナウンスされていながら、12月5日現在で発売日に関するアナウンスが未だされていない。
一部情報では発売延期説や12月18日に発売説が登場しているが、これらが本当かどうかは不明。おそらく「iMac Pro」の購入を決めている方は、発売がいつになるのかヤキモキした気持ちでお過ごしのことと思う。
CEOティム・クック氏の言葉を信じるなら、同製品は年内の残る25日のどこかで発売することになる。発売が徐々に迫ってきていることもあり、当記事では「iMac Pro」と「iMac」シリーズについて比較してみたいと思う。購入するかどうか迷っている方は参考にしていただければ幸いだ。
「iMac Pro」の概要紹介
比較表をご覧いただく前に、「iMac Pro」の製品の特徴についてサラッと紹介しておきたい。
2017年6月に発表された「iMac Pro」は、最大18コアのXeonプロセッサが搭載された超高性能なデスクトップ端末だ。ストレージには最大4TBのSSD、グラフィックにRadeon Pro Vega 56グラフィックプロセッサ(8GB HBM2メモリ)もしくはRadeon Pro Vega 64グラフィックプロセッサ(16GB HBM2メモリ)が搭載されるなど、まさに化け物性能。
「Thunderbolt 3」ポートも4つ搭載されているので、2台のRAIDシステムと接続しながら、2台の5Kディスプレイに画面を同時出力することができる。
本体デザインは既存の「iMac 5Kモデル」とほぼ同じ。こんな化け物スペックなデバイスでありながら、端末サイズが「iMac 5Kモデル」と同じで、重量もさほど変わらないというのが驚きだ。
本体色にはスペースグレイカラーが採用されており、ファンの購入欲を掻き立てる憎い仕様。付属する「Magic Keyboard」や「Magic Mouse 2」「Magic Trackpad 2」も全てスペースグレーカラーになる。こんなクールな端末が自身のデスクトップにあったらと考えたら、購入を検討しないわけにはいかないだろう。
価格・スペック比較表
以下が、スペック・価格の比較表。左から「iMac Pro」「iMac 5Kモデル」「iMac 4Kモデル」「iMac(非Retinaモデル)」となっており、注目するべき点は赤文字にしておいたので要チェック。ちなみに、同製品の仕様は今後変更される可能性があるとのことなので、あくまで参考ということで。
iMac Pro | iMac 5Kモデル |
iMac 4Kモデル |
||
---|---|---|---|---|
ディスプレイ | 27インチ (P3 広色域ディスプレイ) |
21.5インチ (P3 広色域ディスプレイ) |
21.5インチ | |
解像度 | 5,120 x 2,880 (5K) | 4,096 x 2,304 (4K) | 1,920 x 1,080 (非Retina) | |
プロセッサ | 8コアモデル ・Intel Xeon 8コア (TB使用時:最大4.2GHz) 10コアモデル 14コアモデル 18コアモデル |
3.4GHzモデル Intel Core i5 4コア (TB使用時:最大3.8GHz) 3.5GHzモデル 3.8GHzモデル |
3.0GHzモデル ・Intel Core i5 4コア (TB使用時:最大3.5GHz) ・Intel Core i7 4コア (TB使用時:最大4.2GHz) 3.4GHzモデル |
Intel Core i5 2コア (TB使用時:最大3.6GHz) |
ストレージ |
SSD |
3.4GHzモデル 3.5GHzモデル 3.8GHzモデル |
3.0GHzモデル 3.4GHzモデル |
HDD:1TB |
メモリ |
32GB/64GB/128GB |
3.4GHzモデル 8GB/16GB/32GB 3.5GHz・3.8GHzモデル |
3.0GHzモデル 8GB/16GB 3.4GHzモデル |
8GB / 16GB |
グラフィック |
Radeon Pro Vega 56 (8GB HBM2) / Radeon Pro Vega 64 (16GB HBM2) |
3.4GHzモデル Radeon Pro 570 (4GB VRAM) 3.5GHzモデル 3.8GHzモデル |
3.0GHzモデル Radeon Pro 555 (2GB VRAM) 3.4GHzモデル |
Intel Iris Plus Graphics 640 |
本体サイズ | 65.0 × 51.6 × 20.3 cm | 52.8 × 45.0 × 17.5 cm | ||
重量 | 9.7kg | 9.44kg | 5.66kg | |
通信 | 有線LAN 1G/2.5G/5G/10GBASE-T 無線LAN Bluetooth |
有線LAN 10/100/1000BASE-T 無線LAN Bluetooth |
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カメラ | FaceTime HDカメラ | |||
ポート |
SDXCカードスロット(UHS-II対応) |
SDXCカードスロット USB 3ポート × 4 Thunderbolt 3ポート(USB-C) × 2 ギガビットEthernet |
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オーディオ | 強化されたステレオスピーカー 4つのマイクロフォン 3.5mmヘッドフォンジャック |
ステレオスピーカー マイクロフォン 3.5mmヘッドフォンジャック |
||
付属品 |
キーボード マウス・トラックパッド |
キーボード Magic Keyboard / Magic Keyboard (テンキー付き) マウス・トラックパッド |
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価格 (税別) |
4,999ドル (約562,500円)〜 ※日本円での価格は未発表 |
3.4GHzモデル 3.5GHzモデル 3.8GHzモデル |
3.0GHzモデル 3.4GHzモデル |
120,800円〜 |
iMac Pro | iMac 5Kモデル |
iMac 4Kモデル |
「iMac Pro」の仕様は今後変更される可能性あり
上記比較表をご覧いただいたらお分かりいただけるように、「iMac Pro」の性能はとんでもなく高い。「プロ」を名乗っているだけのこともあり、同端末を使えばどんなに重い処理でもサクサクとこなすことができるだろう。VRゲームの開発なども余裕でこなせそうだ。
ただし、同製品のネックは価格。まだ日本での販売価格は発表されていないが、米国での販売価格が4,999ドルと発表されていることから、日本では56万円以上になる可能性が高い。これは標準モデルの「iMac 5Kモデル」が二台も買えてしまう額に相当するため、一般のユーザーであれば軽い気持ちで買うことはできないだろう。
だが、「iMac Pro」は異常に高い価格かと言われると実はそうでもない。というのも、「iMac 5K」をフルカスタマイズ(プロセッサ:Core i7 TB使用時4.5GHz/メモリ:64GB/ストレージ2TB SSD)した場合、価格はなんと596,600円 (税別)となるため、それよりも高い性能をもつ「iMac Pro」がむしろお得に感じる。
つまり、(日本での販売価格やCTOオプションの価格にもよるが)高負荷のかかる作業をする機会の多い人は「iMac」よりも「iMac Pro」の方がコストパフォーマンスが高い可能性もあるのだ。プロユーザーであれば、やはり「iMac Pro」が最も適した端末と言えるかもしれない。しかも、「iMac Pro」ほどの性能があれば最低でも5年以上は使い続けることができそう。
一般ユーザーは「iMac 5Kモデル」を購入するのも悪くない
ただ、筆者は「iMac 5Kモデル(2017)」を所有しているが、同製品で2枚の4Kディスプレイに映像を出力しながら、映像処理や画像処理などそこそこ重い処理をさせたとしてもサクサク動作するため、ブラウジングや動画視聴、FacebookなどのSNS、ブログライティングなどの作業をマルチで行う程度であれば同製品でも十分だと感じている。
ちなみに、「iMac Pro」はメモリ交換をユーザーの手で行うことができないのに対し、「iMac 5K」はメモリの交換を自身の手でできる仕様になっているので、Apple公式サイトで購入する際のCTOオプションよりも安くメモリ増設が可能。また、購入したあと必要に応じてメモリ増設もできるので、黒いiMacが欲しい方や高負荷処理が基本のプロユーザーでなければ、「iMac 5Kモデル」の購入を検討してみても良さそうだ。
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