PCデスクを快適にするうえで、周辺機器の接続環境を整えることはとても重要だ。特に近年は、ノートPCの薄型化が進む一方で、USBやHDMIなどのポート数が減り、多機能なドッキングステーション (USB-Cハブ) の需要が高まっている。
そこで今回は、PC作業をさらに効率化し、デスクをスッキリとまとめるのに役立つ1台として、7-in-1モバイルドック 「BenQ beCreatus GR10」 を紹介したい。
BenQより提供してもらったものだが、筆者の環境にうまくフィットさせることができたので、ひとつの導入事例として参考になればと思う。スタンド代わりになる仕組みも用意されているため、パソコンだけでなくiPad miniなどに使用するにも便利だ。
6ポート+スタンドを拡張できる7-in-1ドッキングソリューション 「BenQ beCreatus GR10」 レビュー
こちらが、今回レビューする 「BenQ beCreatus GR10」 。パソコンやタブレット等のUSB Type-Cポートに接続することで、6つのポートを拡張できるドッキングソリューションだ。
USBハブと埋め込み式のUSB-Cケーブルで構成されていて、表側と側面に拡張用のポートが搭載されている。搭載ポートは以下のとおり。
搭載ポート | |
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おもて面 | ・USB Type-C (パススルー用 / 最大100W) ・USB Type-A (最大10Gbps, 最大4.5W出力) ・USB Type-A (最大10Gbps, 最大4.5W出力) ・HDMI 2.1 (最大4K@120Hz / 8K@60Hz) ・LANポート (最大2.5Gbps) |
側面 | ・USB Type-C (最大10Gbps) |
「BenQ beCreatus GR10」 は、USBハブ本体と埋め込み式ケーブルで構成されている。サイズは幅13cm × 奥行き5.5cm × 高さ2.5cmで、重量は約190g。
筐体はプラスチックとアルミニウム合金で作られており、シルバー部分はほとんどがアルミニウム合金性。金属素材が使用されている理由は、ハブで発生した熱を冷却するためと予想される。
一見、一般的なUSBハブと大きな違いはないように見えるが、本製品にはユニークな特徴として、開閉式のスタンドが背面に隠されている。
ハブをヒョイっと持ちあげて、後ろの黒い樹脂部分をパカッと開けるとスタンドが現れる。ここにスマートフォンやタブレットを立てかけて置くことが可能だ。
スタンドの奥行きは2cmほどあるものの、深さはあまりないので重いものを設置することは難しいが、筆者のデスクではiPhoneやiPad miniを設置するのに役立っている。
ドッキングソリューションとホストデバイスとの接続は、筐体側面から出ている埋め込み式のUSB4ケーブルで行う。ケーブルの長さは約20cmですこし短かく、そして硬めなのでデスク環境によっては取り回ししづらく感じる場合もあるかもしれないが、ケーブル先端をL字にするアダプタが付属するため、逆に取り回ししやすく感じる環境もあるはずだ。
底面は滑り止め加工が施されていて、使用中にズレないように工夫されている。そして、ケーブルを格納するための溝が用意されていて、使わないときはここにケーブルを入れておくことでコンパクトに収納することが可能だ。
MacBook Airと繋いで環境を構築してみた
本製品を手にしてから、筆者の環境でどう役に立てられるか様々考えてみた。
USB Type-Cポートを搭載したPCやMac、タブレットがあれば基本的にどの環境でも使用することができるが、筆者の環境ではすでにOWC Thunderbolt DockやBenQ beCreatus DP1310が大活躍しているため、今回はスタンディングデスクに置くMacBook Airに繋ぐことに。
MacBook Airは筐体左側にのみUSB Type-Cが搭載されているので、本製品の置き場所は必然的にMacBook Airの左側になる。幸いなことに、ディスプレイのHDMIなど各種ケーブルはデスクの左側に集中していて環境構築は簡単だった。
搭載されているUSB Type-Cポートのひとつは最大100Wのパススルーに対応するので、MacBook AirやMacBook Proを充電することも可能だ。
取材から自宅に帰ってきてすぐにMacBookが必要になった際には、このデスクにMacBookを置くルーチンがある筆者。「BenQ beCreatus GR10」 にケーブル1本で繋ぐことで、すぐに作業環境を構築できるのはかなり便利。
また、MacBook AirのUSB Type-CケーブルはThunderbolt 3およびUSB4をサポートするため、USB4をサポートする 「BenQ beCreatus GR10」 との相性がとても良い。
筆者は 「BenQ beCreatus GR10」 には、HDMIケーブルとUSBフラッシュストレージ、SSDストレージ、ロジクールのワイヤレスマウスを繋ぐためのUSBドングル等を繋いでおり、USB4の最大40Gbpsの転送速度のおかげで、これらの機器の動作も快適だ。
たとえば、外付けSSDを接続した場合でも転送速度のボトルネックを感じることはなく、大容量のデータ移動がスムーズに行える。
iPad miniと繋いだら『ゼンレスゾーンゼロ』が捗った
また、MacBook Air以外のデバイスとしては、iPad miniに接続してみたら便利だった。
iPad miniは、iPad ProやiPad Airと違ってMagic Keyboardのような一体型のキーボードはない。そのため、「BenQ beCreatus GR10」 のスタンド部分に立てかけることで、iPad ProやiPad Airのようにキーボードを使って作業できる。最近のiPadはUSB Type-Cケーブル1本で画面出力もできるので、簡易デスクトップ環境を構築することも可能だ。
ただ、スタンドはやや奥行きがある関係で、iPad miniをすこし寝かせた状態になる。そのため、外部ディスプレイに画面出力しながら使用するのが前提となりそうだが、もしiPad miniでコンパクトなデスクトップ環境を構築したい方がいたなら、本セットアップを魅力に感じる人もいるのではないだろうか。
筆者の場合は、HoYoverseのアクションRPG『ゼンレスゾーンゼロ』をプレイする環境として活用している。こちらもUSB Type-Cケーブル1本で手軽に構築できるので、デイリー・ウィークリータスクをサクッと消化したいときに便利だった。
まとめ:ハマる方にはとても魅力的な製品。筆者はMacBook AirとiPad miniにピッタリだった
今回は 「BenQ beCreatus GR10」 をレビューした。本製品はPCやタブレットに繋ぐことで手軽にインターフェースを拡張できる便利なドッキングソリューションだ。
特に、MacBook AirやMacBook Proなど搭載するポートの種類が少ないデバイスに使用すれば、PCデスクを十分快適にできるポイントを評価したい。合計で6ポートを拡張でき、そしてスマートフォンやタブレットのスタンドにもできる、まさに7-in-1なガジェットだ。
また、特に筆者の場合にはiPad miniとの相性が良かったことから、自宅だけでなく出張先に本製品とセットで持っていくことで、『ゼンレスゾーンゼロ』をホテルのテレビにすぐに出力できるのが魅力的だなと思えた。
一方で、個人的に注意するべきだと感じたこともある。それは、ホストデバイスと繋ぐためのUSB Type-Cケーブルが 「BenQ beCreatus GR10」 の筐体右側から出ていること。
筆者の環境では問題にはならなかったものの、繋ぐデバイスやデスク環境によってはこれが使いづらく感じることもあるかもしれない。
ケーブルは短めで意外と自由に設置できるわけではないため、ぜひ自身のデスクに本製品を導入できるイメージが湧いた場合に購入を検討いただければと思う。