Backbone Pro レビュー|Bluetooth対応でスマホ以外でも使える万能コントローラーに、旅行のお供に最適

モバイルゲーム向けコントローラーを手がけるBackboneは、今年5月にグローバルで発表したスマートフォン用コントローラー「Backbone Pro」をいよいよ日本国内でも発売する。

価格は29,700円(税込)。国内の販売代理店を務めるソースネクストが、全国の家電量販店やECサイトを通じて展開する。

今回、発売に先駆けて数週間程度「Backbone Pro」を試用することができた。本稿では「Backbone Pro」の詳細レビューをお届けしたい。

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スマホ以外にも繋げるようになったプロ仕様のBackboneが国内発売

「Backbone Pro」は、2020年に登場したスマートフォン用コントローラー「Backbone One」の上位モデルにあたる。基本的な使い方は、従来モデルと同様にスマートフォンを本体で挟むように接続することで、携帯ゲーム機のような操作を実現するというものだ。

ただし、進化した「Backbone Pro」はプロユーザーや多様なプレイ環境を想定した設計となっている。これまではLightningやUSB-Cによる物理的な接続が必要だったが、「Backbone Pro」はバッテリーを内蔵し、Bluetoothもサポートすることでスマートフォン以外のデバイスにも接続できるようになっている。

まずは製品デザインをチェックしていこう。

「Backbone Pro」は左右コントローラーをブリッジで繋いだ形状をしており、ジムのトレーニングマシーンのように本体を左右に引っ張ることでコントローラーを広げ、スマートフォンを挟むようにして接続する。

デザイン自体は従来のBackboneシリーズを踏襲しており、引き続きコンパクトで持ち運びやすい形状でありながら、アナログスティックはフルサイズ化したほか、新たに背面ボタンを搭載した。

アナログスティックには、信頼性の高いALPS製スティックを搭載し、センサーもスティックのドリフトを抑えるホールエフェクト方式(従来の接触式ではなく磁気センサーで操作を検知する方式)を採用。改良された凹型のスティックデザインの表面にはレーザー加工によるグリップテクスチャが施されており、より繊細なコントロールを実現する。

バンパーやトリガーは、従来よりも大型化したことで操作しやすくなっただけでなく、アナログスティックと同様にホールエフェクト方式を採用したことで、操作の信頼性も向上している。

背面ボタンは、よく使う操作などを割り当てておくことでゲーム操作をより快適なものにできる。操作の割り当ては、専用アプリ「Backbone」で自由にカスタマイズすることが可能だ。

なお、トリガーやスティックの感度調整、各ボタンの再割り当て、複数プロファイルの保存・切り替えも「Backbone」アプリで設定可能。細かく設定すれば、自身に最も合うコントローラーセッティングを作ることが可能だ。

上:Backbone One/下:Backbone Pro

グリップ部分は滑りにくく、人間工学に基づいた握りやすい形状とマットな仕上げにより、長時間のプレイでも快適さを維持できる。

筆者はこれまで「Backbone One」を使用してきたが、そのスリムな形状ゆえにグリップ感がやや物足りず、アクションゲームなどでは場面によってコントローラーの持ち替えが必要になることもあった。

しかし、「Backbone Pro」ではグリップに適度な厚みが加わり、手のひらにしっかりとフィットするようになったことで、激しいバトルシーンでも持ち替えの必要がなくなったのは非常に嬉しいポイントだ。

そのほか左コントローラーには、録画・スクリーンショットボタンとミュートボタン、右コントローラーにはBackboneアプリの起動ボタンとオプションボタンが用意されている。

コントローラー下部にはペアリングボタンと、3.5mmイヤホンジャック、Type-Cコネクタが搭載。Type-Cコネクタは充電用のものとなっており、スマートフォンを充電しながら「Backbone Pro」を充電することが可能だ。

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iPhoneに装着して『ゼンレスゾーンゼロ』をプレイしてみた。使用感をチェック

ケースなしの状態のスマホを接続した様子

筆者はメインスマホとして、iPhone 16 ProやiPhone 15 Proを使用しているがどちらも問題なく装着することができた。

背面カメラが干渉することなく接続できた

一番問題になりそうなのが、スマートフォンの背面カメラとの干渉だろう。もっともカメラの存在感のある「Pro」モデルに装着しても障害なく装着できたため、iPhoneユーザーは安心して購入できるはずだ。

ゴツメのケースだと、しっかりはまっているようで、実はUSB-Cがスマホ側にささっていない

ただし、ケースを装着している場合には注意が必要。特にサードパーティ性のゴツめのケースを使用している場合には「Backbone Pro」とケースが干渉してしまい装着できない場合がある。参考として、筆者がiPhone 15 Pro用に使用しているケースでは装着することができなかったが、iPhone 16 Proで使用しているトリニティのケースでは装着することができた。

また、今回のレビューでは主にiPhoneで試しているが、Androidスマホでも同じことが言える。大きめのスマホを装着できるようにするアダプタが同梱されているためそれを活用すると良いだろう。

ケースが干渉して装着できない場合は、ケースを外すか、装着可能な薄型ケースを検討する必要がある。ただし、Bluetooth接続でも問題なければ、スマートフォンを本体に挟むことさえできれば、有線接続時とほぼ同等の操作感でプレイすることが可能だ。実際に筆者も、現在使用しているiPhone 15 Pro用のケースを装着したまま、Bluetooth接続で快適にプレイしている。

ケースが干渉して物理的には接続できていないが、Bluetooth経由で接続できた

iPhoneを取り付けた状態で、『ゼンレスゾーンゼロ』をプレイしてみた。本作はデイリー・ウィークリーミッションが用意されており、筆者にとって出張・旅行中もプレイが欠かせないゲームのひとつとなっている。

筆者は、自宅ではPS5で『ゼンレスゾーンゼロ』をプレイしつつ、出張・旅行時には荷物の量に応じてiPad Pro+Xbox Elite ワイヤレス コントローラー シリーズ2 (以下、Xbox Elite コントローラー) と、iPhone+Backbone Oneを使い分けてきた。

グリップ部の違い (左:Backbone Pro/右:Backbone One)

Backbone Oneはコンパクトで荷物を圧迫しないことから、海外出張・旅行には欠かせない存在だったのだが、一方で通常のコントローラーよりも握ったときの厚みが薄く、グリップ力がいまひとつだった。本格的にプレイするというよりは、あくまでミッションをこなすためのサブ環境という感覚で利用していたように思う。

しかし、「Backbone Pro」はアナログスティックやバンパー・トリガーがフルサイズ化したことで、PS5やXboxの純正コントローラーと似た感覚でプレイできるように。また、コントローラーの左右が厚くなったことで、握ったときのグリップ力や安定感が増し、よりどっしりと構えてゲームをプレイできるようになった。

『ゼンレスゾーンゼロ』では、「式輿防衛戦」と呼ばれる高難易度のミッションがあり、レベルが上がっていくとただゴリ押しでひたすら攻撃してもクリアが難しく、敵の攻撃を正確に避けたりといった細かい操作が求められる。

iPad Pro+Xbox Elite コントローラーならある程度の難易度までは進むことができたのだが、iPhone+Backbone Oneだと精密な操作が難しく、「旅行・出張中はこのくらいまででいいかな……」と高レベル帯のプレイを諦めることもあった。

これにBackbone Proで挑むと、明らかにプレイの質が違ってくる。アナログスティックが使いやすくなったことでキャラクターの移動の精度が上がり、敵の攻撃を避けやすくなった。

式輿防衛戦の高レベル帯では、敵の攻撃の一撃一撃がしっかりと重く、一度でも攻撃を受けてしまうとHPをかなり持っていかれることも多いため、精密な操作で攻撃を的確に避けることがとても重要。「Backbone Pro」ならシビアな回避操作も難なくこなすことができる。

そして一番大きいのが、「Backbone Pro」ひとつでiPhoneとiPad Proの両方で操作できるようになったこと。1ヶ月近い出張ならXbox Elite コントローラーを持ち歩くとは思うが、そこまで長くないようであれば今後は「Backbone Pro」があれば十分だろう。

ちなみに、バッテリーを内蔵したことで重量が少し重くなっているが、個人的にはほとんど気にならないレベルの変化だった。むしろこれまでXbox Elite コントローラーと併用していたため、むしろ軽量化されたと捉えている。出張時の荷物が減らせるため、今後多用することは多いだろう。

まとめ:今後出張の相棒になるであろう「Backbone Pro」はどんなユーザーにオススメか

総じて、「Backbone Pro」は、モバイルゲームの体験を本格的なゲーム機レベルに引き上げてくれる、非常に完成度の高いスマートフォン用コントローラーだと感じた。

従来モデルからの確かな進化を感じられるだけでなく、Bluetooth接続や背面ボタンの追加、ホールエフェクト採用による操作精度の向上、そしてグリップ感の強化など、細部にわたって “プロ” の名にふさわしいアップグレードが施されている。

「スマホでも本気でゲームを楽しみたい」「出先でも家庭用ゲーム機に近い操作性を求めたい」といったユーザーにとっては、非常に魅力的な選択肢となるはずだ。特にiPhoneやAndroidの両方に対応し、iPadなど他デバイスでも使える汎用性の高さは、1台で幅広い用途をカバーしたい人にとって大きな武器となるだろう。

価格はやや高めではあるが、その分の価値を確実に感じられる製品だ。モバイルゲームを “カジュアルに遊ぶ” から “本格的にプレイする” へと進化させたいユーザーに、ぜひ手に取ってもらいたい一台だ。

もしどちらを選ぶか悩むようであれば、スマホのみに装着して操作することを前提とするならBackbone One、それ以外のデバイスに接続するならBackbone Proを選ぶのがシンプルな答えになりそうだ。

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