6月8日、Apple Japanは、Apple Musicの空間オーディオ、ロスレスオーディオサービスの提供を開始したことを正式に発表した。
Apple Musicの空間オーディオ、ロスレスオーディオサービスについては、現地時間6月8日午前2時に開幕した 「WWDC21」 基調講演で6月8日中に提供開始すると発表があり、その後、同日正午頃に利用可能になっていることが確認されていたことから、今回のニュースは 「提供開始」 が正式に告知されたという点にある。
Apple Musicの空間オーディオ提供開始が正式発表
Apple Musicの空間オーディオは、立体的に音楽が視聴できる機能。Dolby Atmosに対応した楽曲で利用可能だ。
Appleは、空間オーディオについて以下のように表現している。
Apple Musicはドルビーアトモスによる空間オーディオを導入することで、大好きな音楽をより一層身近に感じることができる、プレミアムなリスニング体験をお届けします。空間オーディオは、モノラルからステレオへと進化してきた録音技術の、まさに次のステージです。音楽があなたを包み込み、頭上を含むあらゆる方向から聞こえてきます。これはサウンドの未来であり、音楽の聴き方やアーティストの創作活動に革命を起こす、実に大きな飛躍なのです。
ロスレス・ハイレゾロスレスオーディオサービスは、Apple Musicで配信される7,500万楽曲がロスレス音源で再生可能になるというもの。ロスレスオーディオのフォーマットはALAC (Apple Lossless Audio Codec)、サンプルレートはCD音質16bit/44.1kHzから24bit/48kHzまで対応するほか、さらに最大24bit/192kHzのハイレゾロスレスにも対応する。
ハイレゾロスレスを利用するにはUSB DACなどの外部装置が必要となるものの、少なくともロスレス音源が利用できるようになるだけでも、これまでより高品質な音楽体験が可能になるはずだ。ロスレス対応デバイスについては、こちらの記事からご確認いただきたい。
空間オーディオが体験できるプレイリスト公開
今回の空間オーディオ提供開始を記念して、Appleは、特集ページ 「ドルビーアトモスの空間オーディオ」 を公開。空間オーディオを体験できるプレイリストをいくつか提供している。立体音響がどういうものなのか身をもって体験できるため、ぜひご視聴いただきたい。
Apple Japanによると、現在多くのアーティストが空間オーディオの体験に特化した音楽の制作をはじめているとのこと。アーティストやレーベルと協力し、空間オーディオに対応した楽曲カタログを追加していくとしている。
さらに、Appleは臨場感あふれる音楽制作ツールをLogic Proに直接組み込んでいくとも発表している。年内に、Logic Proのアップデートをリリース予定で、ミュージシャンは誰もがApple Musicと互換性のある空間オーディオで楽曲を制作しミックスできるようになるとのこと。
空間オーディオ(Dolby Atmos)機能は、H1チップあるいはW1チップを内蔵するすべてのAirPods、Beatsヘッドホン、およびDolby Atmosでの再生に対応したiPhone、iPad、Macで利用可能。今秋からApple TVとM1チップ搭載Macでも利用できるようになるほか、まもなくAndroidデバイスでも利用可能になる予定だ。
Apple Music 空間オーディオ対応デバイス (6月8日現在)
- iPhone 7シリーズ以降
- 12.9インチiPad Pro(第3世代〜)
- 11インチiPad Pro
- iPad Air(第3世代〜)
- iPad(第6世代〜)
- iPad mini(第5世代)
- MacBook(2018年以降)
なお、今回のApple Musicの空間オーディオの公開を記念して、空間オーディオがいかに音楽を変革していくかをゼイン・ロウが述べたプレスリリースがAppleのNewsroomに公開される。
また、ゼイン・ロウが司会を務め、世界トップのサウンド・エンジニアや専門家などのゲストとサウンドの未来について語る座談会が、日本時間6月9日(水)深夜1時から特集ページにて配信予定。こちらも気になる方は是非視聴いただきたい。
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