
Appleは、複数のApple製品を1つのプランでまとめて補償できる「AppleCare One」を、英国、フランス、ドイツ、オーストラリアの4カ国で8月4日から提供すると発表した。2025年に米国で導入したサービスで、iPhoneやiPad、Mac、Apple Watchなど複数の製品を1つの月額プランで管理できる。
オーストラリアでは月額29.99豪ドルから利用でき、最大3台までをカバーする。4台目以降の製品を追加する場合は、1台につき月額8.99豪ドルが必要だ。
英国では月額16.99ポンドで3台までを補償でき、追加デバイスは1台につき月額4.99ポンド。フランスとドイツは月額20.99ユーロで3台まで、追加デバイスは1台につき月額5.99ユーロとなる。
Appleによれば、オーストラリアでiPhone、iPad、Apple Watchの3台をAppleCare Oneでまとめて補償した場合、各製品で「AppleCare+ with Theft and Loss」に加入するより、月額最大18.48豪ドルを節約できる。英国では最大11.48ポンド、フランスとドイツでは最大13.48ユーロの節約になるとしている。ただし、実際の料金やメリットは対象製品によって異なるため、すべての組み合わせでAppleCare Oneが安くなるわけではない。
AppleCare Oneには、AppleCare+で提供されているサービスが含まれる。過失や事故による損傷について、1件ごとのサービス料を支払うことで回数無制限の修理を受けられるほか、バッテリー交換、Appleの専門スタッフによる24時間365日の優先サポートなどを利用できる。修理にはApple純正部品が使われ、Apple StoreやApple正規サービスプロバイダで対応する。
また、iPhone、iPad、Apple Watchについては盗難・紛失補償も対象となる。盗難・紛失については年間2回までの請求が可能だ。
AppleCare Oneは、すでに所有している対象製品を後から加入させられる点も特徴だ。加入時点で4年以内に購入した製品が対象で、状態が良好であることが条件となる。ヘッドフォンについては1年以内の製品が対象とされる。加入時に診断チェックや状態確認が必要になる場合があり、オンラインで診断を実行したり、製品の写真を撮影したりすることで確認できるケースもある。すでにAppleCare+に加入している製品や、購入直後の製品では確認が免除される場合があり、例外的にApple Storeでの確認が必要になることもある。
AppleCare Oneへの加入は、国によってApple公式サイトやApple Storeから行える。すでにAppleCare+に加入しているユーザーは、iPhone、iPad、Macの「設定」からAppleCare Oneに移行できる。年払いのAppleCare+から切り替える場合も対象となり、既存のAppleCare+は解約され、未使用期間分の料金が返金される仕組みだ。
また、Appleの下取りサービスを利用して対象製品を新しい製品に買い替えた場合は、AppleCare Oneの補償対象も新しい製品へ自動的に切り替わる。古い製品がプランから外れ、新しい製品が追加されるため、ユーザーが改めて補償を設定する必要はない。月額制のため、必要に応じて対象製品を追加・削除しながら、長期間にわたって補償を維持できる。
AppleCare+の盗難・紛失補償がiPadとApple Watchにも拡大
AppleCare Oneの展開に合わせ、英国、フランス、ドイツ、オーストラリアでは「AppleCare+ with Theft and Loss」の対象も拡大する。これまでiPhone向けに限られていた盗難・紛失補償が、iPadとApple Watchにも提供される。
これにより、1台だけを補償したいユーザーは、iPhone、iPad、Apple Watchのいずれでも盗難・紛失補償付きのAppleCare+を選べるようになる。一方、3台以上のApple製品を所有している場合は、AppleCare Oneにまとめたほうが安くなる可能性がある。
AppleCare Oneの料金は、対象製品の組み合わせによってメリットが変わる。たとえば、米国での料金を例にすると、iPhone 17e、Mac mini、Apple Watch SEを個別のAppleCare+で補償した場合、合計は月額16.97ドルで、AppleCare Oneの月額19.99ドルより安い。この組み合わせではAppleCare Oneを選ぶメリットはない。
一方、iPhone 17 Pro Max、M5搭載13インチiPad Pro、Mac Studioを組み合わせた場合は、AppleCare Oneを利用することで月額12.48ドルの節約になるという。さらにApple Vision Proを追加すると、AppleCare Oneは月額25.99ドルとなるのに対し、個別のAppleCare+では合計57.46ドルとなり、差額は大きくなる。
Apple Vision Proのように、単体のAppleCare+料金が高い製品を含む場合は、AppleCare Oneのメリットが大きくなるケースがある。米国ではApple Vision Pro単体のAppleCare+が月額19.99ドルで、AppleCare Oneの基本料金と同額となっているため、Apple Vision Proを含む複数製品を所有しているユーザーにとっては、2台目以降の補償を追加料金で受けられる形になる。
ただし、AppleCare Oneは3台の補償を基本とする一方、盗難・紛失を含む請求には年間の上限がある。海外メディアの報道によると、AppleCare Oneでは対象製品全体で年間3回までの請求が可能とされる。AppleCare+ with Theft and Lossでは盗難・紛失の請求が年間2回までとなる。事故による損傷については、AppleCare Oneでは回数無制限の修理が提供される。
修理時の自己負担額も製品によって異なる。英国の場合、iPhoneは109ポンド、iPadは99ポンド、Apple Watchは89ポンド。MacBook Neoは画面または筐体の損傷が49ドル、それ以外の損傷が149ドルとされ、その他のMacでは画面または筐体が99ドル、それ以外が299ドルとなる。なお、これらは提供資料に基づく海外での料金であり、日本での料金や条件とは異なる。
iPadの事故による損傷補償では、Apple PencilやApple純正のiPad用キーボードが関連アクセサリーとして補償対象に含まれる場合もある。
複数のApple製品を持つユーザー向けの新たな選択肢に
AppleCare Oneは、複数のApple製品を所有するユーザーを主な対象としたサービスだ。iPhoneだけ、iPadだけといった単一製品のユーザーにとっては、個別のAppleCare+のほうが安い場合がある。一方、iPhone、iPad、Mac、Apple Watchなどを複数所有している場合は、AppleCare Oneと個別のAppleCare+を比較する価値がある。
また、従来のAppleCare+は新製品の購入時や購入後の一定期間内に加入する必要があったが、AppleCare Oneでは条件を満たせば、すでに所有している最大4年前の製品も補償対象に加えられる。新しく購入した製品だけでなく、現在使っている製品をまとめて補償できる点は、複数のApple製品を長く使うユーザーにとって大きな変更となる。
AppleCare Oneの料金と条件は国によって異なる。今回発表された4カ国の月額料金と追加デバイス料金、Appleが示す最大の節約額は以下の通り。
| 国・地域 | 基本料金 | 追加デバイス | 修理時の自己負担額 | Appleが示す最大の節約額 |
|---|---|---|---|---|
| オーストラリア | 29.99豪ドル/月 | 8.99豪ドル/月 | 45~149豪ドル | 月額18.48豪ドル |
| フランス | 20.99ユーロ/月 | 5.99ユーロ/月 | 29~99ユーロ | 月額13.48ユーロ |
| ドイツ | 20.99ユーロ/月 | 5.99ユーロ/月 | 29~99ユーロ | 月額13.48ユーロ |
| 英国 | 16.99ポンド/月 | 4.99ポンド/月 | 25~79ポンド | 月額11.48ポンド |
AppleCare Oneは8月4日から英国、フランス、ドイツ、オーストラリアで提供される。米国での提供開始から約1年を経て、初めて米国外へ展開されることになる。
なお、現時点で日本国内における「AppleCare One」の提供についてはAppleから発表はなく、今後日本を含む他地域に拡大するかは明らかになっていない。
情報ソース
(画像:Apple)
