韓国T-moneyがApple Wallet対応。iPhoneやApple Watchで公共交通機関が利用可能に

韓国のIC交通カード「T-money」が、ついにApple Payに対応した。iPhoneやApple WatchにT-moneyを追加すれば、物理カードを取り出すことなく、ソウルの地下鉄やバスに乗車できるようになる。

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エクスプレスモードに対応、ロック解除不要でそのまま乗車

「T-money」のApple Payへの対応は今年6月に予告されていたもので、Apple WalletにT-moneyを追加すると、韓国の地下鉄、バスなどでiPhoneまたはApple Watchを「かざすだけ」で乗車できる。

また、日本と同様にロック解除不要で改札を通過できる「エクスプレスモード」にも対応する。さらに、iPhoneの「電源節約モード」時でも利用可能なため、バッテリー残量が少ないときでも安心して交通機関を使える。

セキュリティ面では、Apple Payの既存仕様と同様に、T-moneyのカード情報はAppleのサーバーに保存されず、Apple側と共有されることもない。万が一、iPhoneやApple Watchを紛失した場合も、「探す」アプリを使って即座に端末をロックし、位置を追跡することが可能となっている。

対応機種はApple Payに対応するiPhoneおよびApple Watch。具体的にはiOS 17.2以降をインストールしたiPhone XS/XR以降、またはwatchOS 10.2以降をインストールしたApple Watch Series 6/SE(第2世代)以降のデバイスだ。

カードの追加手順はシンプルだ。Apple Walletアプリを開いて「+」をタップし、「交通カード」→「T-money」を選択するだけ。Apple Payを通じてWallet内で直接チャージできるほか、モバイルT-moneyのiOSアプリでもチャージが可能。Apple Wallet内では残高確認やチャージ履歴も簡単にチェックできる。

特に便利なのが「自動チャージ」機能だ。残高が一定以下になると、あらかじめ設定した金額がApple Payを使って自動でチャージされる。基準残高とチャージ金額はユーザーが自由に設定でき、日常的な通勤や旅行中に残高不足で足止めされることがない。自動チャージはWalletアプリ内の「カード詳細」から、またはT-moneyアプリからオン・オフが切り替えられる。

チャージ方法はやや限定されている。現在、Apple Wallet内で直接チャージできるのは韓国国内で発行されたクレジットカードまたはデビットカードが必要。より多様なチャージ手段を求める場合は、T-money公式の「モバイルTmoney」アプリ経由でのチャージも選択肢になるが、この点は今後の対応拡大が望まれる。

また、今回のApple Wallet対応は、プリペイド型のT-moneyカードのみが対象で、ポストペイ型のT-moneyカードや、月定額で利用できる「気候同行カード(Climate Companion Card)」、K-Passなどの特殊な交通パスは対象外となる点には留意が必要だ。

Apple Payは2023年3月に韓国でサービスを開始したが、これまでの対応先は主にコンビニやチェーン店舗に限られていた。公共交通機関への対応は、ようやく本格的な普及のフェーズに入ったことを意味しており、韓国国内でのApple Payの存在感が今後一層強まる可能性がありそうだ。

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(画像:Apple)

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