Appleは今年6月、地図アプリの改善のために地図情報収集車「Apple Maps vehicles」を日本国内に投入することを発表した。車両に搭載されたカメラやレーダーなどを使って、走行中に地形や道路の形状を読み取り、それらの情報を純正「マップ」アプリに反映させる予定だ。
この地図情報を収集するための「Apple Maps vehicles」が、日本国内で目撃されている。スマホ・ケータイジャーナリストの石川温氏が以下の写真をTwitterに投稿した。
投稿された写真を見ると、白いバンの後部窓に「Apple Maps」と書かれており、Appleの地図情報収集カーであることは一目瞭然。車両の上には大きな装置が取り付けられていて、これを使って道路や地形の詳細データを取得しているものとみられる。
この大きな装置にはGPSのほかに距離測定用のLiDARや複数の高解像度カメラ、さらにリアホイールには物理測定ツールが搭載されており、これらを使って正確な距離やイメージをキャプチャーすることができるという。
怪しいクルマが止まっているので近づいて見たら「Apple Maps」って書いてあった。 pic.twitter.com/Wm1JgTNT9k
— 石川 温 (@iskw226) 2018年8月13日
Appleの発表によると、「Apple Maps vehicles」が投入されているのは日本では東京都内と千葉県の一部(浦安市)のみ。集めたデータはマップの品質向上のために使われ、今後のアップデートでユーザーに提供される予定。ちなみに、収集した画像に含まれる人物の顔やナンバープレートにはぼかし処理が施されるなど、プライバシー保護を最重要視しながら行われているという。
Appleは、今年6月末、純正の地図アプリを再構築中であることを発表している。Googleマップに対抗するため、高解像度の衛星写真に加えて実際の車両を使って情報を収集し、緑地の正確な位置や道路の混雑具合などの細かい情報も地図に反映されるようになるという。
この新しい地図は「iOS 12」以降でリリースされる予定で、すでにベータ版では試験的に米カリフォルニアの地図情報が置き換えられている。日本の地図情報が更新されるのはまだ先になるとみられるが、徐々に新しいマップになる地域は拡大予定であるとのこと。近いうちに、Appleの純正地図がアップグレードされることになるだろう。
地図の情報収集カーといえば、最初に頭に思い浮かぶのはGoogleストリートビューの撮影車だが、今後はAppleの地図情報収集カーとすれ違う機会もあるかもしれない。もし、白いバンの上に怪しい機械が載っていたら、それは「Apple Maps vehicles」かも。都内を歩く際は街ゆく車を注意深く観察してみてはどうだろうか。
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