Appleは11月7日、いよいよ次世代SoC 「M3/M3 Pro/M3 Max」 を搭載した新型 「MacBook Pro」 「24インチiMac」 を発売する。
これらの新型Macの発売を前にして、ベンチマークソフト 「Geekbench 6」 による各チップのベンチマークスコアがGeekbench Browserに多数登場している。本記事では、現時点で投稿されているベンチマークスコアをモデル別にまとめてみた。
M3/M3 Pro/M3 Maxチップとは?
Appleの 「M3/M3 Pro/M3 Max」 チップは、業界最先端の3nmプロセスで製造された最新SoC。
極端紫外線 (波長13.5nm) を用いる次世代露光技術である 「極端紫外線リソグラフィ」 によって、髪の毛の断面ほどの大きさにトランジスタを200万個を組み込める微細化が可能に。
その結果、トータルのトランジスタ数はM3チップが250億個、M3 Proチップが370個、M3 Maxチップが920億個へと増え、高性能コアは電力効率を維持しながらもM1チップに比べて30%、M2世代に比べて15%高速化。高効率コアについても、M1世代に比べて50%、M2世代に比べて30%高速化を果たしている。
M3チップは、8コアCPU/8コアGPUあるいは8コアCPU/10コアGPUで構成され、CPUパフォーマンスはM1に比べて最大64%高速に。
M3 Proチップは、M3の性能をさらに強化した設計で、主にプログラマーやクリエイター、研究者などのプロユーザー向け仕様のSoC。11コアCPU/14コアGPUあるいは12コアCPU/18コアGPUの2つのSKUが用意され、CPUパフォーマンスはM1 Proに比べると最大40%高速になっている。
M3 MaxチップはM3 Proのさらに上の性能を持ち、3Dグラフィックのアーティストや高度なビデオ編集者など、負荷の高い作業を行うハイエンドユーザー向けのSoC。14コアCPU/30コアGPU構成と、16コアCPU/40コアGPUの2つのSKUが用意され、CPUパフォーマンスはM1 Maxに比べて最大80%高速化されている。
M3シリーズのベンチマークスコアのまとめ
Geekbench Browserをチェックすると、「Mac 15,X」 というモデル名でM3シリーズ搭載Macのベンチマークスコアが掲載されている。M3シリーズの基本動作周波数は4.05GHz。参考として、M1シリーズは3.20GHz、M2シリーズは3.48GHzだった。
現時点で判明しているモデル名と搭載SoCは以下。
モデル名 | 搭載SoC | コア構成 |
---|---|---|
Mac 15,3 | M3 | 8コアCPU+10コアGPU |
Mac 15,5 | M3 | 8コアCPU+10コアGPU |
Mac 15,6 | M3 Pro | 12コアCPU+18コアGPU |
Mac 15,10 | M3 Max | 14コアCPU+30コアGPU |
Mac 15,11 | M3 Max | 14コアCPU+30コアGPU |
Mac 15,8 | M3 Max | 16コアCPU+40コアGPU |
Mac 15,9 | M3 Max | 16コアCPU+40コアGPU |
CPU性能
CPUのシングルコアスコアとマルチスコアスコアは以下。比較対象として、M2シリーズ/M1シリーズのスコアも掲載しておく。
製品名 | SoC | コア構成 | シングルコア | マルチコア |
---|---|---|---|---|
Mac 15,9 | M3 Max | 合計16コア ・高性能x12 ・高効率x4 |
3191 | 20912 |
Mac 15,8 | M3 Max | 合計16コア ・高性能x12 ・高効率x4 |
3104 | 21207 |
Mac 15,11 | M3 Max | 合計14コア ・高性能x10 ・高効率x4 |
3210 | 19445 |
Mac 15,10 | M3 Max | 合計14コア ・高性能x10 ・高効率x4 |
3052 | 19307 |
Mac 15,6 | M3 Pro | 合計12コア ・高性能x6 ・高効率x6 |
3035 | 15173 |
Mac 15,5 | M3 | 合計8コア ・高性能x4 ・高効率x4 |
3116 | 11655 |
Mac 15,3 | M3 | 合計8コア ・高性能x4 ・高効率x4 |
3156 | 11800 |
Mac Studio (M2 Ultra) |
M2 Ultra | 合計24コア ・高性能x16 ・高効率x8 |
2688 | 20970 |
MacBook Pro (14-inch, M2 Max) |
M2 Max | 合計12コア ・高性能x8 ・高効率x4 |
2692 | 14918 |
MacBook Pro (14-inch, M2 Pro) |
M2 Pro | 合計12コア ・高性能x8 ・高効率x4 |
2586 | 14235 |
MacBook Pro (14-inch, M2 Pro) |
M2 Pro | 合計10コア ・高性能x6 ・高効率x4 |
2661 | 11849 |
MacBook Air (13-inch, M2) |
M2 | 合計8コア ・高性能x4 ・高効率x4 |
2571 | 9876 |
Mac Studio (M1 Ultra) |
M1 Ultra | 合計20コア ・高性能x16 ・高効率x4 |
2430 | 18566 |
Mac Studio (M1 Max) |
M1 Max | 合計10コア ・高性能x8 ・高効率x2 |
2456 | 12959 |
MacBook Pro (16-inch, M1 Pro) |
M1 Pro | 合計10コア ・高性能x8 ・高効率x2 |
2399 | 12334 |
MacBook Pro (14-inch, M1 Pro) |
M1 Pro | 合計8コア ・高性能x6 ・高効率x2 |
2398 | 10585 |
MacBook Air (13-inch, M1) |
M1 | 合計8コア ・高性能x4 ・高効率x4 |
2383 | 8724 |
上記スコアから、M3チップはM2チップに比べてシングルコアスコアが最大23%、マルチコアスコアが最大19%高速化しており、M1チップに比べてシングルコアスコアが最大32%、マルチコアスコアが最大35%高速化していることが分かる。
M3 Proチップはコア数が増えたこともあり、M2 Proチップに比べてシングルコアスコアが最大17%、マルチコアスコアが最大28%高速化しており、M1 Proチップに比べてシングルコアスコアが最大27%、マルチコアスコアが最大43%高速化している。
そしてM3 Maxチップは、M2 Maxチップに比べてシングルコアスコアが最大21%、マルチコアスコアが最大44%高速化しており、M1 Maxチップに比べてシングルコアスコアが最大31%、マルチコアスコアが最大64%高速化している。
GPU性能
OpenCLとMetalのベンチマークスコアは以下 (現時点ではまだM3 ProとM3 Maxの一部モデルのデータが欠けている状態) 。こちらも比較対象として、M2シリーズ/M1シリーズのスコアも掲載しておく。
製品名 | SoC | コア構成 | OpenCL | Metal |
---|---|---|---|---|
Mac 15,9 | M3 Max | 40コア | 91071 | 154764 |
Mac 15,8 | M3 Max | 40コア | 92159 | 152579 |
Mac 15,11 | M3 Max | 30コア | 76577 | 125046 |
Mac 15,10 | M3 Max | 30コア | ??? | ??? |
Mac 15,6 | M3 Pro | 18コア | ??? | ??? |
Mac 15,5 | M3 | 10コア | 30345 | 46994 |
Mac 15,3 | M3 | 10コア | 30429 | 47145 |
Mac Studio (M2 Ultra) |
M2 Ultra | 76コア | 128858 | 218367 |
60コア | 114679 | 199183 | ||
MacBook Pro (14-inch, M2 Max) |
M2 Max | 38コア | 83221 | 140362 |
30コア | 75786 | 120781 | ||
MacBook Pro (14-inch, M2 Pro) |
M2 Pro | 19コア | 51835 | 82754 |
16コア | 45723 | 74656 | ||
MacBook Air (13-inch, M2) |
M2 | 10コア | 28669 | 46140 |
8コア | 24114 | 39381 | ||
Mac Studio (M1 Ultra) |
M1 Ultra | 64コア | 104687 | 170072 |
48コア | 89569 | 153801 | ||
MacBook Pro (14-inch, M1 Max) |
M1 Max | 32コア | 69552 | 117211 |
24コア | 59779 | 99774 | ||
MacBook Pro (14-inch, M1 Pro) |
M1 Pro | 16コア | 41668 | 64524 |
14コア | 38352 | 62842 | ||
MacBook Air (13-inch, M1) |
M1 | 8コア | 21068 | 33318 |
7コア | 18760 | 30652 |
上記スコアから、M3チップはM2チップに比べてOpenCLが最大6%、Metalが最大2%高速化しており、M1チップに比べてOpenCLが最大44%、Metalが最大42%高速化していることが分かる。
そしてM3 Maxチップは、M2 Maxチップに比べてOpenCLが最大11%、Metalが最大10%高速化しており、M1 Maxチップに比べてOpenCLが最大33%、Metalが最大32%高速化している。
今回発表された新型モデルのうち、「14インチMacBook Pro (M2 Pro搭載)」 と 「24インチiMac」 の実際の使用感に関しては、発売後にレビューを公開する予定だ。
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(画像:Apple)