AppleのXRヘッドセットはデータ転送用のUSB-Cコネクタを搭載、外付けバッテリーはマグネティック式で簡単に取り外し可能?

Appleが今年6月の 「WWDC23」 で発表するとみられる、独自XRヘッドセット 「Apple Reality Pro」 について、米Bloombergの記者Mark Gurman氏が最新の情報を伝えている。

Mark Gurman氏は、毎週日曜に配信している、自身のニュースレター 「Power On」 の最新号のなかで、このXRヘッドセットに関する最新情報を提供した。

(画像:9to5Mac)

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独自のマグネティックポートでバッテリーパックから電力を供給か

AppleのXRヘッドセットは、AR (拡張現実) とVR (仮想現実) の両方の性質をあわせもつ、MR (複合現実) が利用できると予想されている。

完全なるスタンドアローンでの動作ではなく、なんらかのデバイスやバッテリーと外付けで接続して使用することが基本とみられているが、バッテリーは取り外しが簡単なように磁石を利用する仕組みになっているとのこと。独自のマグネティックポートを2つ搭載することで、バッテリーから電力を供給する仕組みであるようだ。

バッテリーのサイズ感や形状は、iPhone 12/13/14シリーズで利用できるMagSafe Battery Packと似ているとのこと。

MagSafe Battery Packの容量は1,460mAh (7.62V、11.3Wh) であることから、あまり長い時間の駆動はできない可能性がある。Mark Gurman氏によると、駆動時間は約2時間程度になるとのことだ。長時間利用したいユーザーは、バッテリーを複数個用意しておき、バッテリーが切れたら、適宜交換して使用する必要があるのかもしれない。

MagSafe Battery Pack

バッテリーを外部に依存することで、HMD自体の重量は軽くすることができ、装着時の快適性を担保することができるという。しかし、一方でHMDとバッテリーはケーブルで繋ぐことになり、バッテリーは衣服のポケットに入れて使用することが想定されるため、ブランブランと揺れるケーブルが使用時に邪魔になる可能性はありそうだ。

ケーブルはバッテリーパックと一体型になっていて、取り外すことは不可能であるという。また、ヘッドセットと接続する側のケーブルは先端が丸くなっていて、前述のマグネットポートに回しながら挿入することで固定できるという。HMD装着時に誤ってケーブルが抜けてしまうことは防げる設計になっているとのことだ。

また、同ヘッドセットにはデータ転送用のUSB-Cコネクタが搭載されているという。データの転送速度等の詳細については言及されていない。

これまでの噂をおさらいすると、AppleのXRヘッドセットは、本体はアルミニウムとガラス、クッションで構成されており、装着者の目が外側から見える曲面スクリーンが搭載されているとの噂。

ARとVRの両方に対応しており、ハンドトラッキングと視線トラッキングによる操作に対応。ハンドトラッキングはヘッドセット外部に搭載されたセンサーで、視線トラッキングはヘッドセット内部にあるセンサーで実現するとみられている。

視線トラッキングへの対応により、装着者は目で項目を見ることでデバイスを操作できるほか、VRアバターの視線移動の表現も可能になるとみられる。

ハンドトラッキングは、親指と人差し指など指の動きを検知することができ、コントローラーを持たずに操作することが可能に。他社のXRヘッドセットではコントローラーありきであることが多いなか、Appleはコントローラーレスをアピールポイントにする可能性がある。

ARとVRの切り替えには、Apple Watchに搭載されているDigital Crownのような “つまみ” を使用するとのこと。

(画像:Meta)

XRヘッドセットにはMacの画面を映し出すことができる予定で、VR空間のなかでMacを操作できるという。具体的にどのように実現するのかは現時点では不明だが、トラックパッドやマウスやキーボードといった入力デバイスの位置などが見えるようになっているものと予想される。
文字入力はiPhoneやiPad、Macなどを利用できるほか、Siriによる音声入力も可能。ハンドジェスチャーによる文字入力もできる予定だ。

XRヘッドセットでは、Safariや写真アプリ、メールやメッセージアプリ、App StoreやApple TVアプリといったお馴染みの機能も利用可能で、FaceTimeでは、ユーザーの顔や全身を表現することができるとのこと。

本XRヘッドセットは没入感の高い映像体験が特徴のひとつになる予定で、砂漠や宇宙空間などの環境に浮かぶ巨大スクリーンで映画を見ているような “ビデオ鑑賞用機能” が用意される予定だという。また、高い没入感をもつコンテンツを提供できるパートナーとして、ディズニーやドルビーなどとの提携が予想されるとMark Gurman氏は予想している。

価格は他社HMDの2倍近い価格となる3,000ドル級になることが予想されている。現在の為替レートでは39万円前後になる見込みで、一般ユーザーが簡単に手に取れる製品になるわけではなさそうだ。

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