現地時間5月4日、Appleは2023年第2四半期 (2023年1~3月期) の決算発表を行った。
同四半期の売上高は948億3600万ドル (約12兆7312億円) で、前年同期比2.5%減。純利益は241億6000万ドルで前年同期比3.4%減。1株あたり利益は1.52ドル。
参考情報として、昨年同期 (2022年第2四半期) は売上972億7800万ドル、純利益は250億1000万ドルだった。
減収減益も事前の市場予測は上回る結果に
各製品の売上高、会社全体の売上高・純利益 (および増減) は以下表のとおり。
総売上高 | 948億3600万ドル ( -2.5% ) |
---|---|
純利益 | 241億6000万ドル ( -3.4% ) |
売上高 | |
---|---|
iPhone | 513億3400万ドル ( +1.5% ) |
Mac | 71億6800万ドル ( -31.3% ) |
iPad | 66億7000ドル ( -12.8% ) |
Wearable & Home | 87億5700万ドル ( -0.6% ) |
Service | 209億700万ドル ( +5.5% ) |
今期の決算は、売上高が前年同期比2.5%減となる948億3600万ドル、純利益が前年同期比3.4%減の241億6000万ドルと減収減益にはなったものの、事前の市場予測は上回ったかたち。
部門別に見ると、iPhoneが1.5%増の513億3400万ドル、Macが31.3%減の71億6800万ドル、iPadは12.8%減となる66億7000ドル、ウェアラブルが0.6%減の87億5700万ドルとなった。一方で、サービス部門は5.5%増の209億700万ドルとなった。
地域 | 売上高 |
---|---|
アメリカ | 377億8400万ドル ( -7.6% ) |
ヨーロッパ | 239億4500万ドル ( +2.8% ) |
中国 | 178億1200万ドル ( -2.9% ) |
日本 | 71億7600万ドル ( -7.1% ) |
アジア太平洋地域 | 81億1900万ドル ( +15.3% ) |
地域別の売上高では、米国および中国、日本市場における売上高が減少している。米国および日本市場では7%以上の減速となったが、一方で中国市場においては2.9%減と前回決算発表時(2023年Q1)よりも売上の減少幅は少なくなっている。
今回の決算内容は事前の市場予測を上回るものであったのと同時に、Appleの当初予測も上回る結果となったという。この発表を受けて、今日の米国株式市場ではApple株が時間外取引で1%以上上昇している。
Appleのティム・クックCEOは今回の決算発表において、ドル高や高インフレなど昨今のマクロ経済環境の逆風のなか、不安視されていたiPhoneの売上が復調したこと、そしてサービス部門の売上が過去最高を記録したことをアピールした。
特に、Apple MusicやiCloudなどを含むサービス部門は、有料会員数が全体で9億7500万に到達。Apple TV+の配信コンテンツはユーザーやレビュワーから高い評価を受けていることを明らかにしている。
一方で、マクロ経済環境の悪化についてCFOのルカ・マエストリ氏が説明した内容によると、昨今のドル高は、Appleの売上に5%以上の悪影響があったと分析しているという。その影響を受けながらも、iPhoneの売上が前年同期比でプラスに転じたことは良いニュースと言えるだろう。
MacやiPadは二桁の売上減となっているが、これらはApple Siliconをはじめて投入した昨年決算とは比較が難しいことから、Appleとしては予測範囲内であったことも明らかにしている。
なお、Appleは今回の決算発表にあわせて、約900億ドル相当の自社株買いを行うことも発表している。また、配当についても11年連続の増配となっており、1株当たり0.23ドルから0.24ドルへと増加する予定だ。
関連記事
・MacBook Pro (14インチ, M2 Pro, 2023) レビュー|M2世代で性能ブーストされた新モデル、その実力に迫る
・Apple Watch Ultra レビュー|驚異の56時間バッテリー駆動のタフネスモデル!その使い心地/性能を徹底検証