昨年より始まった「Apple Music」というサービスは音楽ストリーミング配信サービスで、開始されてから1年足らずで世界1,300万人の有料会員の獲得に成功している。
今後もAppleは「Apple Music」に力を入れ、サービスの拡大をしていくものと思われるが、それと同時にiTunesによる音楽販売事業が終了する可能性が浮上してきた。
音楽事業はすべて「Apple Music」にシフト
Digital Music Newsによると、AppleはiTunesによる音楽販売サービスを2年以内に終了することを計画しているようだ。
現在でもiTunesの音楽ダウンロード事業は年間数億円の利益をもたらしているが、他の音楽ストリーミング配信サービスが台頭してきていることもあり、「Apple Music」のリリース前からダウンロード数は減少傾向にあったという。
音楽業界に精通するMark Mulligan(@Mark_Mulligan)氏によると、iTunesでの音楽ダウンロード事業は、2019年で6億円の価値になるそうだが、2012年の39億円から減少しており、このままだと2020年ごろにはiTunes事業は音楽ストリーミング配信サービスの10分の1程度の事業規模になってしまうとの見方もある。
すでにAppleの幹部の間では「iTunesのダウンロード事業をやめるかどうか」ではなく、「いつやめるか」に話がシフトしているようで、今後のダウンロードの売上が落ち込みによっては早急に事業が終了になる可能性も十分あるようだ。
すでに音楽配信サービスを利用している人からすれば、もはやダウンロード販売は不要のサービスなのかもしれない。だが、未だに自分の手元に音楽データを残しておきたい人も多い。
僕もどちらかといえばそういうタイプで、音楽データを保存しておくために大容量のストレージを用意しているほどだ。
いつでも気軽に欲しい音楽をダウンロードできるというメリットがなくなってしまうのは個人的にはダメージの大きい話なのだが、それでも有料音楽配信サービスの需要を考えるとある種、合理的な選択なのだろうか。これで、逆にCDの存在意義が復活するということもあるのかもしれない。
「Apple Music」は現在、世界100カ国で提供されており、1,300万人の有料会員を抱えているが、1周年となる2016年6月30日までに1,500万人のユーザーを獲得することを目標にしているとのこと。
[ via MacRumors / The Next Web ]