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Apple、BluetoothとWi-Fiチップを自社開発か。5Gセルラーモデムと統合も計画か

Appleは、iPhoneに内蔵する5Gモデムチップを他社製のものから自社製のものへ切り替える計画と報じられている。しかし、通信モジュールの内製化は今後Bluetooth/Wi-Fiチップにも及ぶ可能性があることがわかった。

米メディアBloombergの著名記者Mark Gurman氏が現地時間9日に伝えた。

Mark Gurman氏によると、AppleはQualcomへの依存度を引き下げるため、5Gモデムチップの開発に取り組んでいる。他社製から自社製への切り替えは早ければ2024年、遅くても2025年初頭には完了する見通しであるという。

自社で開発した通信モジュールへの切り替えは、まずはiPhoneのハイエンドモデルで行う予定だという。その後、3年をかけてすべての製品でQualcomm製モデムから自社製モデムへ切り替えていく計画だ。

当初は2023年中に完了する予定だったが、過熱、バッテリー寿命、コンポーネントの検証の問題等によりスケジュールが延期されているという。

(画像:Apple)

セルラーモデムは、Wi-Fiネットワーク環境から離れている際の唯一の通信機能となるため、仮にQualcommのセルラーモデムに性能が劣ればiPhoneの売れ行きにも大きな影響が出るため慎重に開発する必要がある。また、iPhoneは175カ国以上で100社以上の通信事業者と提携し販売しているため、それらのキャリアネットワークを正常に利用できることもすべて自社で検証する必要が出てくる。これは決して簡単な話ではない。

さらに、同様に独自のBluetooth/Wi-Fiチップを開発することで、今度はBroadcomへの依存度を引き下げる狙いがある。切り替えの完了は2025年内を目指すが、開発の状況次第ではまだ先になる可能性もありそうだ。ただし、AppleにはAirPodsのH2チップやApple WatchのW3チップなど通信チップを自社製造しているなどすでに実績もある。

なお、BroadcomにとってAppleは最大の顧客であり、Broadcomの収益の約20% (約70億ドル) を占めるとされ、大幅な収入減が起きる可能性がある。

Appleはこれらの通信モジュールを自社製に切り替えるだけでなく、今後はセルラーモデムやWi-Fi、Bluetoothの機能をひとつにまとめた通信チップの開発も行っているとのことだ。もし実現し、他社製の通信モジュールよりも性能が高ければ、iPhoneの電力効率をさらに引き上げ、バッテリー駆動時間を伸ばすことも可能になるかもしれない。

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