Apple、温室効果ガス排出量を60%削減。環境戦略「Apple 2030」の進捗を公開

Appleは4月16日、地球環境への取り組みに関する最新の成果を発表した。2015年比で温室効果ガス排出量を60%以上削減したと明らかにし、同社の環境戦略「Apple 2030」に向けた重要なマイルストーンに到達したと報告している。

この発表は、4月22日のアースデイに先駆けて行われたもので、世界中のApple Storeでのデバイスリサイクルを促進するキャンペーン (5月16日まで) も同時に開始された。

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「Apple 2030」 戦略とは何か

「Apple 2030」 は、2030年までにAppleのサプライチェーン全体と製品ライフサイクル全体をカーボンニュートラルにするという長期目標だ。「削減を最優先し、カーボンクレジットは最後の手段として活用する」 という方針のもと、まずAppleは2030年までに、2015年比で排出量を75%削減することを目指している。今回の発表は、その進捗具合を報告している。

Appleのグローバルサプライチェーンでは現在、17.8GWの再生可能エネルギーが稼働中。これにより、2024年だけで約2180万トンの温室効果ガス排出が回避された。前年と比較して17%以上の削減となっており、Appleの取り組みが加速度的に進んでいることがわかる。

加えて、Appleはフッ素系温室効果ガス(F-GHG)の排出削減にも注力している。これは主に半導体やディスプレイ製造時に発生するもので、2024年にはこれらのサプライヤーによって合計840万トンの排出が回避された。半導体サプライヤーのうち26社が、Apple製品に関して2030年までにF-GHG排出を90%削減することを約束している。

Appleは、全製品における再生素材の使用率を年々高めており、現在では全マグネットに99%以上の再生希土類元素、全バッテリーに99%以上の再生コバルトを使用している。特にコバルトに関しては、Apple製バッテリーが同社全体の97%以上を占めており、ここでの進展が全体の環境負荷低減に直結している。

廃棄物削減の面では、2024年にAppleのゼロウェイストプログラムに参加したサプライヤーが埋立を回避した廃棄物は60万トン。2015年以降の累計では360万トンにのぼり、これは約450万㎡の埋立地を不要にした計算になる。

Apple製品そのものも、環境への影響を最小限に抑えるよう設計が進化している。2024年には、再生素材の使用率が55%を超える新型MacBook Airを発表。Apple史上、最もサステナブルな構成となった。昨年には、Mac miniで初めてカーボンニュートラルなMacも登場しており、Apple Watch全モデルでもカーボンニュートラルオプションが用意されている。

Appleはまた、2013年から始めたSupplier Clean Water Programを通じて、累計900億ガロン以上の水を節約してきたと報告した。水ストレスの高い地域での節水や再利用を促進し、2030年までに対象事業所の100%でクリーンな水供給を達成するという目標に向けて、現在40%をクリアしている。

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アースデイを記念したキャンペーンを展開

この取り組みの一環として、4月22日のアースデイを記念した限定キャンペーンを実施している。ユーザーはApple Storeで対象デバイスをリサイクルすると、アクセサリ購入時に10%の割引を受けられる。

Apple Fitness+では自然に触れるコンテンツを多数展開し、Apple TV+でも地球環境をテーマにしたオリジナルコンテンツを特集。「私たちの手で変わる未来」セクションでは、ドキュメンタリーから子供向け番組まで、地球の多様性を伝える作品が揃っている。

Appleの環境戦略は、単なる企業イメージ戦略にとどまらない。再生素材、クリーンエネルギー、廃棄物削減、水資源保護まで、多岐にわたるイノベーションを同時並行で進めており、その規模と影響力は他のテック企業にも波及しつつある。アースデイを機に、その取り組みを再評価する価値は大いにあるだろう。

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(画像:Apple)

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