米国時間10月30日、Appleは2019年第4四半期 (2019年7~9月期) の決算を発表した。
決算発表によると、同四半期の売上高は640億4,000万ドルで、前年同期比で2%増と市場予測を上回った。純利益は136億8,600万ドルで前年同期比3%減となった。希薄化後の1株あたり利益は3.03ドルとなり、事前の市場予測(2.83ドル)を上回った。
参考として昨年同期 (2018年第4四半期) は売上高629億ドル、純利益141億2,500万ドルだった。
iPhoneの販売不振は継続中であるものの、サービス部門が急成長中
各製品の売上高や会社全体の総売上高・純利益 (および増減) は以下の表の通り。
総売上高 | 640億4,000万ドル ( +2% ) |
---|---|
純利益 | 136億8,600万ドル ( -3% ) |
売上高 | |
---|---|
iPhone | 333億6,200万ドル ( -9% ) |
Mac | 69億9,100万ドル ( -5% ) |
iPad | 46億5,600ドル ( +17% ) |
Wearable & Home | 65億2,000万ドル ( +54% ) |
Service | 125億1,100万ドル ( +18% ) |
今回の決算の注目は、今年9月に発売した新型iPhoneがどれほど好調だったのかということ。Appleは2019年第1四半期の決算報告から、iPhoneやiPadなど各デバイスの出荷台数を報告しなくなったため正確な販売台数を分からなくなったが、売上額からある程度は把握することができる。
前年同期比9%減の333億ドルとなっていることから、昨年のiPhone XS/XS Maxシリーズに比べるとやや販売台数が落ちた可能性がある。とはいえ、前回決算(2019年Q3)でiPhoneの売り上げは前年同期比12%減となっていたことから、新型iPhoneで販売不振をわずかに改善することができたとも捉えることが可能だ。
iPhoneの販売減少を下支えしたのが、ウェアラブル部門とサービス部門だ。ウェアラブル部門には主にApple WatchやAirPods、HomePodなどが含まれるが、このうちのApple WatchやAirPodsが好調だ。前年同期比で54%の成長となっていて、Appleの中で最も成長角度の高い分野になる。
しかし、特筆すべきはサービス部門。Appleは2016年からサービス部門の売上を2020年までに2倍にすることを目標に掲げてきたが、その目標に向かって順調に推移していることが確認できる。今期の売上高は125億1,100万ドルで前年同期比18%増。
さらに今後は定額制ゲーム配信サービス 「Apple Arcade」 や11月2日から提供が始まる定額制映像配信サービス 「Apple TV+」 の売上も乗ってくるため、サービス部門は急成長を遂げる可能性が高い。
地域 | 売上高 |
---|---|
アメリカ | 293億2,200万ドル ( +7% ) |
ヨーロッパ | 149億4,600万ドル ( -3% ) |
中国 | 111億3,400万ドル ( -2% ) |
日本 | 49億8,200万ドル ( -3% ) |
アジア太平洋地域 | 36億5,600万ドル ( +7% ) |
地域別の売上は北米・アジア太平洋地域が好調。日本・ヨーロッパ・中国に関しては2~3%の売上減となっている。
Appleは今回の決算発表に合わせて、2020年第1四半期の決算発表の売上を855億ドルから895億ドルと予測している。
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