アンカー・ジャパンが家庭用蓄電池事業に参入。安全性とオンライン一気通貫の販売手法で他社との差別化狙う

アンカー・ジャパンは1月29日、都内でメディア向けの新規事業発表会を開催。「家庭用蓄電池」 事業に参入すると発表した。同社のポータブル電源ブランド 「Anker Solix」 から、蓄電池製品シリーズ 「Anker Solix XJ」 を発売する。

スマートフォンの充電などで大きな存在感を示すAnker (日本法人はアンカー・ジャパン) は、チャージング分野においてオンラインを中心に大きなシェアを獲得している。そしてアンカー・ジャパンは『家庭用蓄電池』を次なる市場と捉え、チャージング分野で培った強みを活かしてさらなる成長を狙う。

アンカー・ジャパン 代表取締役CEO 猿渡 歩氏

「能登半島地震」 などの災害時において、主に電力・チャージング分野で支援を行ってきた同社だが、昨今は電気料金が高騰していることに加えて自然災害も多く発生しており、蓄電池には一定の需要があるのではないかと感じ、参入を決めたという。

ターゲット層は絞ってないというが、アパートやマンションなどの集合住宅は導入が難しいことから、戸建てを中心に導入拡大を狙うと、アンカー・ジャパンの代表取締役CEOの猿渡 歩氏は話す。

本事業で最初に展開する 「Anker Solix XJ 蓄電池セット」 は、家庭用蓄電池と電力を制御するパワーコンディショナーがセットになった製品だ。

蓄電池は家族構成や使用する電力量に合わせて5,000Wh、10,000Wh、15,000Whの3つの容量帯から選ぶことができ、約1日〜3日分の電力を保持できる。蓄電池は家族構成の変動に合わせ、適宜拡張することも可能だ。

5,000Whは日常の余剰電力を有効活用し、有事の際に冷蔵庫への給電やスマートフォンの充電など、生活に最低限の電力を確保したいユーザーに最適としていて、約1日分の電力として使用できる。

左:10,000Wh/右:15,000Wh

標準的な4人家族には10,000Whがおすすめ。日常生活に必要な電力量をカバーでき、有事の際には冷蔵庫やスマートフォンの充電以外にも、冷暖房を含む家電を約2日使用できる。

15,000Whは、4人以上の家族やオール電化の家庭でも十分に対応できる大容量タイプ。最大3日間の電力を確保できるため、ソーラーパネルで発電しにくい梅雨や冬でも安心としている。

蓄電池には、安全性の高いリン酸鉄リチウムイオン電池を採用。電池パックごとに8つの異常検知センサーを搭載することで異常検知にも優れる。

駆動音は静かで防水・防塵にも対応。マイナス20℃まで耐えられるなど過酷な環境にも対応できる耐久性を実現した。最大15年間の製品保証も付帯し、長く安心して使えることをアピールしている。

蓄電池とあわせて展開するのが 「Anker Solix XJ パワーコンディショナー」 。ソーラーパネルで発電した電力を最大97.5%の高効率で制御する。また、電気回路内で電圧が高まると発生する電気火花であるアーク放電を素早く検出し、0.5秒以内に電源を遮断する機能も搭載している。

ソーラーパネルを一緒に設置したいユーザーについても考慮し、蓄電池と合わせて使えるソーラーパネルも展開。予備電力としてだけでなく、電気代の削減にも繋げることが可能だ。厳しい試験を通過した両面ガラス構造を採用しているなど、暑さや寒さ、塩害などの過酷な環境に耐えられる仕様であるとアピールしている。

本事業の販売手法としては、オンラインを中心に据える。本来、家庭用蓄電池は訪問販売からの導入が主流となっており、対面での契約や複数業者をまたいだ設置までの調整など、コミュニケーション負荷が高くなっている。アンカー・ジャパンはそこに着眼し、より負担の少ないオンラインを中心にした導入方法を提案する。

アンカー・ジャパンをひとつの窓口とし、ワンストップで問い合わせから見積もり、設置工事日まで調整。太陽光発電や蓄電池を導入することで補助金が出る自治体もあるが、申請フォーマットが自治体によって異なり手続きが煩雑になりがちな現状も踏まえて、オンラインで一気通貫で請け負うことが導入側の負担を減らせると考えた。

アンカー・ジャパンとのやりとりは、電話やメール、チャット、LINEなどに対応する。実際の設置工事は、各地域の工務店に依頼するかたちとなる。また、一部のアンカー直営店では先行展示も行い、ストア従業員からの設置に向けた案内もできるようにする。

本体価格は100万円後半〜、ソーラーパネルの本体価格は50万円〜となり、工事費等を含めると数百万円の買い物になる見込み。導入費用や月々の支払いについては、特設サイトで大まかに確認できる。

たとえば、地域が 「東京都」 、月々の電気代が 「6,001円〜11,999円」 、ソーラーパネルを設置しているかどうかは 「いいえ」 、屋根の形状が 「三角屋根」 、家の広さは 「119平米以下」 を選択すると、おすすめの設備が10000Whの蓄電池と3000Wのソーラーパネルとなり、月々の支払いは約25,800円という結果になった。支払いについては15年ローン前提での試算となっており、実際の支払い金額はローン有無や期間に応じて変動する。

「Anker Solix XJ 蓄電池セット」 の購入者には、購入特典としてAnker Japan公式オンラインストアで利用できる10万円分のクーポンをプレゼントするほか、140万件以上のサービスを優待価格で利用できる福利厚生サービスと家電製品の故障時に修理費用を補償する特典が一緒になった 「Ankerあんしんサポート」 と、Anker Japan公式オンラインストアでの商品購入時の送料が無料になったり、マイルが2倍になるなどの特典が利用できるプレミアムサービス 「Anker マイレージプログラム プライムパス」 を10年間無料で提供する。

さらに2025年3月末までに 「Anker Solix XJ」 シリーズを購入したユーザーには、工事費込みで3万円相当のセキュリティカメラ 「Eufy Solar Wall Light Cam S120」 をプレゼントする。

Anker取材
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