現地時間13日、米Amazonは同社が提供するクラウドコンピューティングサービス 「AWS」 を通じて、生成AIサービス (ジェネレーティブAI) を提供すると発表した。
Announcing New Tools for Building with Generative AI on AWS | AWS Machine Learning Blog
Amazon、AWSを通じてジェネレーティブAIサービスを数週間以内に提供開始へ
Amazonが提供するジェネレーティブAIは、自社および外部の新興企業が開発した技術をベースに開発したもの。今後数週間以内にAWSを通じて提供を開始する予定。GoogleのPaLMや、Microsoftが積極的に導入するChatGPTなどに対抗する構えだ。
ただし、独自のチャットボットを提供するのではなく、クラウドコンピューティングサービス 「AWS」 を通じて新しいAI言語モデルを利用できるようにし、ユーザーが独自のチャットボット等を構築できるように手助けするものになる。
外部の新興企業とは、AnthropicとAI21の2社。両社の言語モデルへアクセス可能にする新たなプラットフォーム “Bedrock” をAmazonが立ち上げるかたち。さらに、AWSではAIスタートアップ企業である英Stability AIの画像生成AI 「Stable Diffusion」 についても、アクセス可能にする予定だ。
また、Amazonは独自のモデル 「Amazon Titan」 を発表している。Titanは2つのモデルで構成されており、ひとつはプロンプトからブログ記事や電子メールなどのテキスト生成を得意とするもの、もうひとつは翻訳や検索などパーソナライゼーションを支援することを得意とするものになる。
なお、今回の発表にあわせてコード開発用の生成AIサービス 「Amazon CodeWhisperer」 の一般提供を開始することを発表した。AWSを利用する個人開発者はこれをすべて無料で利用できるようになる。
ここ数ヶ月、テック業界ではジェネレーティブAIを活用した新たなサービスに注目が集まっている。わずか数ヶ月で大きな脚光を浴びるほどの成功を収めているChatGPTを皮切りに、多くの会社がジェネレーティブAIを使用したサービスを発表し、新たなサービスを開始したり、既存サービスのアップグレードを行っている。
また、こうした新たな技術の誕生に伴い、多くの会社が生成AI技術を利用し、他社との差別化を図ろうとしている。一部の建設業や法律事務所などもジェネレーティブAIの導入に積極的だ。
一方で、ジェネレーティブAIの拡大はクラウドコンピューティングサービスの市場にとって驚異的な存在となりつつある。投資家や起業家たちが、あらゆる業界でジェネレーティブAIを活用する方法を考え、企業が独自のアプリケーションを構築するためのツールを作り出すきっかけになるからだ。
クラウドコンピューティングの世界的マーケットは依然としてAWS (Amazon) ではあるものの、同社を追いかけるMicrosoftはAzureでChatGPTを利用できるようにしたほか、GoogleはPaLMをGoogle Cloudを通じて利用できるようにしている。今回のAmazonの発表は、これらに対抗するためのひとつの方法とも言える。
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(画像:Amazon)