Amazon、AI搭載「スマートデリバリーグラス」を開発。配達員の目になるウェアラブルで、安全かつ効率的な配送を実現へ

Amazonが、配送ドライバー向けの新たなウェアラブルデバイス「スマートデリバリーグラス」を開発している。AIによるセンシング機能とコンピュータビジョン技術を組み合わせ、ドライバーがスマートフォンに頼らず、安全に効率よく配達できるよう設計された次世代デバイスだ。

このメガネ型デバイスは、配達員 (Delivery Associates:DA) が荷物をスキャンし、歩行ナビゲーションを確認し、配達証明を記録するといった一連の作業をすべてハンズフリーで行える点が特徴。

視界の中には配達先情報やルート、注意すべき障害物などがリアルタイムで表示され、ドライバーはスマホの画面と周囲を交互に見る必要がなくなる。Amazonによると、これにより安全性と集中力が向上するという。

開発にあたっては、数百人に及ぶ配達員のフィードバックをもとに、装着感やディスプレイの見やすさを徹底的に調整。実際にテストに参加したドライバーのひとりは「スマホを見る時間が減って、常に前方に注意を向けられた」と語っている。

デバイスには配達用ベストに装着できる小型コントローラーと交換式バッテリーが備わり、一日中の稼働をサポート。ワンタッチで緊急サービスに連絡できる専用ボタンも搭載する。さらに、度付きレンズや自動調光レンズにも対応しており、長時間の使用にも配慮した設計となっている。

Amazonは2018年に「Delivery Service Partner (DSP)」プログラムを開始して以来、シミュレーショントレーニングや物流プロセスの最適化など、テクノロジーを活用して配達体験の改善を進めてきた。今回のスマートグラスは、その流れをさらに推し進める存在といえる。

同社は今後、AIによるリアルタイムの誤配検出や環境認識機能も追加予定だ。たとえば誤った住所に荷物を置いた際に警告を出したり、暗所で自動的にレンズを調整したり、犬などのペットを検知して注意を促すといった機能の実装が構想されている。

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(画像:Amazon)

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