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アマゾンの生成AIアシスタント「Alexa+」日本上陸。10月29日から早期アクセスが開始

Amazonは10月28日、生成AIを活用した新しい音声アシスタント「Alexa+」の日本向け早期アクセスを10月29日に開始すると発表した。

東京都内で開催された発表会には、Amazon Alexa インターナショナル 日本・オーストラリア担当リージョナルマネージャーのジャンマリア・ヴィスコンティ氏、同インターナショナル バイスプレジデントのミケーレ・ブッティ氏、アマゾンジャパンでEcho・Ring・スマートホーム事業部を統括する丸山舞氏、プライム・マーケティング事業統括本部長の鈴木浩司氏らが登壇。生活に自然に溶け込む「アンビエントAI」の構想や、日本語特有の表現や会話の流れをくみ取る新たな対話体験を紹介した。

会場では、Alexa+に対応するスマートクロック「Echo Time」とスマートスピーカー「Echo Dot」の新モデルも発表された。本稿では、「Alexa+」の日本での提供開始に加え、発表会で披露されたデモを通じて、その対話能力や日常生活での活用方法を紹介する。

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「Alexa+」とは? 生成AIで進化する音声アシスタント

「Alexa+」は、従来のAlexaを生成AIによって進化させたサービスだ。ユーザーの話す内容や前後の文脈を理解し、より自然な会話を通じて情報検索や予定管理、スマートホーム機器の操作などを支援する。日本語版の提供にあたっては、日本特有の言い回しや文化的な背景にも対応できるよう調整を重ねてきたという。

発表会のステージや、リビング、キッチン、ベッドルームを再現した3つの体験ルームでは、「Alexa+」を使ったさまざまなデモが披露された。

丸山氏が「お好み焼きは大阪派?広島派?」と質問すると、同氏の出身地に配慮して「広島派」と返答

対話機能では、最初に「アレクサ」と呼びかけた後、毎回ウェイクワードを繰り返さなくても会話を続けられることを紹介した。直前までのやり取りを踏まえて応答するため、追加の質問をしたり、別の話題に切り替えたりしながら自然に対話を進められる。ステージでは、緊張している登壇者に温かい言葉をかけたり、相手の好みに合わせてユーモアを交えたりする様子も見られた。

「Alexa+」は、単に質問への回答を返すだけでなく、会話から得た情報をもとに実際の作業を進められる。発表会では、スマートフォンのアプリを通じて取り込んだ画像や書類を読み取り、必要な情報を整理する機能も実演された。

例えば、学校から配布されたプリントや予防接種のお知らせを撮影して読み込ませると、関係する日時や費用などを抽出し、カレンダーに登録できる。書類に記載された情報を確認するだけでなく、予定の管理まで一連の流れで進められる。

さらに、抽出した予定が既存の習い事のスケジュールと重なった場合には、指示に応じて欠席連絡のメール文面を作成する。デモでは、音声IDによって本人を識別し、本人のアカウントからメールを送信するところまで披露された。書類の読み取りから予定の登録、予定の重複確認、連絡メールの作成・送信まで、複数の作業を会話を通じて実行できることを示した。

このように、ユーザーがひとつひとつの操作を指示するのではなく、目的を伝えることで必要な処理を順番に進められる点が「Alexa+」の特徴だ。情報の検索や整理、カレンダー、メールなどの機能を組み合わせることで、日常的な事務作業を効率化できる可能性がある。

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曖昧な言葉から作品を検索。スマートホームも会話で操作

エンターテインメント関連の検索でも、曖昧な手がかりから目的の作品を探し出す様子が紹介された。「西島秀俊が出ているサスペンスドラマ」や「『薬屋のひとりごと』の主題歌」といった言葉から作品や楽曲を検索できるほか、うろ覚えの歌詞を手がかりに曲を探して再生することもできる。

作品名や正確な検索キーワードを覚えていなくても、記憶に残っている情報を伝えれば候補を探せる。会話を通じて手がかりを補足しながら検索できるため、従来のキーワード検索とは異なる使い方ができそうだ。

スマートホームとの連携では、会話の文脈から状況をくみ取り、照明や音楽を調整する機能が披露された。例えば、「今夜の雰囲気に合わせて」と話しかけると、ハロウィンイベントに合わせて室内の照明をかぼちゃ色に変更する。色や明るさを細かく指定しなくても、会話の意図に沿って部屋の雰囲気を整えられる。

さらに、複数の機器を「定型アクション」を使ってまとめて操作するデモも行われた。「片付けて」と話しかけるだけで、ロボット掃除機を起動し、照明を消して、ペットが落ち着ける音楽を再生するといった一連の動作を実行できる。従来まで定型アクションはAlexaアプリで作る必要があったが、「Alexa+」では音声で指示するだけで作成したり、内容を編集・追加できるようになった。

キッチンでの利用を想定したデモでは、ササミやほうれん草、卵など、手元にある食材を伝えると、それらを使ったレシピを提案した。カメラに調味料を映し、作ろうとしている料理に合うかどうかを尋ねる使い方も紹介された。食材や調味料を確認しながら献立を考えられるため、料理中にレシピを探したり、手元にあるものを確認したりする場面で役立ちそうだ。

外部サービスとの連携で予約や情報収集にも対応

発表会では、外部サービスと連携して用事を済ませるデモも披露された。

甥のために東京でロケットを見られる場所を探すという場面では、国立科学博物館を候補として提示。さらに、上野の焼肉店を会話形式で予約し、その予定をカレンダーに登録するところまで進めた。場所探しから予約、予定の管理までを一連の会話で進められることを示した。

今後は「食べログ」「Uber Eats」「出前館」「チケットぴあ」「DELISH KITCHEN」など、日本国内のサービスとの連携も拡大する予定だ。飲食店探しや料理の注文、チケット関連の情報収集、レシピ検索といった用途を、Alexaとの会話から利用できるようにする。

Amazonのサービスとの連携では、「Amazon Photos」に保存した写真を会話から探せるほか、買い物の際には商品の価格を追跡する機能などを提供する。情報を検索して終わるのではなく、外部サービスや各種機能を組み合わせ、目的の達成まで支援することを目指している。

Amazon Alexa インターナショナル バイスプレジデントのミケーレ・ブッティ氏

英語圏で先行して展開されてきた「Alexa+」を日本市場に導入するにあたり、Amazonが重視したのが、日本独自の文化や習慣に合わせた調整だ。

ブッティ氏は、大規模言語モデルが多言語に対応していても、学習データの多くが英語圏に由来するため、そのままでは特定の文化圏に特有の考え方や行動様式を十分に理解できないと説明した。

例えば、日本語の「大丈夫」は、状況によって承諾にも辞退にもなる。相手との関係性に応じた敬語や二人称の使い分け、お正月やお花見といった季節行事にまつわる習慣も、日本語で自然な会話を成立させるうえで欠かせない要素だ。言葉を文字どおりに解釈するだけでなく、発言の背景や会話の流れを踏まえて意味を判断できるようにすることが、日本語版の開発における課題だったという。

Amazon Alexa インターナショナル 日本・オーストラリア担当リージョナルマネージャーのジャンマリア・ヴィスコンティ氏

こうした課題に対応するため、日本国内の約1,000人規模のローカルチームが開発に参加した。既存ユーザーによるベータテストを重ね、日本のユーザーが求める品質を満たせるよう改善を続けてきた。日本独自のスマートリモコンとの連携など、実際の住環境を想定した動作検証にも力を入れたという。

ヴィスコンティ氏は、日本の文化を深く理解し、家族の暮らしに自然に溶け込むパートナーを目指して開発を進めてきたと語った。

日本語版は10月29日から。プライム会員は追加料金なし

「Alexa+」はまず日本語版早期アクセスプログラムとして10月29日から順次提供され、対応デバイスのほか、ブラウザーから「alexa.jp」を通じて利用できる。早期アクセス期間中は、すべてのユーザーが無料で試せる。

早期アクセス終了後は、単体のサブスクリプションサービスとして月額3,000円(税込)で提供する予定。ただし、Amazonプライム会員は追加料金なしで利用できる。

Amazonによると、日本国内でAlexaが利用された回数は、過去3年間で約300億回に達した。直近1年間のスマートホーム操作は26億回を超え、音楽の再生時間は5億2,000万時間以上に上る。Alexaに接続されたデバイスは1,500万台以上となっている。

こうした利用基盤を背景に、AmazonはAlexaを音声による質問応答や家電操作のためのサービスから、会話を通じて日常の作業を進めるAIアシスタントへと発展させようとしている。自然な会話で複数の操作をまとめて実行できることに加え、日本語特有の表現や生活習慣をどこまで理解できるかが、国内での使い勝手を左右することになりそうだ。

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