来年発売の次世代型iPhoneは次世代通信規格 「5G」 をサポートすると言われているが、かの有名なアナリストは、来年に発売するiPhoneはすべての機種で同通信規格をサポートする予定と伝えていることがわかった。彼によると、Appleが先日Intelのスマートフォン向けモデムチップ事業を買収したことによって、その計画が現実味を帯びてきているという。米MacRumorsが伝えた。
この情報を伝えたのは、Appleの未発表製品の予想の的中率が高いことで知られる、TF International SecuritiesのアナリストMing-Chi Kuo氏。彼は投資家向けレポートの中で、2020年に発売するiPhoneはすべて5Gネットワークに対応する予定であることを伝えた。
2020年発売のiPhoneは全て5Gに対応予定か
Kuo氏は当初、2020年に発売するiPhoneは3つと伝えた上で、そのうちの2機種のみが5Gに対応すると伝えていた。つまり、今回の投資家向けレポートで過去の予想を修正したことになる。
この予測修正に至った理由はおそらくAppleがIntelのスマートフォンモデムチップ事業を買収したことが原因だろう。Appleは今月26日に、Intelからモデムチップ開発部署を10億ドルで買収したことを発表。規制当局の承認が降りれば今年第4四半期にも買収手続きが完了する見込み。Appleは自らの力で5Gに対応したモデムチップを開発できるようになると報じられている。
Appleは当初は上位2モデルのみに5G用モデムチップを搭載する予定だったが、この買収によって計画を変更したのかもしれない。Ming-Chi Kuo氏によればAppleはローエンドAndroid端末と戦うために、ローエンドモデルのiPhoneにも5G用モデムチップを搭載することを考えたという。
ただし、すべての5G規格に対応できるかは現時点では不明だという。5Gにはサブ6GHzとミリ波帯の2種類の周波数帯が存在するが、Appleはこのふたつの周波数帯に対して十分な開発リソースを持っていない可能性があると指摘。Kuo氏は全iPhoneがすべての周波数帯に対応していることを期待しているようだが、中国など多くの地域がミリ波帯の運用をしない見通しであるため、どうなるかはわからないようだ。
一般的にサブ6GHz帯は広範囲に電波が届きやすいという特徴がある反面、周辺の電波に干渉を受けやすい。対するミリ波帯の電波は直進性が高いため、広範囲を網羅するにはやや不向きだが、代わりに電波干渉を受けることが少ないため、人口集中エリアなどでの展開に向いているとされている。
もちろんサブ6GHz帯とミリ波帯のどちらも4Gに比べると通信速度は上ではあるものの、今後の整備計画ではしばらくサブ6GHz帯はミリ波帯に比べて通信速度が劣ることが考えられるため、できればミリ波帯の5Gに対応することが望ましい。
ちなみに、Kuo氏によれば2020年に発売するiPhoneは全3モデル。いずれも有機ELディスプレイを採用し、上位モデルの画面サイズは5.4インチと6.7インチ、下位モデルの画面サイズは6.1インチになると予想している。
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